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映画「チャイルド・プレイ」(1988年)を観た感想。

一作目はわりとまじめなホラー

チャイルド・プレイシリーズが好きだ。特に1作目「チャイルド・プレイ」では、主人公アンディの周りの誰もが自分を信じてくれないという状況がもどかしい。殺人人形チャッキーも、昭和の撮影技術とは思えないほど不気味に俊敏に動き、今観てもけっこうまじめに怖い。

シリーズが進んでいくにつれ、「チャイルド・プレイ」にはB級感…いやC級感が漂うようになる。4作目の「チャッキーの種」あたりになると下ネタもひどい。でも、何度でもしつこく蘇る殺人人形チャッキーのその後を知ることができるので、これからも新作が出るたびに観に行くことだろう。

主人公アンディの幼さとかわいらしさ

本作の主役(被害者?)は6歳の誕生日を迎えたばかりのアンディ(アレックス・ヴィンセント)。吹き替えで視聴すると声が幼いせいもあって6歳よりもより幼く見える。子どもの体格のことはよくわからないけれど、あどけない喋り方や甘え方から、4歳くらいかなと思っていた。

どこでこんなに完璧なかわいい子を見つけたんだろう…

アンディの父親は既に他界し、アンディは母親のカレンとふたりでシカゴで暮らしている。舞台がシカゴということもあるのか、子役の可愛らしさのせいか、母親のたまにヒステリックで気が強いところなのか、どことなく「ホーム・アローン」のケイトとケビンの姿を思い出させる。カレンが着ているキャメルのコートも、「ホーム・アローン2」でケイトが着ていたものに似ていて印象に残る。このコートを着て、カレンはアンディのために治安の悪い夜の街を走る。そういえば「ホーム・アローン2」にも同じようなシーンがあった。

つつましいけれど、貧しそうではないカレン。
感動の対面。

なぜ「チャイルド・プレイ」の一作目は怖いのか?

ホラー映画の主人公としては、アンディはあまりに幼く頼りない。言葉も堪能でないし、立ち上がる時の動作も、まだ体幹が発達していない幼児そのもの。走り方もおぼつかない。何かを話しても「子どもの作り話」と周りに全く信用してもらえない。
対してチャッキーの中身は湖畔の絞殺魔チャールズ・レイ。このふたりが対峙して、アンディに勝ち目があるようにはとても思えない。この明らかな力関係が観ているものを絶望的な気分にさせる。
実際のところ、アンディがチャッキーに勝利したのかと問われると微妙なところである…。2作目、3作目と、アンディは生き残ったものの失ったものが多すぎて、各種ホラーの主人公の中でもかなり気の毒な境遇となっている。

湖畔の絞殺魔?

ところでチャールズ・レイは「湖畔の絞殺魔」という通り名で呼ばれていたが、実は作中に絞殺シーンはあんまりないことに気づく。どちらかといえばナイフや斧などの武器で殺しに来るイメージ。小さい人形の身体になってしまったから、道具に頼らざるを得なくなったのだろうか…。


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