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005 Vienna

Vienna 2016

1月31日 イミグレーション。
パスポートチェックを受ける。私を乗せたEuro Cityはスロヴェニアに突入。そこから気が付いたら2時間ほど寝ていた。列車はもうオーストリアに入ろうとしていた。Spielfeld-Straβという駅に着くと、赤いコートを着たアフリカ系の女性が入ってきた。ここにきて初めての相席だ。「この列車はウィーンまで行くかしら」と聞かれた。「YES」ーーAM10:48@オーストリアのどこか


 その後のおもしろいエピソードを教えよう。

その初相席の彼女は車掌によるチケット検札の際、私のいるこのコンパートメントから追い出される羽目になったのである。そう、彼女は2等車と1等車を間違えていたようなのだ。私は再び6人がけのコンパートメントに一人になってしまった。やっと相席ができる、そう思っていたのに。少し残念でありながら、なかなか面白い体験だった。


 そのあとは何事もなく列車はオーストリアの首都、ウィーン(Vienna)に到着。インフォメーションセンターで宿までの道順を聞き、48hの市内交通のチケットを購入。宿までの道中全く聞きなれないドイツ語に苦戦しながらもPM3:00頃到着。

 今回のYouth Hostelは割と新しめで大きなYHだった。どこかの国の中学生らしき修学旅行生たちとかちあってしまった。3つのベッドがあるドミトリーだが、部屋には専用のシャワーがついている。ちゃんとお湯も出るし、なかなかだ。7時間移動の疲れが取れず、今日は外に出る気はにもならない。こちらで体を休めることにした。ウィーンは未知なので、明日の下調べとルート決め。シャワーを浴び、この日は就寝。−−PM8:00

2月1日 AM6:15起床。しかし二度寝をかます。
 この日は変な夢を見た。よほど寂しかったのか、なぜこいつが・・という同級生が出てきて夢の中の私はそいつとなにやら幸せそうにいちゃいちゃしていた。目が覚めると「あぁ、これがまさに夢オチか。」と。気づけばAM7:00になろうとしていた。

 朝食をとりに行った。日本にいる友人とスペインで落ち合う約束だったのでその連絡を。AM9:00すぎ、YHをあとにした。電車をMitteでU3に乗り換え、シュテファン大聖堂をまず目指した。シュテファン大聖堂に着いたら小雨が降っていた。今回初の雨である。今日は内部を中心に見て周るので天気が悪くても大丈夫。聖堂の内部はどこからどこまでも凝っており、力強さが窺えた。こんな見ごたえがあるものを無料で見せてくれるのはいいことだ。


 私は大聖堂をあとにし、オペラ座へ向かった。実は今夜立ち見でオペラを観ようと考えていた。そのために場所を確認したかった。オペラ座を左手にして右へ進むと王宮へたどり着く。

シッシィ博物館と王宮の中を見るべく、チケット売り場へ。列はオフシーズンだからか並ばずチケットを買えた。しかもここでも学割が使えた。ドゥカーレ宮殿と同じくらいの割引だ。18€が11.5€!内部に入ると日本語のイヤホンガイドを無料で貸してくれた。ドイツ語さっぱりの私にはとても助かる。悲劇の女王エリザベート。通称シッシィ。彼女のことが今回の見学でよくわかった。特に皇帝の肉声とシッシィの暗殺されるセクションは胸に迫るものがあった。感情移入しすぎて少し涙が出た。

 見学を終え外に出るとPM1:00 そろそろお腹が減ってきた。事前にトリップアドバイザーで手ごろなお店を見つけていた。王宮から歩いて10分ほど。ランチのコース3品で15.5€ "Otenloch"というお店だ。

スタッフの人も愛想がいい。そのランチコースでお腹がいっぱいになった。ゆっくりもできた。次来たらまた行きたいお店だ。


 PM3:00過ぎ王宮前のスタバに戻ってきた。スタンバイ(立ち見)のチケットはPM5:00からの販売だろうから、そこまではスタバで粘ろうと思う。


 PM4:00 wifiが切れた。困った。とりあえずこの旅行記を書いたりして過ごそうと思う。日本にいる先生から最終レポートの締め切りの連絡が来た。(まるで他人事のことのように書くが)日本時間の2月2日PM8:00までだそうだ。つまりこちらの2月2日PM5:00 うーんどうしたものか。実はまだ半分も書いてない。今この時間に考えて、宿に帰ってから打ち込もう。

