突如蘇る故郷の味と人生でいちばん楽しかったおつかい
こんにちは。いつもお読み下さりありがとうございます。
先日、行きつけの沖縄料理屋で一杯楽しんでいた時のことです。
すぐ近くのテーブル席に年配のご夫婦がお食事していました。
女将のねーねーは人をつなぐ名人なので、初めてお会いするお二人といつしかいっしょに沖縄談議を楽しんでいました。
奥さんが「あのね、最近とってもナントゥーが食べたいのよ」と言います。
旦那さんがアンテナショップや通販で買えないか調べてくれたらしいのですが、“むかしながらの”ナントゥーは東京では手に入らないとのことでした。
一度食べたいと思うと頭から離れず、でもご夫婦は来年まで沖縄へ行く予定がなく、故郷の味への思いは募るばかりのようでした。
ナントゥーは沖縄で正月に食べられるお餅です。
ナントゥーとは“年頭”という意味なのだそう。
昨年末の「孤独のグルメ」にも登場していました。
現在は正月以外の時期にも沖縄で買うことができます。
ちょうど数週間後に沖縄へ行く予定があったので、「もうすぐ行く予定があるので買ってきますよ」と声をかけると「ほんとに?!じゃあ、お願いしようかしら!」とうれしそうです。
こんなマニアックなお土産をお願いされたのは初めてでしたし、故郷の味を思い焦がれるご婦人のお手伝いをできることがうれしくてたまりませんでした。
ナントゥーは日持ちしないので帰る前日、買いに行きました。記憶通り、市場に続く通りのお店で売られていました。
帰る当日に寄ったファーマーズマーケットでも売られていたので、こちらも購入。
さて、どちらのナントゥーがご婦人の思い描くお味だったのでしょうか?
戻ってすぐ、ねーねーにナントゥーを預けに行きました。その後、無事ご夫婦に渡ったようです。
お互いタイミングが合わず、ご夫婦とはまだ再会できていないのですが、大そう喜んで下さったとねーねーが教えてくれました。
次にお会いした時、ナントゥー味くらべ談議をするのが楽しみです。
故郷を離れて久しく、いま暮らす土地の料理や生活に慣れ親しんでも突如蘇る故郷の味。
わたしも四国の出身ですが、“あぁ、あれ食べたいな”と思うことがあります。
そういう味に限って小さなお店で作られていて、通販もしてなかったりするんですよね。
現地に足を運ばなくては手に入れられない故郷の味を届ける。このおつかいは人生でいちばん楽しく、うれしかったおつかいでした。
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