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【キャリア】 カムバック転職(いわゆる『出戻り』)について考えた

先日こんなコラムを読んでいた。

大企業から外へ転職した後に「出戻り」した人たちの話。

前編


後編

これを読んでいて、色々考えたことをつらつらと。



30代のキャリア迷子の話

私の会社は大手企業でもないし、日系でもないので記事で取り上げられている人たちの会社とは違う部分は多々あるんだけど、転職の動機の部分としてはどこもあるあるなのかもなと思った。

私の勤めている会社では、入社して2〜3年で転職してしまう人が結構多い。

この記事でもまとめた通り。

理由としては色々あるわけだけど、そのうち結構よく聞くのが「より稼げる分野の方に行きたい」「高度な専門性を他でもっと身につけたい」「年収をあげたい」など。

この入社2〜3年ってのは(人にもよるけど)大体20大体後半〜30代前半あたり。うちは中途採用がほとんどなので。

実際に私の後輩も、同じぐらいの年次&年齢で、同じように転職を悩んでいる。彼女の転職希望理由は、少し別分野での専門職に興味があるというもの。

他の後輩たちの話を聞いてても、さらなるキャリアアップを目指してゆくゆくは転職や異動をしたいと考えてる人が結構いる。

もともとうちの会社を選ぶ人は、「新卒から入社して定年まで一社で働き続けよう」という安定思考の人はいない。新卒採用ほぼしてないし、専門職だし、外資だし。だからある意味では転職を見据えているのがデフォルトなのはある意味普通ではある。

一方で、長期にわたって弊社に居続けることで得られる経験やメリットもあって、そういう面白さも知ってほしいと思いつつもその部分については、あんまり良く見えなかったりするもんなんだなと感じる。

産育休で出戻りを疑似体験

実際私も同じくらいの頃は転職しようかと思っていた。結局昇格+妊娠出産でなんだかんだ伸び伸びになって今に至るのだけど、その魔の3年目みたいなのを乗り越えると結構違う景色が見えてきて、今では転職しないで良かったなと思える自分がいる。

居心地も良い上に仕事も充実しているのにも関わらず隣の芝は青く見えるもの。私はもともと素質的に自分に合う環境を慎重に選ばないと生きていけないタイプで、年収が良いとか仕事自体が面白い・成長できるとかだけで選んでしまうと痛い目を見ることになる。それを分かっていながらも、今いい環境にいると、そのことすら忘れちゃうものなのよね。

前述の記事でも、出てみて始めて会社の良さが分かったなどと書いてあったけど、本当にその通りだなと思う。私の場合は転職のタイミングをただ単に逃した組だけど、産育休が転職の代わりとなった気がするので、ある意味出戻り組と似たような視点を持っているような気もする。

あとは夫が大手の外資系から日系に転職をしたので、その話を見聞きして自分の勤め先の会社を客観的に見られるようになった事も大きい。業界や業種は全く違うけど、ものすごく大きな括りでの社風とか仕事の進め方とか。

結果として、転職を経ずに同じような経験を出来たのは良かったなと思う。


出戻りした同期の話

ちなみに私とほぼ同時期入社の同期は、2年ほどで転職し、その後去年あたりで弊社に戻ってきた。

この同期の転職理由は、自国へ帰りたいというものでした。だから、一旦自国資本の会社へ転職して、2〜3年のうちに本国へ帰ろうと思ってたらしい。でも、実際転職してみて自国の人たちと一緒に仕事してみたら、「そうだ私は自国の文化や風土が合わないから日本に来たんだった」と身に沁みて実感したとのこと。

私の勤め先の会社は外資ではあるもののかなりマイルドというか、優しい雰囲気のある会社。弊社の方が自分に合ってると思い直して、戻ってきてくれたらしい。

こちらとしても、その人の人となりをすでに分かっているし仕事のやり方などをすでに多く理解してくれているのでやりやすい。

彼女の転職先の業界はかなり給与水準が高い部類だったので、戻ってきた際は正直年収も下がったらしい。それに役職は転職した当初のままなので、ずっと居続けた私よりも結果下がってしまった。その後すぐに活躍してくれたので昇格はしたけれど、タイミングとしては数年遅れとなりました。

それでも「戻って来て良かった」「年収は関係ない」と言っていて、私には転職してから今に至るまでの話を結構してくれたので、私自身も学ぶところが多く、「ここに居続けて良かったのかも」と改めて思えるようになった。感謝してる。

長期的ビジョンと辛い時期の乗り越え方

最近定着率とか出戻りとか、そんなことばかり考えている私だけど、それって多分やっと自分が長期的に仕事やキャリアについて考えられるようになったからなのかなと思う。

私は人よりも社会人デビューが遅いのでやっと今更?という感じが否めないでもないけど、2〜3年、長くても5年先に自分がどんなキャリアを描いているか…というのを考えるので精一杯だった時期を脱した気がする。

良くも悪くも、無限大(にあるように見える)可能性がある意味閉じていって選択肢も減り、限られた中から選ぶしかなくなったとも言える。

独身で若いうちは時間もエネルギーもあり余っているし、大した経験や専門性がなくても転職出来ちゃう時期でもあるので、どうしようかと選り好みしてしまう感じも結構ある。失敗してもリカバーしやすいし、家族を養う責任もない。いい意味で気楽だからこそ、動きやすいのだと思う。

今は子どももいて自分の仕事も自分のためだけにやってる訳ではないという意識も芽生えたから、責任感から「多少辛いことがあっても頑張ろう」という気持ちになった。


逆に、子どもがうまれて家族が増えた責任感からより家族の環境に合わせる形で転職していった人もいる。どこを選ぶかは人それぞれではあるけれど、より長期的・安定的に物事を見るようになるきっかけとして子どもの存在は大きい。

まとめ

まとめというほどまとまってないけど、20代後半〜30代前半の時期(特に独身期)に色々な可能性を求めて転職するというのは、あるあるな事なんだなと思った。

前述のコラムではアラムナイのコミュニティ作りやカムバック転職についても割と肯定的に書いてあるけど、私もそういうものがあるってのは良いなぁと個人的に思う。

あとは、育休や別の方法(サバティカル的なものとか、海外留学とか)で一旦職場から離れてみるのも結果的には良かったりするなぁ、とも思う。違う環境に身をおいてみて初めてわかることも多いし。

自分自身の人生のフェーズの変化もかなり重要なファクターだと思うけど、そこに関しては個人の選択なので本人以外どうともできない部分なので、なんとも言えない。

おわり。

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