夫婦別姓の問題


そもそもなんでそうする必要があったか。
それは明治政府が戸籍をしっかり作ったことから始まる。
その基準として男性の家に入ると言うのが基本として「家」の概念を作ったためである。
ではそれ以前は「家」という概念はなかったのだろうか?
いや、戦国時代以前からあったと思う。
「織田」「上杉」「伊達」「徳川」「今川」などいっぱいある。
政略結婚の際は女性は姫であっても「モノ」でしかない。
信長の妹のお市の方も浅井長政の継室(後妻)になっている。
織田から浅井になったのである。

家族といものは女性が男性側の姓となり、家を拡大していくのが基本となっている。
当然逆もできるが、婿養子は非常に珍しい。

夫婦別姓にすれば、この戸籍制度がよくわからなくなると言うより、事実上廃止せざるを得なくなる。
生まれた際に、親が子供の姓を自由に選べる。多分取り合いになるし、兄弟で姓が違うことになったりする。
そうすると戸籍は二つの家が入り乱れ、戸籍制度はなくなり、先祖を辿ることはできなくなる。
日本から家という概念がなくなり、先祖という概念がなくなりはしないが薄くなる。
これが3代続けば親戚などのルーツがなくなる。苗字が多すぎて一族って考え方はなくなる。
完全なる個人主義になって姓と言うのは価値がなくなっていくと思われる。
〇〇家の子供ってのがなくなり、江戸時代の町民のように〇〇長屋の子みたいに地域くらいでしか区別できなくなる。
そして、成功者は自分の力を自分の血を引くものに継がせたいと思うことは多い。
金持ちが金持ちであり続ける理由である。戸籍から生まれる家という概念はここにつながると思う

上記が戸籍を失うことのデメリットとするなら、メリットは何か?
一番は差別の撤廃である。部落や帰化した在日朝鮮人を差別から守れる。
身内に犯罪者がいる場合などの差別からも守られる。
親族、生まれなど気にせず、自らの実力で価値を高めることができる。
戸籍がある場合、さまざまなルールを把握している専門家の知識が必要になるが
なくなれば、遺産相続などのややこしい制度を簡易化することが可能かもしれない。
自分の苗字を継いでくれた子供に分割して渡すなど。

書いていて気が付いたのだが、これは怖いことかもしれない。
遺産がある場合、渡す側はほとんどの人が同じ苗字の人間に渡すだろうな。
すると別姓の妻と、別姓にした子供は遺産を受け取れない可能性が上がる。
絶対ではないが上がるってことが問題である。

そうなると資産を持っている方の姓が選ばれる。
別姓になれば資産のない方は他人になる。
その姓を子供が継ぐだろうか?

ちなみに現状想定しているのは子供が成人時まで苗字を変更できる権利があると想定した場合である。
生まれた時に両親が裁判で勝ち取るとかふざけた法案の場合はもっと悲惨になると思う。


ちなみにアメリカは 1970年代から選択的夫婦別姓らしい。
そして現代でも60%ほどは夫の姓にするらしい。
アメリカには日本のような戸籍はなく社会保険番号という、個人に紐づいた管理番号があるだけです。
利点は永住者、外国人就労者、留学生も取れると言うことです。

ドイツは日本と似ていて家族簿と言うのがあるそうです。
そのドイツは1993年に夫婦別姓を認めました。
当初は夫か妻の姓を「家族の姓」と決める必要がありましたが、今はどちらでもない様です。
子供は生まれた時にどちらか決めて「変更は基本不可」となっています。
ドイツでは結局男性のほとんどは姓を変えず、家族の姓は男性の姓とするのが結局多いそうです。
8.5:1.5って感じだとのこと。
その1.5割の中には苗字を混ぜるや、苗字を続けるなどもあるそうです。
日本で言ったら佐藤と鈴木の場合「佐木」「鈴藤」とかになるのかな。
続ける場合は佐藤鈴木さんになるってことですね。
しかし、この佐藤鈴木のような苗字は子供には与えられないそうです。
確かにそれを許したらとてつもない長さの苗字ができるかもしれませんもんね。

ドイツができているので日本もできるかもしれません。
そしてドイツより夫の姓にする人が多いと感じます。
親も、その親をなぞる方がおおいでしょう。多分ドイツもそうなのだと思います。

これで思うのは、憲法、法律を変えて、夫婦別姓を目指しても結婚する率は変わらないし、
修正率にも変わらないと思います。

これの変更には政治生命全てを賭けて取り組まないと無理ですし、
そして特に意味がない可能性が高い。
一部の人は熱狂的に応援して感謝するでしょうが、
国防や経済より重視するのはコスパが悪すぎるのではないかと考えます。

LGBTの問題も同様だと思います。一部の人のために政治生命を賭けて取り組む必要があるからだと考えます。
国防、経済、エネルギー、外交が常に大事です。
特に今は冷戦真っ只中です。
国が攻められるかもしれない時に、国のあり方を試されている時に、マジョリティーを無視して
マイノリティーのための政策、法案は後回しにしざるを得ない。

マイノリティーのための政策を進め法案を通すためには、日本が強くなる必要があります。
弱ければ弱者のために働けないのです。

夫婦別姓を通し、LGBTの話をするためには、軍事力と強い経済、安定のエネルギーが必要だと考えます。

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