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傷つきやすい人も手に入れることができる心の強さとは

タフな鋼の心。何があっても傷つかない、こわれない強い心。
繊細で弱いガラスの心を持っていると、そういうものにあこがれてしまう。
じぶんの弱さを呪うこともある。何かに責任を押し付けたくもなる。

「勝利者、成功者たちはきっと強い心を持っているんだろうな」
「強い心さえあれば、私はもっとより良く生きれるはずなのに」

この考えの裏側には、

「すぐに壊れる繊細な弱い心では勝利も成功も手にできないし、生きづらいままだ」

という考えが隠れている。

強く=硬く?

周りの目を気にしない人、好き勝手ふるまう人、言いたいことを何でも言う人、勝手に干渉してくる人。
こういった神経の太い人達の心はきっと強くて硬いのだろうと思う。
傷つくこともあるだろうが、多少の傷はヘイちゃらで、大きな衝撃でしか壊れないのだろう。
例えるなら鋼の心だ。

一方、ガラスの心と比喩される者はどうだろう。
神経の細い人。小さな衝撃で簡単に傷つくし、こわれてしまう。

だからといって、ガラスが鋼になれるだろうか?

なれないだろう。残念ながら神経活動の様式が根本的に違うので、鋼のように強くなるのは難しいだろう。

あきらめろというわけではない。
別の方向性を考えましょう。

強くなることはできないけど、強さを手に入れることはできる。
いや、強くありたいという姿勢をみにつけることができると言った方がいいだろうか。

強さ=しなやかさ

その心のありようは、鋼とはまったく別のものだ。
例えるなら、水とか植物のような心だ。

弾くのではなく、受け入れる心だ。
じぶんの弱さを受け入れて、なんとかなると思える心だ。
さらには他者の弱さをも認める心だ。

心はなんども傷つくだろう。だけど、そのたびに再生するなら大丈夫だ。
傷つくことは前提にすればいい。回復するスキルがあればいい。
流れるままに、自然のままに生きるのである。

ずっとあこがれていた精神の強さというのは、しなやかな心のことであった。

心の平穏も、この延長線にある。

おだやかな気候のなかで、ゆっくりとした時の流れを感じながら、好きなことをして過ごす。ずっとそうやって生きていけたら良いなと考えていた。
それは確かに平穏だ。だけど、ありえない理想だ。ましてや心の平穏ではない。平穏な外部環境を追い求めてるにすぎない。

実際に生きているこの世界は、不確実性にあふれていて、いつどんな危険が身に降りかかるかわからない。
平穏な環境を維持し続けるのは困難である。少なくとも自分ひとりの力ではどうすることもできないことが多い。
その現実を見ると、心の平穏など存在しないようにも思える。

強さ=平穏

心の平穏とはしなやかな心を持つことで実現できるものなのだ。
凝り固まるのではない。柔らかく、流れていくことが心を平穏に保つのだ。
身の回りや自身に起きる変化もすべてひっくるめて、変動があることを前提にして、心を真ん中の状態に戻せることが心の平穏であり、強さなのだ。

不合理な出来事も、どうしようのない現実も受け入れる。
悲しみも、苦しみも逃れようとするのではなく、認める。
幸福や承認を求めず、自分の心に正直に生きていく。
自然のままに生きていく。
こういう状態を心の平穏と私は呼びたい。

強さを手にする方法

強さにたどり着くためには、なんにせよ弱さを受け入れることからはじまると思う。
弱さが原因であるという考えから脱出して、スキル不足であるという考えに変えるということだ。

二ーバーの祈り
変えることのできないものを受け入れる冷静さ
変えることのできるものを変える勇気
変えられないものと変えられるものを見分ける知恵

まさにこれらを獲得するプロセスを学んでほしい。


嫌われる勇気は二ーバーの祈りをうまく引用していて、概念的な理解を助けてくれる。
考え方が偏っている場合があることと、思考と行動は選択可能であることを教えてくれる。

また、「能力は生まれつき決まっているんじゃなくて、習得可能なものなのだ」というしなやかなマインドセットを獲得することも、文字通りしなやかな心を育ててくれるだろう。

認知行動療法のアプローチをとる
考え方を学んでも、それをスキル化するには練習が必要。
そのために参考になりそうな本を紹介しておきます。
個人的にはアドラー心理学の考えがベースにあると理解しやすかったです。

● ACT(Acceptance and commitment therapy)を学ぶ

自分の価値に沿った行動をする。そのための方法を教えてくれます。
ネガティブな感情につながらないことを最初に訓練することになるので、しなやかな心の獲得を助けてくれるでしょう。

● セルフコンパッションを学ぶ

アドラー心理学でいうところの自己受容をひたすら追求したような内容です。
弱さは前提であることを受け入れて、次に進むことができるようになるでしょう。

自分を好きになるのって、難しいことだけど、自分にやさしくすることはできるようになる。
ただし、あなたの心がしなやかであればの話だ。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
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