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ルドンの黒い絵と華やかな絵が魅力的。<三菱一号館美術館 1894Visionsルドン・ロートレック展>

大好きな丸の内の三菱一号館美術館で開催中の、ルドンの黒い絵と華やかな絵の画風の幅の広さが魅力的だったルドン・ロートレック展。三菱一号館が竣工した1894年を軸に、暗く少し不気味な黒い絵からやがて華やかなで幻想的な絵に移ったルドン、浮世絵にも影響されたロートレック、ルドンとは対照的に明るく目に映る情景を表現し直感に響くモネ、ルノワールなど、1890年代前後にフランスで活躍した様々な画家の絵が並んでいました。

ルドンの黒い絵

ルドンの白黒の絵を多数見たのは初めてだったかもしれません(認識したのが初めて)。ルドンは幼少期病弱で家族と離れ南仏ボルドー近くの田舎で孤独な生活を送っていたそうです。また友人の植物学者の影響もあり、黒の表現の素地が形成されたようです。(出所不明ですが、ゲゲゲの鬼太郎のキャラクターの発想の原点だったという記述もありました)

ぱっと見気持ち悪いのですが、時間をかけてみると、美しいとか、個性的、とか感じるようになる気がします。当時斬新だっただろうなぁと想像します。(画像は三菱一号館美術館サイトからお借りしました)

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明るいルドン

1886年最後の印象派展が開かれた年、『象徴主義宣言』をジャン・モレアスが発表。実証主義や科学進歩へ疑問を抱き、反物質主義的なものや、精神的なもの、宗教観などを見直そうとする時代の潮流に象徴主義の画家たちも反応していました。ルドンはより内省的で精神的な、時には神秘的で装飾的な表現へ移行したようです。

また、このころルドンは子供を授かり、またルドンが幼いころ孤独に過ごしたボルドー近くの田舎の土地を一家が手放したことも影響したようです。つらかった過去の記憶と繋がりから解放され、かわいいこどもに癒され、外の世界により強い意識が向くようになったのかな、と思います。(画像は三菱一号館美術館サイトからお借りしました)

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<ボストン美術館 ロートレック展 in2019>

話はそれますが、2019年の春に仕事でNYに滞在中、週末ボストン美術館に訪れることができました。この時ロートレック展が開催されていました。こちらは撮影可だったのですが、こちらの絵、三菱一号館美術館でも展示されていました。ロートレックもまた日本の浮世絵からインスピレーションを得て自身の画風に反映していたようです。この絵浮世絵ぽい優雅さと緩さが出ていて、絵の構図も含め好きです。

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三菱一号館美術館は建物もお庭も美しい

1つの展覧会を見るのにフロアを階段で移動したり、廊下を歩いたりしなければならない美術館ですが・・・建物も、内装も、お庭も、建物内から見るお庭も美しくて大好きです。午後明るい時間にお庭を見て、夕方美術館の中からお外を見るのが個人的には好きです。

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今はバラもきれいです。

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仲通を街歩きしながら・・

丸の内中通りを散策しながら、ぜひルドン・ロートレック展に訪れてみてください。1890年代のフランスを印象派の絵とは違う視点で味わえます。わたしももう一度行こうと思っています。写真はいずれもSonyα7R2で撮っています。


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