見出し画像

無常なまでのリアル

【カンテレ/フジテレビドラマ・エルピス―希望、あるいは災い―感想】
以下ツイッターに投稿しようとした短いメモです。

バブル世代の上司が1話内で述べた「お前らは何処に危険な縄張りがあるかも知らずおもちゃみたいな正義感を振り回しているだけの子供(大意)」
と、最終話で報道の滝川君が主人公(長澤まさみ)の底の浅い一方的な正義感に対して言った「中学生かよ」が全てでしかなかった。
最後に斎藤(鈴木亮平)が丁寧に丁寧に丁寧に現実を説明しまとめ上げてくれたので後は何も言うことがない。

とはいえ中盤までは彼女が(急に目覚めたと思われる)その正義感を貫き報道キャスターの椅子を取り戻し、中盤以降は岸本君の成長が著しく変化に富む展開、ドラマとしては面白かった。
二人共人間的に未成熟な部分が詰めの甘さに繋がり、結局は最も優秀な斎藤が「真実」を告げ全部持っていったところもリアルといえばリアル。冤罪の死刑囚「だけ」を助けられた事は唯一の救いと見るべきだろうか。

周りに居る世代違いの人達がここ一番で重要過ぎる助け船を出してくれる。めちゃくちゃ恵まれているぞこの二人。そこに気が付けず自分達だけがよろしくない社会、国家権力に立ち向かい頑張っていると思い込む構図もリアルといえばリアルだった。

関所で様々な人物から唸るほど的確過ぎるフレーズや愛が入る構造、書き手は良い意味でそれなりの年齢を重ねているだろうなと思ったら53歳の女性脚本家、納得。

この記事が参加している募集

#テレビドラマ感想文

22,125件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?