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内向型がエレベーター乗り場の気まずさを克服するための3つのスキル

エレベーターを待ってただ乗るだけの場所。

そんな記憶にも思い出にも残らない退屈スポットが、内向型にとっては修羅場になることをご存知だろうか。

この"内向型あるある"について、その理由と克服方法を丁寧に検討していくのがこの記事の目的だ。

乗り場が修羅場になる瞬間


必ずしもすべての乗り場が修羅場化するわけではない。

実は、そこに知り合いが誰もいないようなビルの乗り場は内向型にとって快適そのものだ。

誰にも気を遣わず堂々とボタンを押し、徐々に近づいてくる光る数字を目で追いかけ、ただ見守るだけでいい。

到着したエレベーターに先に乗りこみ、「開」ボタンを長押しして他の方を迎え入れようものなら、ステキな社会人のトップランナーである。


修羅場と化すのは、ちょっと知っている人のいるビルのエレベーター乗り場である。

内向型が苦手とする"気の利いた会話"という恐ろしい怪物と対峙しなければならなくなるからだ。


職場のビルは、その最たる例。一気に緊張感が高まる。

"ちょっとした同僚"と鉢合わせてしまった瞬間から脳みそがフル回転し始める。気の利いた会話の最適解と、緊張感の回避策を探して。

  • どの話題から切り出せば、この短いエレベーターライフを存分に楽しんで頂けるだろう?

  • かつ、自分に対して良い印象を持ってもらえるだろう?

  • そもそも話しかけるべきなのか?こちらが思うほど、あちらは知り合いと思っていないかも・・・

  • でも話しかけずに失礼なヤツだとは思われたくないし・・・

  • というかエレベーターの中だけで完結できる短い話題ってある?

  • 天気の話をしてつまらないヤツだとは思われたくないし・・・

  • 深い話をしてエレベーターマナーのないヤツだとは思われたくないし・・・

  • 万が一会話が長引いて駅まで一緒に歩くことになったらどうしよう・・・

  • しかも乗る電車が同じだったらどうしよう・・・

  • こわい、こわすぎる・・・

これは大袈裟でもなんでもない。

"ちょっとした同僚"が視界に入った瞬間から会話の距離感に近づくまでの数秒間で、内向型が考えていることの一例である。

だから、とても疲れる。対策なしにはとても耐えられない。

同じ悩みを抱える内向型の方のために、私が人生で紡ぎ出したいくつかのスキルを共有したい。

スキル①:遠目で観察する


戦いに勝利する最善の方法は、戦わないことだ。あの百戦錬磨の孫子もそのように語っている。

乗り場に近づく前に、遠目で観察する。"ちょっとした同僚"がいないことを確認できたら、スピードを上げて一気にエレベーターに滑り込む。誰もついてこられやしない。もう安心だ。

絶対にやってはいけないのが、いかにもエレベーターに乗ります!という勢いで近づくこと。そうなると逃げ場がなくなってしまう。

遠目から彼らを発見したら、安易に近づかなくて良い。そのまま近くのトイレに向かえば、誰も何も疑わない。


しかし、トイレには入るべからず。


本当に入ってしまうと場の様子がわからなくなり、次のチャンスを逃してしまう。入り口までゆっくり近づいたら、方向を変えてもう一度乗り場に向かうのだ。

観察と回避の繰り返し。これがわれわれを助けてくれる黄金の反復運動である。

スキル②:歩きスマホでお先にどうぞ


何かとネガティブ面の多い歩きスマホだが、意図を持って限定的に活用すれば強力な武器になる。

べつに、本当にスマホを見ているわけではない。スマホの先の彼らを観察しているのだ。見た目に反して安全だ。

もし彼らを視界の片隅に見つけたら、しばらく気づかないフリをする。そしてゆっくり顔を上げ、目が合えば軽く会釈だ。言葉はいらない。

そしてもう一度スマホに視線を送り、何か大事なやり取りをしているかのように振る舞う。じっとエレベーターを待ちながら。

エレベーターが到着したら、遅れがちにそれに気づいたそぶりを見せる。そして何かのやり取りに忙しそうにしつつ「お先にどうぞ」のポーズを送って彼らをエレベーター内に誘導する。

最後に、自分は困り顔を見せて乗り場に残る。「緊急なやりとりが大変でして」と言わんばかりに。

たまには、急な電話がかかってきたかのようにスマホを耳に当ててみたっていい。

言葉ひとつ交わす必要のないスマートな方法である。スマートフォンはスマートに使おう。

スキル③:先制攻撃!相手の住んでいる地域を尋ねる


3つ目は少々アグレッシブだ。相手の懐に飛び込むという、内向型にはかなり大胆に思えるワザである。

いくら努力しても、"ちょっとした同僚"との遭遇を避けられないこともある。そんなときには少し勇気を出してみる。


「おうちはどちらの方面なんですかー?」


無邪気に尋ねる。住んでいる地域に興味を示すのは、相手に介入しすぎず適度に距離を縮める上でとても有効だ。彼らも関心を持たれてイヤな気はしないだろう。

間違っても、最寄駅を尋ねてはいけない。距離を詰めすぎるとロクなことにはならない。「ストーカーと思われたかも・・・」と新たな心配が増えるだけだ。

地域を尋ねるには、実は本当の狙いがある。

彼らがどの路線で帰るのかを推察するためだ。

万が一自分と同じ方面だったら、エレベーターを降りた瞬間に言おう。

「じゃあ、私はコッチなんで!」

彼らと違う方向に軽やかに歩みを進めるだけである。

同じ電車に乗ってしまうリスクと比べたら、少しの遠回りなんてかすり傷にもならない。

基礎スキル:ドアの閉め方


首尾よく知り合いのいないエレベーターに滑り込めたら、いかにボタンを押すかが重要だ。基本のキである。

せっかく確保した安全なスペースを、下手なボタンさばきで失ってしまうのはあまりにもったいない。


「閉」ボタンを連打。


乗り込んだら一番にすべきことはコレだ。間違っても、行き先階ボタンを押すなんて過ちを犯してはいけない。

ドアが締まり始めたのを確認して、安心の中で余裕を持って行き先階ボタンを押しても全然遅くはない。

ただし、完全に閉まる前に押すのが肝心だ。遅れると、外から「開」ボタンを押されてしまい、彼らがなだれ込んでくる。

優先順位とスピードとタイミングと。どれが欠けてもダメ。ビジネスの基本だ。

バカみたいな真面目な話


内向型って本当に生きづらいと思う。なんてバカなんだろうと思うこともしばしば。

でも、そんなことに真面目に取り組んでいる自分を愛しく思えることも増えてきた。

特に、この世界のアチコチで同じように奮闘している大勢の内向型がいると気づいてからは。

だから、今日もどこかでバカをやろう。そして、そんなバカ真面目を笑ってやろう。

ひとりで、ひっそりと。


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