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楳図かずお大美術展

あべのハルカスで開催されてる「楳図かずお大美術展」に行ってきました。「美術展」の前に「大」が付いているあたりが何となく怪しげな感じがするのですが結果からいうと「大美術展」でした…。

私自身はあまり漫画を読まいタイプの子供だったのですが、楳図かずおの初期の恐怖漫画や「漂流教室」だけは結構気に入って読んでいました。

今回のメインの展示は『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』という101点の連作絵画です。絵画といっても漫画的な発想と技法がベースになっているので見ていて楽しいものです。リラックスした気分で鑑賞することが出来ました。

101点の絵画にはそれぞれ短いコメント(物語)が設定されていて、それを1枚ずつ読み進めていくので、ちょうど紙芝居みたいな感じですね。101カットの紙芝居と考えると相当なボリュームであるというのがわかるかと思います。手法としては鉛筆の下絵(コピー)にアクリル絵の具で着彩したものでどの作品も相当描き込まれていて、手抜き作品は1点もなくかなりの力作揃いです。

『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』のストーリーについては書きませんが楳図かずおの描く世界はどの作品においても共通したものがあると感じました。それは手の届かないところにある分断された世界と自己認知への絶望的な叫びみたいなものではないでしょうか…。これは音楽でいうとジャズやブルースなどと共通する部分だと感じます。

本展ではインスタレーションで3名のアーティストが参加していました。私が気に入ったのは「冨安由真」の作品で、101点の下絵となった鉛筆画と朽ちた小屋とオブジェがセットになったインスタレーション(部屋)でした。この部屋は周期的に照明が変化して(時には暗い闇になったりします)混沌とした闇の雰囲に包まれた空間と楳図のモノクロ画がと完全にシンクロしてとても趣のあるいい作品だと感じました。

本展は楳図かずおのファンの方もそうでない方も十分楽しめる内容となっていると思います。気になる方は足を運んではいかがでしょうか。閉幕まであまり時間がないですが、閉幕日には「楳図かずお大美術展 大抽選会」が予定されているようです。

楳図かずお大美術展
2022年9月17日(土)~ 11月20日(日)
会場:あべのハルカス美術館

ちょっとかっこ良すぎたかなぁ?