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芸術作品の味わい方とその効用

他人のつくったものが自分の人格なり考えに影響を与えているというのは、不思議なことであり名状しがたい感動でもある。

特に芸術という分野において、その影響は特殊の挙動を示すように思う。

芸術作品に触れた時、これまで使ってこなかった神経回路を刺激されることがある。
いわゆる価値観を揺さぶられて、影響を受けた瞬間でもある。
その出会いは一瞬であり、偶然である。

その場で大きな感動を受けて、後はすっかり忘れてしまうこともある。

対して、一瞬の触れ合いが、ずっと長い時間をかけて消化吸収される場合もある。
まるで他者の作品が自分の人生と一体化するようなものである。

人生を通して、作品の解釈を再発見し続けるような作品。
ずっとその作品のことを考えているというよりは、特定の場面でふと思い出すような作品。

そんな作品こそ、当人にとって真に味わい深い作品である。

作品に触れている瞬間はもちろん、
離れているときも、時間がたっても、
思い出し、影響を与えてくる作品が誰しもあるのではないだろうか。

そういった出会いは多くは無い。
だけど必要な時には不思議と出会いが訪れるように感じる。

あるいは、過去に出会った作品が突然に強烈な閃光を放ち、脳内に蘇り、智慧を与えてくれるようなこともあり、予測はまったく不能である。

もしかしたら、今まで出会った作品の中で、死ぬ時に悟るしかないものもあるかもしれない。

特に、詩というものはこういった作用が強く出るものであるように思う。

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