あぁ、ウィーンはいまいち楽しくない。おそらくそれは色んなものが重なったからだろう。街がお上品過ぎて私には似合わない。お高くとまってる街。人々も無関心。静か。雨。興味がそもそもなかったのかもしれない。私には職人の街のようなにぎやかな街の方が合っているのかもしれない。そう思った。やはりウィーンを1日だけにしたのは正解だった。もうすでに次の目的地であるブダペストが今から楽しみである。−−2月1日 PM4:13

 (あのあとSIMフリーのVodafoneでテザリングできることに気付いた。Bluetoothとはすばらしい。)


 PM5:00 スタバを出て、オペラ座へ向かった。立ち見のチケットを買うためだ。事前にGooglede調べていたので立ち見チケットの売り場入り口はすぐ見つかった。列に並んでいると実に国籍豊かな人々が並ぶ。イタリア語、スペイン語、英語、ドイツ語、韓国語、中国語。日本人は見る渡す限りまたしても私一人。チケットは開演80分前の販売開始となる。現在PM5:12 そろそろスタートだろう。


 PM6:10 無事チケットを入手。

上記の写真を見てお分かりいただけるだろうか。たった3€だということが。

あのウィーンの国立オペラ座で、本場のオペラがたった3€で観れるのだ。

ただどの席がいいのかもわからないので私の前の常連そうなおじさんと「同じチケット」を買った。売り場横の通路を通って右奥の階段を上がる。二手に分かれているようなので左の入り口から入り前を歩いていた常連そうなおじさんの後ろをついて行く。中に入るとみんな早く席をとろうと走る。私も小走りで手すりをおじさんのようにかいくぐり、場所を確保。


 立ち見と言ってもひとりひとり区画分けされており、手すりに立ち上げ式の字幕が設置されている。その手すりの二段目に自分のハンカチをくくりつけるのだ。これで場所取りは完了。ステージの70%くらい見える場所が取れた。まずまずだろう。

 開演までの間、3.5€で出演者のリスト入りのプログラムを買い、英語で書いてあるあらすじを必死に読んだ。演目はアラベッラ(ARABELLA)。一人の女性とその妹の周りで男たちが繰り広げる恋のお話。あと5分でスタート。周りの人も戻ってきた。心臓のドキドキが止まらない。−−PM6:55



 国立オペラ座。ついに幕は上がった。

演奏も歌も、演技も、初オペラで私は感激しまくりだった。出演者リストを見ると、1人だけ日本人がいた。頑張ってステージ上を見て探したが、立ち見でステージから遠いということもあり、わからなかった。半分の演目が終わり、一旦幕は落ち、出演者たちが2度に渡ってカーテンコールを浴びに出てきた。ここでおそらく30分の休憩だろう。


 私の両隣が帰ったので、私はより中央に動けた。譲ってくれた両隣の女の子2人に感謝だ。私の後ろにいたおばあちゃんが背が小さくてあまりよく見えないとのことだったので、私の隣をとっておいた。もうすぐまた幕が上がる、再び胸が高鳴ってきた。−−PM8:25@Wien, Opera House

 人生初オペラは最高だった。

 一夜で私のウィーンに対する印象を変えてしまうほどだった。事前にチケット入手できなかった、高すぎて買えないからとあきらめるのではなく、こういう方法もあるのだ。たった3€だが、その金額で立ち見でも観賞させてもらえたことに感謝したい。

 カーテンコールの途中で外に出た私は夜のウィーンの旧市街を歩きながら余韻に浸っていた。YH近くの駅に着くと、ふと空を見上げた。そこには日本と少し違う星空が広がっていたのだ。日本ほど明るくないウィーンの街だからこそ、こうして星飽きずに空を眺めながら帰れるのかもしれない。ーーPM10:45@YHにて

2月2日 AM6:15起床。
昨夜AM1:00まで最後の課題に追われ、SNSの更新もしていたらすっかり寝るのが遅くなってしまった。
 AM6:45朝食。日本にブダペストへ向かう連絡を入れ、AM7:50ウィーン中央駅に向け、YHをチェックアウト。S1の電車で向かった。−−AM8:45 中央駅に到着。

 ブダペスト行きの列車は9番ホーム。ホームに設置してある列車の案内板にはどこらへんにどの車両が停まるのか書いてあった。これで列車が入ってきたときに自分の乗る車両に重いスーツケースを持ってダッシュする必要もない。ハイテクウィーン

 AM9:30 Rail Jet 49 ブダペスト行きの列車が到着。1stと書いてある車両に乗り込む。ブダペストまで約2時間半。今度はコンパートメントではなく、オートサロンタイプの車両でゆっくり寝よう。−−AM10:10@Seat 45


つづく


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