じいさん#8 焼肉レストラン
じいさんはせっかちで、夕飯は外で焼肉を食べようと18時に予約しても17時には、
「もう行くぞ。」
と言ってテレビゲームをしている僕を急かしてきた。
車でだいたい10分、15分で着く店だからばあさんが、
「いくらなんでも早すぎますよ。」
とほとんど呆れたように笑う。
それでもお構いなしで、
「寄りたい所があるから、車暖めておく。」
とせっせと出て行ってしまった。
僕は遊びに来たときだけだから良いけど、ばあさんはこんな調子で何十年も一緒にいるのだからすごい。
ばあさんの無頓着な性格のおかげでやってこれたのだろう。
僕はしょうがなく車に乗ると、やはり寄りたい所などなくて、17時半には焼肉レストランに着いた。
店は開いたばかりで、店員さんもなんとなくスイッチが入っていない感じだ。
僕はレストランで、色んな家族がわいわいした中で食べるのが好きだからちょっと寂しくて、おまけにまだ早いからお腹も減っていなかった。
店長らしい男性が横について、研修の女性が注文を取りにくるとじいさんは、
「じゃんじゃん頼めよ。」
と威勢が良い。
結局僕はそんなに食べれなくてばあさんが、
「しょうがないわね。」
とか言いながらもりもり食べるのだ。
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