とみー

短歌たのちいたのちいしてる社会人1年目

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最近の記事

第35回歌壇賞落選作品 無宗教

今年の歌壇賞を獲られた作品がわたし好みすぎて何度も読み返しました。頑張ろうと思います。 自分の尻を叩くつもりで。 写真(さむね?)は私のお気に入り 無宗教 人よりも幸せになりたいのです 鉄骨階段を駆け上がる 弾丸が降り注ぐ街の何処かにも誰かに愛される人がいて 良き孫であるべきと悟る盆の入り食道がんの祖父の灰色 天国の存在を願う人の死をのみ込んだとき 神は隣に かわいいの過剰包装カッターを刺して私のかわいいを抱く 誰かとは違う私でいたかった英和辞典を後ろから繰る

    • 歌壇賞と祖父の骨 報われない短歌置き場

      歌会始、歌壇賞ともにギリギリ提出できました!!! 昨日祖父の告別式が終わって、郵便局が閉まる直前に滑り込みで出してきました。 正直お経のときは短歌のことで頭がいっぱいで、ただ祖父が骨になったとき、身体がなくなるとはこういうことかと意味の分からない感情を経験しました。 お骨が所々緑やピンクになっていて不思議に思っていたら、一緒に燃やしたものの色がついちゃうことがあるみたい。こんなこともあると頭の片隅に入れておこうと思います。 社会人になって、とくに最近は抑うつ状態で心療内

      • 祖父が死んだ日のこと

        今日祖父が亡くなった。 23歳にして初めて身内を亡くした。この感情も思いも、祖父の存在も私の中でなかったことにしたくなくて。 すぐに歌を詠んだ。 私にはこれしかできなかった。 祖父が亡くなったというドタキャンの理由を今日 初めて使った わかっていても人の死は突然で 私は明日の予定を立てる 体内に繋がった管 目を合わす事もできずに最期会った日 この数年まともに会っていなかったじゃないか。最期にあったときだって、管に繋がって死んだみたいな目をして息をしている祖父を見

        • 昨年の歌壇賞

          歌壇賞の締め切りもうすぐなのに全然終わってないから去年の作品を挙げてモチベあげます。歌会始はもう封筒に入れた。 第34回歌壇賞落選作品 君の目 どなたかがいいねを押してくれた日は私が歌をうたっていた日 おくすりのアラームとめてつつがなく女でありたいと願う合図 電線がつくる楽譜を歩いてく君が奏でる音を知りたい 僕のお葬式に来る約束をした中学の時好きだった人 雨支度 ただの周波であるはずの声から君を忘れてゆこう 白線の上を歩いて夕焼けを正しく浴びる作法 黒髪 紫の

        第35回歌壇賞落選作品 無宗教

          美術展に短歌を展示した話

          カナソウトリエンナーレ2023に親友と出展しました。 この美術展は私の母校のOBOGで3年に1回企画しているもので、思い切って参加してみました。 写真に歌を添えて冊子とパネルにして展示したのですが、こんなにたくさんの人に短歌を見てもらう機会がなかったのでめちゃくちゃに楽しかったです!!! 友人の写真に短歌をつけたり、私の短歌に友人が短歌をつけたり…今までと違う制作過程も楽しかったな。 それと、短歌を傘に貼り付けたりしたものも展示しました。意外と可愛かったので商品にして売

          美術展に短歌を展示した話

          いとこの結婚式に行きたくない大学生女の話

          2個上の従兄弟が結婚したんです。 学生時代から付き合ってたそうで、私なんか大学生で彼氏なしで親のスネかじりまくりなのに大人だなあ、すごいなぁって思った。 最初に結婚を聞いたときはほんとにそのくらいの感想で、逆を言えばその程度の感想しか出てこないような、そんな関係値。 実際、最後にあったのは多分4年くらい前でどんな声だったのかすら思い出せない。 ところがどっこい、そんな私を結婚式に招待してくれたのだ。まじびっくり。 結婚式場で数年バイトしてたこともあり結婚式にはそれなり

          いとこの結婚式に行きたくない大学生女の話

          お気持ち表明

          ポエムとか詩歌とか、お気持ち表明とか、なにものでもないゴミカスの真剣な言葉を忌み嫌うゴミカスが多いですよね。とみーです。 いま30分で吐き出したいくつかと、昔詠んだオキニを載せときます。日本語って素敵な言語。 「お気持ち表明」 にわか雨 jazzを孕んだ遅延証 自由が丘で急行を待つ 悲しくてやりきれないのも僕のせい ブルーライトの毒に溺れる なにものかになれた気がしてまた僕の先をゆくなにものに越される 【役割】 脚本に引いた黄色いマーカーを見上げた夏の青空にも引く

          お気持ち表明

          浮かばれない短歌置き場

          大学の講義中、歌壇賞用にせっせと作ったけど結局なににもならなかった歌。もっとあるけどそれはまた別の機会に。ぎりぎり間に合いました。 棍棒で戦うときが来るのならあなたには死んでいてほしいのだ 十七でナイフを捨てたわたくしの脳裏に煌めく青の炎は 友人の死を詠おうとする僕の伸びすぎた足の爪 真夏日 前髪を押さえる私を殺すよな美しむべき風が吹くので 僕がこの服を着るわけを思考してファストな自己嫌悪に浸る午後

          浮かばれない短歌置き場

          2020年4月〜2022年4月

          『大学生のうた』 にわか雨 jazzを孕んだ遅延証 自由が丘で急行を待つ ぼけた祖父の目がひらくときチカちゃんになった私の彼に似た鼻 脱ぎすてた人肌の服わたくしの命をわけたの服に、わけたの 血液に忘れ去られた指先の自我を取り戻す動きのこと 親友が結婚するんですなんて口に出すだけで透きとおる明日 洋服の擦れる音だけがしていたミニシアター東中野の 『論理的』 私でも僕でもどなたでもよくてだけども僕は「まゆこ」という クーラーとお経が唸る盆の昼千代が曾祖母の名前だ

          2020年4月〜2022年4月