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バイオエシックス

完璧な人間は一人もいない、
間違いをおかすのが人間であるのだから
間違えたらならそこから学べば良い。

では
医療の世界では、どうなの?

間違いを起こされたく無い
起こしてはいけない世界、ではないでしょうか。

でも、その間違いって何?ってなった時に
倫理に反すること=間違いになるとすると

例えば、『中絶』は間違いですか?

その中絶が起きている場所が、多くの人が監禁され妊娠中の人から殺されていく環境だとしたら?中絶をしなければ殺されてしまう、その女性が奥さんや姉妹、お友達だとしたら?
(歴史上実際にあったことです。)

『安楽死』も間違いですか?
治療の見込みのない方、呼吸器を外したら息が止まる、
患者さんは呼吸器を止めてほしいという、
家族は止めてほしくない。
どちらを尊重するかといえばもちろん患者さんなのですが・・・

暴れまくる患者さん、
縛り付けないと殴られ、蹴られる。
人間をベットに縛りつけるのは正しいのでしょうか?
(暴れる原因によっては暴れてる間に心停止を起こすこともあるので、医療者や周りのすべての人を守る以上に、実はこの行為が患者さん自身を守っていることもあります。)
では患者さんに痴呆があって暴れているとしたら?

施設に金銭的知識があってスタップを十分確保している場合は
スタッフをその人専属につけて安全を確保することが可能かもしれないけれど、スタッフが十分確保されて居ない場合、一人で何人もに安全な時間を提供できるか?となって抑制になると、結末はいつも悲しい。

どんなにその方のためと思っても
その縛りつける処置をしている私たちの心が痛まない事はないのに、そんな事は誰も重要と思わない。

先日このニュースを見ました。

バイオエシックスという言葉はBio=生命、Ethics=倫理
日本では生命倫理と呼ばれ医療業界に働く者とは切っても切れない縁で繋がっている言葉。
医療上での処置が倫理に基づいているか否かがとても重要となる時に使われます。

確認を怠って生じた誤薬や手術ミスは確認を怠った結果であるならば
それはその確認を怠った人たちを非難するのは必要なことだけど
それだけでは改善はされないのです。なぜなら、
意識的、無意識的に間違いを起こしてしまうのが人間というものだから。
だからこそそんな個人の判断に委ねる必要のないシステムづくりをするのが
いわゆる管理者と呼ばれる人たちの責任であり、施設が責任を負うのはそのためもあって、なのだが。

色々な病院で働くと、ずさんな病院と、管理者の考え方が高度に真剣な病院が大きく違うこと気付かされるのも確か。

何が正しくて、何が正しくないかはその人のみぞ知るがかなりの確率で存在する世の中で、そこに存在している医療というところには医師という人たちが科学を駆使して病気を治療に導く環境の中で、看護師がその患者さんの環境を最善に整えていくのだけれど。

その都度その都度最適な状況を判断してすすめたくても、それこそ、アメリカの様に人種、性別、性的嗜好、年齢、宗教、政治、多くの人が全く違うことを信じながら同じ大陸に生きている場所で何が正しくて何が正しくないかなんてあってない様な時もあるのも事実。

だからこそ生命倫理に沿っているかいないかがとても重要になるわけです。
だって、どれだけ複雑な世界になっても基本的な正しさってやっぱり存在するから。

それが医療倫理の4原則 (The 4 principles of ethics)です。

Respect for autonomy 自律性の尊重
Beneficence 善い行い
Nonmaleficence 危害を加えないこと
Justice 公正であること

1979年にBeauchampとChildressが唱えました。

これまでも、これからも医療従事者達は考え続けます。

命にとって正しい判断とは?
を。

と、きれいに終わりたい所ではありますが、
実は先ほども書いたように、ずさんなところは本当にずさん。
病院の立地場所によって、病院が対象としている患者さん層によって
管理者や患者さんの倫理観と自分の倫理観が大幅に違う
ということが起こりうるのが医療業界であり、そこにいるとストレスの量が本当に半端ないのが現実でして。

看護師の方で何かが違うと悩んでいるなら、患者さんで医療者が信じられないと悩んでいるなら、もしかしたらそこに自分と病院の間にある価値観や倫理観のずれが生じているのかもしれません。

そんな時、管理者が新しい考え方やエビデンスに基づいた情報の導入を前向きに考えられる人たちであるならば改革を試みることも可能ですが、そうでない場合は病院を変えることで解決案が見つかることもありますので躊躇せずに病院を変えてみるのも良いかも。

同じ価値観、倫理観の人たちと仕事をしていく、治療をしていく、
そこの真の安心、そして信頼が生まれると思うので。



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