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定形外とは?

私の兄は4つ歳上
御歳63歳
今時の分類分けで言えば〝発達障害〟でしょうか?

3歳まで首がすわらずに
立って歩く事もできなかったらしい
体の大きさは3歳なのに
首のすわらない子を抱っこするのは大変だったと
何度も母は話していた
でも3歳のある日
唐突につかまり立ちから歩を進めた兄
その時の感動話をする母はとても幸せそうだった

小中学校では今で言う支援学級に在籍
中学を卒業してからしばらく家にいた後
中学生時代の恩師の紹介などで仕事に就き
一人暮らしの経験もした後
今の会社で30年以上勤めて退職し
嘱託として仕事を続けている

母は兄が働く事ができなかったら
煙草屋さんをやろうかと思案したと話していた
当時は銘柄も少なかったから店番ができるだろうと
考えたらしい
年収は限りなく少ないけれど職に就く事ができ
その心配は杞憂に終わり
〝住む所さえあれば〟と母はマンションを購入した

最期までの数年間は一人になっても困らないために
ゴミの出し方や家の中の細々した事を教えていた

母は母として素晴らしかったと思っている
その時その時に何が必要な事なのか
何が大事な事なのか考え続けたと思う

大切なのは
他人と同じ早さで同じ事ができる事ではないと思う

YouTubeの動画で養老孟司氏が話していた
「世界に一つだけの花って言うけど
全く同じ花があるなら持って来てみろ
ある訳ないんだ
人間だって全く同じ人間なんかいる訳がない」

母は兄ともう一人の兄と私の3人の子どもを
比べる事などは一切口にした事はない
母の心の中の声は聴く事はできないけれど
素振りを見た事もない

私自身にとっての兄は兄でしかない
発達障害者でもなければ
いろいろなアルファベット三文字の分類分けなどで
分けられる人でもない

ちょっと専門的な言葉を聞きかじり拾い集めて
わかったような気分になれる言葉遊びは
いい加減やめたら良いのにと思っている
そんな事を続けているから
とんちんかんな平等騒動が起きる

あなたはあなた
わたしはわたし





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