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知らないけれども、興味はある

また面白い番組をみつけてしまった。

それは『100カメ』といって、NHKで観ることができる。まだ観たのは最新回と過去1回の2本だけなのだが、面白い。ハマってしまった。

概要としてはこうだ。毎回特集されるテーマの現場に100個の固定カメラが設置してあり、その映像をみているオードリーのふたりが画面の端からツッコんだりあれこれしゃべったりする、というもの。

シンプルだが、最近はこういう番組や動画がふえている気がする。いわゆる密着番組なのだが、『プロフェッショナル』や『情熱大陸』などとは異なり、こちらは一般人、つまりかぎりなく素人であったり駆け出しの人間であることがおおい。前者を観ている人がプロの力量やこだわりに影響されたり感動したりするのにたいして、後者はがんばっている姿を観て応援したくなる、という感じだろうか。

繰り返しになるが、まだ全部の回どころか2回分しか観ていないのでたまたまそれがそうであっただけかもしれない。他の回ではがっつりプロへの密着なのかもしれないが、タイトルを観るかぎりそうとはどうもおもえない。

ちなみに僕は、(オードリーの)若林さんの本はほぼすべて読んでいる。文庫本も買ったことがある。たいして春日さんはこれといって追っかけているわけではないのだが、彼らがブレイクするきっかけになった(といわれている)確か10年以上前の『おもしろ荘』はリアルタイムで観て笑わせてもらった記憶がある。

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今回観たのは、今年の大河ドラマ『どうする家康』のアクションチームを密着する、というものだった。きっかけはもちろん、(観るまで知らなかったので)100カメだからではなく大河ドラマからだった。

アクションチームとは、徳川家康軍や武田信玄軍の主役や名将役を引き立たせて輝かせる、いわゆる「名もなき斬られ役」たちである。じっさいに画面に映るのは数秒だ。しかし、その数秒をいかに違和感なく「自然に斬られて」、将にむかって「一矢むくいようとする」当時の武者を演じるのだ。

その稽古のようすや大河ドラマの舞台裏がよくわかる。もちろんそれは、現場で溢れる汗やなみだのほんの一握りなのだが、いちファンとしてこれを観る前と後では「合戦」の印象ががらりと変わった。

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これを観てもうひとつおもったのは、「彼彼女らはなにを目指しているんだろう」ということ。

チームには、まだあどけなさの残るおそらく20歳にみたない若者もいれば、この道20年ちかくで本業のかたわらもう何百回も「斬られ」ている方もいる。そのあたりの売れるルートというか事務所のちがいなどはわからないのだが、特集されていたその事務所自体が俳優の千葉真一さんが設立されたもののようなので、やっぱり「いつかは主役」が所属している人たちの本願なのかもしれない。いや、人によるか。

僕はこのnoteで一応毎日書いているが、「すべてを面白く」とはおもっていない。そこはちゃんと現実をみている。ただ、「書いていればいつか何かの拍子でいいのが書ける」とはおもっている。ある意味ではそれとおなじことなのかもしれない。

殺陣たてや(死の危険すらある)アクション術を稽古して、それでも成果としては「顔も名前も映らない斬られるだけの数秒」。お笑い芸人やミュージシャンは、売れるかどうかは別として、「じぶんをアピールする」ことは惜しみなくできる。想像だが、「満足感」がだいぶちがいそうである。

しかし、彼彼女らは稽古中も舞台裏でもすっごくたのしそうだ。確かにたとえ数秒でも、「大河ドラマに出た」と言えるのだから改めて奥がふかすぎる世界だな、と感じざるをえない。顔や名前はあとにして、「経験をきざめる」という一点がなによりも今後のかてになるのかもしれないとおもった。

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まだまだ他の回でも書けそうである。1回の放送が30分とみじかいのもいい。

過去回を観ながら、これからも追いかけたいとおもう。

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長屋 正隆 | Masataka Nagaya
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