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Donati's Comet/ William Turner

高台から彗星を観測している。
眼下に見える平地に生える高い木々が、もう点の集まりにしかみえないくらいの高さだ。
おかげで空を遮るものは何もない。

日はしずみきっていなく、地平はまだ少し明るい。
枝葉を上にも横にもグネグネと大きく広げた木がしずみかけている太陽の光を遮るように立っている。

星達はまばらで輝きが少ないなかでも、彗星は尾がしっかりと確認できるほど明るい。
先端から湾曲した尾をひいている様子は一点から光を放出している手持ち花火みたいだ。

ここは人のよく通る道だろうか。
草がはげて茶色の地面が顔を出している。
自然風景の中で、わずかながら人間の生活を感じることのできる道だ。

風はなく、おだやかである。
静けさと涼しさを感じる。
そんな風景を支配しているのは彗星である。
広大な宇宙に漂い、地球人の注目を集めるのは彗星である。
木も草も石でさえもその存在を注視しているようだ。


・直感的に良いなと思った作品を選んでいます
・芸術に関しての知識はない素人です
・観て感じたことを文章化する練習として書いています
・ゆえに以上は完全なる個人の感想であります
・読んでいただきありがとうございます

彗星について

タイトルにもなっているドナティ彗星は1858年に地球に接近し、かなり明るく観測された彗星みたいです。

この彗星、次に地球に接近するのは3811年だとか…

最近ではネオワイズ彗星が話題になりました。
彗星ってなんでか無視することのできない存在ですよね。

このドナティ彗星がはじめて写真に写された彗星とされています。
いまでこそ写真を撮るのは普通ですが、当時はまだこうして絵にして残される方が多かったのでしょう。
こういう絵は天文学方面の方にも有益な資料のひとつになるのではないでしょうか。

作者について

もっと有名なJ・M・ウィリアム・ターナーしか日本語版Wikipediaみつからず。一応英語版を紹介しておきます。


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