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今さらですが統計検定準1級を取りました

少し前になりますが、6週間ほどかけて統計検定準1級に合格しましたので、その話を記事にしようと思います。どんな対策をしたかについては、他所で様々な記事が出ていますので、こちらの記事では主に、

  • なんで取得しようと思ったのか?

  • 実際、役に立ったのか?

  • データサイエンティストにとっての資格って?

といった観点について、つらつら書いてみます。

SNSを見ていると資格について賛否両論あり、ネガティブな意見も多く見られるのですが、私自身が統計検定を取得してみて、「使えるじゃん!もっと早くとっておけばよかった!」と思ったので、記事を書いてみました。

私の紹介

アラサーのデータサイエンティスト(DS)です。経験年数はそこそこありますが、テック企業やメガベンチャーで経験を積まれた方に比べると、技術ヨワヨワのなんちゃってDSであると自認しています。お陰様で前職からの脱出(転職活動)にはかなり苦戦しました。

  • 理系学部(非CS/DS関連学部)卒

  • 1社目:日系企業の文系職(4年)

    • データサイエンティスト職に興味を持ち、独学で勉強を開始。職場でもデータサイエンスを無理やり実践

  • 2社目:日系大企業でデータサイエンティスト(4年)

    • 転職し、日系大企業のデータサイエンティスト職にキャリアチェンジ。前職で培った課題整理力とデータサイエンスのポテンシャルを評価されて未経験採用枠で採用された

  • 3社目:外資企業でデータサイエンティスト(1年)

    • 諸事情あり転職。今ここ

統計検定準1級とは

統計検定は2011年に発足し、DS系の資格の中では比較的長い歴史を持つ資格です。準1級は、合格率は35%程度と少し難しめです。この界隈では名の知れた資格の1つです。

https://www.toukei-kentei.jp/info/past/cbt_data/

なぜ取得しようと思ったのか

資格取得したのは、転職先が決まった後のことです。
転職活動では、技術力の無さから辛酸をなめたこともあり、有給消化期間を使って、キャリアのエッジを立てるための学習に充てたいと思いました。

これまでの経験を振り返ると、未経験から独学でDSに転職し、転職先のJTCでもちゃんとした教育を受けてこなかったため、体系的に統計の知識を整理したいと思い、受験することにしました。

補足すると、統計だけでなく、コーディングやDevOps、クラウドなどのエンジニアリングスキル、機械学習全般に関する知識も足りていない状況ではあります。しかし、未経験DSとして前々職のビジネス領域の経験を活かしたかったので、それと相性のよさそうな(詳細は後述します)統計領域をカバーすることに決めました。

HPに公開されている出題範囲を見てみますと、こんなマニアックなこと知らんがなっ(あくまでレガシー企業のDS目線ですが)、といった内容がずらりと並んでおり、良い感じです。

出題範囲 1/2
出題範囲 2/2

資格取得までの道のり

勉強方法について少しだけ触れます。多くの方が実践されているよう、過去問統計学実践ワークブックという協会が販売している教材を使用しました。大学学部程度の数学素養があれば、こちら2点だけで十分理解できると思われます。

上記を6週間ほどかけて勉強してなんとか1発で合格することができました。点数は100点満点中73点(60点以上が合格)という微妙な結果…。

とはいっても、優秀成績賞受賞という成績上位者に授与される賞をいただいたので、試験自体が難しいということなのでしょう。

仮説検定や、漸近理論、時系列データ分析、実験計画法など、これまで勉強したことがなかった範囲の問題が多く、過去問の初見での結果はボロボロでした。

ぶっちゃけ役に立ったのか

はい、役に立ったと思います。具体的には、

  1. 統計領域をある程度網羅しているという自信が持てた

  2. 稀に統計検定の内容そのものが活きる場面があった

この2つに尽きると思います。

1.統計領域をある程度網羅しているという自信が持てた

社内でデータの専門家として、ビジネス部門などから相談を受けることがあります。これまでは自信が無く、ごにょごにょと言って明解な回答を避けたり、「統計なら私なんかよりXXXさんに相談した方がいいですよ~」と責任を逃れようとしてしまうことが多々ありました。情けない・・・。とはいえ、一定の正解・不正解がある領域なので、無責任な回答もできず、もどかしい思いがありました。

統計検定準1級取得以降は、標準的な統計知識はおさえることができたという自信を持つことができ、ビジネス部門からの相談に対しても積極的に対応できるようになりました。

2.稀に統計検定の内容そのものが活きる場面があった

資格取得してから1年ほどになりますが、統計検定の内容が活きる場面はそれほど多くありません。ただ、唯一活きた例として、「POC(実証実験)企画時の必要データサンプル数の算定」というものがありました。

POCの企画や、機能改善のABテスト設計時に、十分なサンプル数が取れるかどうか怪しい時があります。そんな時には、事前に必要なサンプル数を試算して、そもそもPOCやABテストを実施すべきかどうかを判断する必要があります。

POCやABテストの実施には大なり・小なりコスト(金銭+時間)が発生しますから、「どうやるか」、以前に「やる価値があるのか」を判断することはとても重要です。ちょっと脱線しますが、以下の記事では、「100倍の生産性を持つアナリストとは、分析のやり方を効率化する人ではなく、分析するかどうかを決める人である」といったことが触れられていて、興味深かったです。

私が手掛けていたPOCは比較的規模や関係者からの期待値が大きなものでしたので、この1回に活きただけでも統計検定の勉強をした甲斐があったと思います。

データサイエンティストが資格取得することの是非

SNSでの議論を見ていると、資格取得に関しては賛否両論あるようです。この議論についての私のスタンスは、

  • 資格を勉強の過程として活用するのはあり。独学で場当たり的に勉強するよりは効率よいとすら思います

  • ミドルクラス以上*の場合は、転職に資格そのものが役立つとは思わない方がよいと思います

    • *ミドルの転職採用で見られるのは、第一に業務における経験と実績!

    • *ジュニアクラスの転職では資格が評価されるケースもある

です。勘違いして必要以上にアピールしてしまう、資格取得そのものが目的化してしまい本業が疎かになってしまう等、資格を妄信することがなければ、基本的に良いものだと思います。自分自身のキャリアに即して、目的意識を持って取得する資格を吟味できるとなお良いと思います。

最後に

未経験からDSに転職してはや5年、もう見習いとは言えない年次になってきました😿。その一方で一人前と名乗るには、自信も、裏付けとなる知識や経験も足りていないと感じます。

仕事とは信頼の積み重ねですから、自分の専門にミートする課題については、相手の期待値を裏切らないこと、時には期待値を上回る成果を出していくことが大事だと考えます。ですので、たとえ使う頻度が少ないとしても、それがクリティカルな課題であれば、相手から得られる信頼は非常に大きいと感じます。

というわけで、一人前を名乗れるようこれからも引き続きエッジを磨き続けたいと思います。

最後にサッカー漫画DAYSから、私の好きなシーンを引用してこの記事を締めたいと思います。
※後輩から「年間を通じて1回あるかないかのシチュエーションを想定した練習に意味があるのか」を問われた際の、先輩の回答です!

DAYS26巻より引用

最後までお読みいただきありがとうございました。

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