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#005 プロット公開します

この[note]内で[#プロット]と入れて検索すると、
本日時点で、2,200件以上もあります。
プロットの作り方や、利用の仕方、便利さなどは、
多くの方が分かりやすく語っていらっしゃるので、
その方々の記事をお読みくださいませ。


拝啓 これからプロットを作ろうとしている方へ


「プロットは必要ですか?」と問われたら、

プロットは、作っておいて損はない。

わたしは、そう回答します。
「作るべき」ではなく「あったら便利」という感じです。
ビジネスマン風にいうと「マストじゃなく、ベター」。

ちなみに、カタカナを多用するビジネスマンに、
わたしは吹き出しそうになるのをこらえながら、
「日本語で言うと?」とたずねたくなります。…… 性格悪いです。

さて、プロットについて。
わたしの結論は「あったら便利」です。
理由は「あれば、書き始める前にいろいろな意見・感想が聞けるから」。

以下は、ずいぶん前、わたしの作ったプロットです。
(実際にいろいろな意見・感想を聞くことができました)


◆ジャンル:幻想ファンタジー
◆ターゲット:13歳~22歳(中学1年生~大学4年生)
◆コンセプト(メッセージ):「いまの自分は、過去の自分のおかげです」
つらい記憶(思い出)も、楽しい記憶(思い出)も、
これまでの人生も、これからの人生も、ぜんぶ自分の人生。
リセットなんてできない。
過去をしょって生きていくのが、人生というものです。
いまの自分は、過去の自分のおかげだし、
これからの自分をつくるのは、いまの自分次第。
ちゃんと再認識しましょう。

~ タイトル:少女と娼婦(仮)~

舞台は、ヨーロッパの田舎町?
近代以降の文化が混在している不思議な世界。
お母さんとふたり暮らしの少女。
お父さんは戦争で亡くなっているらしい。詳細は誰も語ってくれない。
裕福ではない。お母さんは水商売をしている。
家事などは少女がしている。
近所の人の目はいつも冷たい。友だちからもいじめられる。
少女は、イヤな思い出が多い。

ある日、少女は占い師に出会う。
占い師から「記憶を預かる(消してくれる)お店」のことを聞く。
そのお店のある町は、住んでいる町からは遠い。
いつか行ってみたいと思う。

別の日に、少女は旅人の女に出会う。
旅人の女は、娼婦。
失くした記憶をさがして、春を売りながら、旅を続けているのだという。
少女は、
占い師から聞いた「記憶を預かる(消してくれる)お店」のことを話す。
娼婦の女は、その店に行けば、
失くした記憶を元通りにしてくれるかもしれないと思い、
行くことを決断する。
少女は、イヤな思い出ばかりの、これまでの記憶を消したい。
だから、いっしょに行くことにした。
ふたり旅がはじまる。

少女が客を引き、娼婦の女が春を売りながら、旅を続ける。
道すがら、さまざまな人たちと出会う。
田舎町育ちの少女は、世の中には、
いろんな思いや人生を抱えて生きている人たちがいることを知る。
サーカスに売られた少年。戦争で足を失くした男。
産まれた子の顔を見るために脱獄してきた盗人の男など。
少女は感じた。
娼婦の女は、生活のためだけでなく、
そんな男たちの心を癒すために春を売っている、のかもしれないと。

やがて、記憶を消してくれるお店のある町に到着するふたり。
その町で、再び占い師に出会う。
占い師は、娼婦の女と、むかし出会っていると言った。
そして、お店のことも話したと。
娼婦の女は、そのお店で昔、記憶を預けている(消している)らしかった。
少女と娼婦の女は、お店へと向かった。

少女は、
お店でこれまでのつらい記憶を預ける(消してもらう)ことにした。
娼婦の女は、預けていた記憶を返してもらうことにした。
記憶を預けるときは、燃やすと赤い煙が立つ薬草の、その煙を吸い込む。
記憶を返却してもらうときは、緑色の煙が立つ薬草の、その煙を吸い込む。

儀式が始まる。
順番は、記憶を消したい少女から。
少女は香炉から立つ赤い煙を吸い込んだ。
すると少女は、赤い煙に包まれ、
しばらくすると、忽然と消えていなくなってしまった。
娼婦の女は、驚きもせず、その様子を眺め、
「あなたのおかげでここに戻って来ることができた。ありがとう」
と感謝した。

次は、娼婦の女の番。
香炉から立つ緑色の煙を吸い込んだ。
緑色の煙に包まれ、煙の色が薄くなるにつれ、娼婦の女も消えていく。
すると、さきほど消えたはずの少女になっていた。

旅の少女は、娼婦の女の記憶がつくった幻だったのかもしれない。
あるいは、少女の未来への幻想が、娼婦の女を作っていたのかもしれない。

そして、ひとりになった少女(ひとつに戻った少女)は、
自分の住む町へと帰っていく。
家では、何事もなかったように、お母さんが少女を迎えた。

おわり。


※以下、補足
少女にとって、大人の女性への憧れや、娼婦への侮蔑意識、
そもそも性に対して拒否する感覚・受け入れる覚悟など、
その辺りをさらに突き詰めていくつもり。
それと、母と娘の関係は、いかなるものか? も。
貧しい母娘はもちろん寄り添って生きている。
でも娘は、人生がつらい理由を、口にはしないが、
父がいないことと、母の商売(酔っ払い相手の小さな飲み屋)の
せいだと思い込んでいる。
でも、旅の過程で、いろいろな人との出会いを通して、
また娼婦との交流のなかで、少女は成長していく。
成長の結果として、つらい過去のすべてをそのまま受け入れ、
これまでの人生のつづきを歩き出す。

エンディングは、
住んでいた町に着いたところで終わってもいいし、
帰る決心をして、帰路につくところでもありだし、
自宅前(店の前)で掃除をしている母の姿を
確認したところで終わってもいい。

ちなみに、
記憶を消す・取り戻すという店に向かい、儀式を行う設定は、
「旅」「出会い」「成長」「気づき」のストーリーを
よりドラマチックに、そして何よりファンタジックにするための演出。

読み手(観客)にとっての日常は、昨日のつづきが今日である。
さらに言えば、
「昨晩みた夢の終わったところから今日を生きなければならない」。
つまり、この昨晩の夢が、小説であり、スクリーンに映し出された映像。

いずれ、映像化も考えている訳です。
いま考えているのは、動く絵本(映像化の手始めは、影絵アニメ)。
女優さんに小説を朗読してもらい、タブレット端末で観てもらうみたいな。
その後、本格アニメ。


以上、ずいぶん前、わたしの作ったプロットでした。
(実際にいろいろな意見・感想を聞くことができました)


★中学生のとき、読書で初めて大笑いした小説★
鎌田かまた 敏夫としお 著「刑事珍道中」


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