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Wheatfield under thunderclouds/Vincent van Gogh

置き去りにされたような世界で広がる麦畑をみている。
空と大地はぴっかりと分けられている。

画面の六割ほどを埋める空は全体に青空であるが、薄い軽い雲が一定のリズムを持って塗られている。
青と白が薄く混ぜられた線が空の構成要素である。
画面左には絵の具も盛り上がるほどうねりを持って、雷雲が静かに力を溜めるように発達している様子が観察される。

果てはあるのか、青い空の奥は暗くなっていく。

そうして視線を下げていくと、突如大地があらわれる。

でこぼこと曲がった空と大地の境界。
パノラマは歪められ、この世界が球形であることを信じられなくなる。

麦畑はくすんだパステルグリーン。ほどよくあざやかだ。
整然さはなくて、畑はその面積を統一していない。
好き勝手に角度をもって曲がったりしている。
べっとりと踏みつけられたように潰れた線で植物たちは構成されている。

気圧の低下と生温い風が吹いているように感じる。
不思議と荒々しさは感じない、むしろ穏やかにもみえる。
だけど、嵐が訪れることは約束されている。

画面右側中央部の、人が前傾してなにか作業をしているようなシルエットがある。
その周辺のおとなしさ。
そこだけが静かになにも知らずに大地も空も存在している。
わずかに残された平穏と生活だろうか。

手前にあるのは花だろうか。赤色の点が視線を集中させる。
こういう広がりのある風景画は、拡散しようとする性質をもっていて、なにか世界を安定させる楔のようなモチーフを必要するように思う。
この赤い花がその役割を担っている。

・直感的に良いなと思った作品を選んでいます
・芸術に関しての知識はない素人です
・観て感じたことを文章化する練習として書いています
・ゆえに以上は完全なる個人の感想であります
・読んでいただきありがとうございます

作者についてのメモ

さすがに私も知っている画家でした。ほとんどのひとが知っているはずです。超有名ですよね。

●この作品について

とは言っても、ひまわりくらいしか知らないていどの知識でした。
上にも書いてあるように、直感的に良いと思ったものを選んでいるので、事前知識はありませんでした。

そのためあとからネットで調べています。

最期の時を過ごしたオーヴェルで描かれた作品。
麦畑を描いたものは他にもあり

このカラスの麦畑よりも明るい印象を受けますが、それでも荒れ模様の空ですからね。穏やかではないですね。

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