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神様?のおはなし①【小説】

私は現代では神様と呼ばれるもの。
厳密に言うと、神という概念でもなく、言葉で表すことのできないもの。
実体はなく、何も無い。

今、この世界にも何も無い。
空間と呼ばれるものもなく、物も人も、空気さえも無い。
寿命もないし、時間の概念もないからずーっとここにいるだけ。

ただ、私が居るということは分かる。

【ずっとこのままなのか…?】

今までただここに居るだけで、何も考えず、行動もしなかった。

【何かできるのか?】

そう、神と呼ばれるものなのだから何でもできる。

【試しに何かしてみるか。】

私は居るだけなので、何もしたことがない。
何かしてみたい。

そうして、考えた結果。
私という何かを作ってみよう。

そこで丸い物体を自分として作ってみた。

【なんだ、これは。でも私にもなにか作ることができるのだな。初めてにしては上出来ではないか?】

【うむ…これではコロコロと転がることができるな。でも自由に動くという感じがしない。もっと自由に動いてみたい。】

【ここをこうして…】

何度も試行錯誤して、できたのは今の私達のような入れ物。
転がるだけではなくて、自由に動けるようにしてみました。

【これだと前に進むという感じがするな。成功かな。】

こうして、今の人間と呼ばれる形ができました。


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