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【チャレンジ!ワールドカフェ】   第9回 安全な場

はじめに

対話の場において「安全な場づくりが必要不可欠です」とよく言われます。
それはどうしてでしょうか?

笑い話として、飲み会の場で上司が「今日は無礼講だ。役職関係なく気兼ねなく飲もう!」というので、日ごろのうっ憤を上司に話したら、翌週から遠方に飛ばされてしまった、というのがあります。

これでは、いくら「好きに話をしましょう」と言われても「本音」は出てこないでしょう。「安全では無い場」では、つい色々な事が脳裏を横切ってしまい「言いたい事」に様々なフィルターがかかってしまいます。

「嫌われる」の影響

ヒトに嫌われると、どんな影響があるでしょうか。
 人間関係がなくなる、仕事がなくなる、お金なくなる、居場所がない…

その結果、無意識に「言いたい事」を選択、制限してしまう。それは何故かというと… 過去の体験、その場の雰囲気、今までの経緯。そのた色々…
今までの人生において起きた事から「学習している私たち」は、思ったことを素直に言うといい事は無い「という学習」をしているから、言いたい事を選択するようになります。

「嫌われる学習」のリセット方法

それらを回避するためにはどうしたらいいでしょうか。
私が対話の場で実践している3つの心構えをお伝えしようと思います

1.自分の事をオープンに話す


テーマに関係している、自分のプライベートを話すと周囲の参加者も話しやすくなります。
例えば介護や働き方の場合、「自分の父は7年前に脳出血で麻痺があり、介護が必要です」と始めると、前例が出来るため、それぞれの話もしやすくなります。
この時大切なのは、周囲に無理強いしないことです。「あなたはいかがですか?」と水を向ける程度なら多少は効果的ですが、そこを無理に話させよう、と思うのはNGです。

2.そそのかす

話題が盛り上がってきたときに「こんなこと言うと変かも」「意外に思われるかも」「これ言ってもいいのかなぁ」という「枕詞」を口にされるケースがあります。
それはしめたもの! すかさず捕まえて「どうぞどうぞ」「大丈夫ですよ」と大いに受け入れましょう。 そして内容を聞いた後も受け入れる心構えで居られたらばっちりです。

「何か騙されるのではないか」→相手のことをよく知らない

3.オープンに聞いてオープンに話す…”正しい”を手放す

お話を聞いているとご自身の「常識」に引っかかることはあるでしょう。
例えば「子供にとって時には暴力をふるうことも愛情だ」といった場合です。
その場合にどう接すればいいでしょうか。 
「子供に暴力をふるうなんて言語道断だ!」と声高に言うべきでしょうか
「確かに子供に暴力をふるうことも必要ですね」と迎合するべきでしょうか
私はどちらも良いと思いません。それはオープンに聞いてないからです。

オープンに聞くとは、ココロをオープンにして聞く、相手の話を素直に聞く、という事です。
この時大切なのは「正しい、と思う事を手放すこと」です。

「子供に暴力をふるってはいけない」と思うのはOKです。
ですが、それを相手に押し付けてはいけません。相手には相手の「常識」がある為です。

対話の根底にあるものは「色々な常識を味わう」「色々なメガネ(常識)をかけ替えて色々な世界を見る」だと思います

一つの常識に縛られず、様々な常識を並べて見比べ、そのうえで自分の素直な気持ちをオープンに語り合えると、様々な価値観を混ぜて新たな価値創造の場が出来る事でしょう。

まとめ

「安全な場づくり」とは、互いに認め合い、色々な話題をオープンに共有し、相手の背景もわかる場でした。
安全な場だと思えるからこそ、ヒトは自然に建設的自発的に発言します。そして相手を認め合うからこそ、自律的に行動するのです

安全な場づくりこそ、生き生きとした組織を育てる地盤かも知れませんね


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