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【読書感想】君の名前の横顔

夫を亡くし、小学生の息子・冬明を一人で育てるシングルマザーの愛。父親の死後、義母の愛と弟の冬明を見守りながらも、家族という関係に違和感を持つ大学生の楓。
「世界の一部を盗む」想像上の怪物・ジャバウォックを怖れ、学校に行きたがらない冬明に二人は寄り添おうとするが、「紫色の絵具がなくなったんだ。ジャバウォックが盗っちゃったんだよ」と冬明が告げた日から、現実が変容していく。
家族とは、常識とは何かを問い直す、壮大でまったく新しい傑作小説。


ファンタジーの世界観と残酷な日常を融合させた作品でした。

印象的だったのは、名前の由来についてお話。

夫さんが息子くんの名前(冬明)の由来を話すシーンがあるんですが、

あえて名前に親の願いや想いを入れない。

意味の無いことに意味がある。
と。

ちょっとなに、深いこと言うやん、その発想好きやわ~
って思いました。

もちろん、親から子への願いが込められた名前は素敵なんだけど、

この夫さんの考えって、親と子であっても、対、人と人のような関係性を持てる人やな。って。

自分が出来なかったことを子供にやらせてあげたいという親もいるかと思うんですが、そうではなくこの発想って、もうこれはあなたの人生なので自由に生きなさいみたいなメッセージなんかなと。

「名前は親から子どもへの最初のプレゼントです」みたいなのが、
頭の片隅にあって定着していたので、

固定概念が剥がれていく感覚が味わえた瞬間でした。

知らない間に刷り込まれている世間の一般論とかって、自分で気づかないうちに自分のなかで定着してるし、払拭するのなかなか大変ですよね、ってお話でした。




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