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想像力の旅。 四次元の世界とは。

私たちの生きている世界は三次元ですね。 三次元の空間の中を自由に行き来していますけれども、ひとつ上の四次元ってどんな世界だろうかと考えることはありませんか。
 
四次元って 「時間」 じゃないの?と広く思われているのですが、四つ目の次元が時間であるというのは、特定の理論の中だけの話のようです。 「次元」 の定義は、もっと普遍的なものです。
 
次元の基本的な考え方は、「ひとつの次元はひとつの座標軸」 ということですね。
 
0次元: 点
1次元: 線 (x軸)
2次元: 面 (x軸, y軸)
3次元: 立体 (x軸, y軸, z軸)

[図: Dimension_levels]
Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Dimension_levels.svg

0~3次元は簡単ですね。
 
ここで重要なのは、「座標軸は互いに直角」 ということです。 2次元において、x軸と y軸は互いに直角です。 3次元において、x軸と y軸と z軸は互いに直角です。
 
次元が増えるということは、お互いに直角である座標軸が、もうひとつ増えるということ。
 
つまり、x,y,z のどれからも直角であるα軸が加わった世界が4次元です。

え、どういうこと?

さらに、x,y,x,α のどれからも直角であるβ軸が加わった世界が5次元、というように、「お互いに直角な」 座標軸がどんどん増えていくのが高次元の世界なのです。 数学や物理の世界では、理論上5次元でも6次元でも、20次元でも、扱うことができるのです。

理論的にはそうなのですが、そんな世界は私たちには知覚できないので、頭の中で想像するしかないですよね。
 
私にとって、それを想像する手がかりをくれる本に、高校生の頃に出会いました。 「四次元の世界」 都筑卓司 著 (ISBN: 4-06-257380-6)。

「四次元の世界」 都筑卓司 著 (ISBN: 4-06-257380-6)

写真の左は私が昭和60年(1985年) 頃に買ったもので、初版は昭和44年(1969年)。 右が 2002年に出版の新装版。
 
この本は、数学や物理の理論を、わかりやすい言葉で説明していて素晴らしいのです。 今回、私が一番衝撃を受けた部分であり、一番印象に残っている部分を紹介します。 全体を読み返してはいないので、私の記憶からの説明になりますことをご容赦ください。

あなたが 1次元の世界の住人だとします。 あなたは 「直線」 です。 移動できるのは 1方向のみ、変化できるのは自分の長さだけです。
 
そんな世界に、2次元の世界の住人である 「円」 が通り過ぎるとどうなるか。
 
最初に、ある地点に点が現れて、それがどんどん長い線になっていき、ある地点で最長になり、その後また短くなっていって、点になり消えていく。
 
線しかない世界に生きていると、何が突然現れて、突然消えていったのか、わけわからないことでしょうね。
 
次に、2次元の世界に生きている 「面」 にとって、移動できるのは平面の上のみ、変化できるのは平面上の幅と長さです。
 
そんな世界に、3次元の世界の住人である 「球」 が通り過ぎるとどうなるか。
 
最初に、ある地点に点が現れて、それがどんどん大きい円になっていき、ある地点で最大になり、その後また小さくなっていって、点になり消えていく。

ここまでのところは想像できますよね!
 
ではいよいよ 4次元を考えてみます。
 
3次元の世界に生きている我々にとって、移動できるのは空間の中、変化できるのは幅と長さと高さです。
 
そんな世界に、4次元の世界の住人である 「四次元球」 が通り過ぎるとどうなるか。
 
最初に、ある地点に点が現れて、それがどんどん大きい球になっていき、ある地点で最大になり、その後また小さくなっていって、点になり消えていく。

これがいったいどういうことなのか、3次元の世界にいる我々にはさっぱりわからないのだけど、4次元の世界から見ると、「四次元球」 をちょっと移動させただけなのでしょう。
 
どういう世界なんでしょうね?
 

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