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「今」もっているものに、気づく。


あなたは砂漠を歩いている。

水筒に半量のこった水を見て、何を想うだろうか?


こんな人へ向けて書いています

・一歩踏み出すのが不安で、いつまでも勉強していたくなりがちな人

・「休む」選択をすると勉強なり活動なりを「できなかった」ことに後ろめたさや罪悪感をもってしまいがちな人

・小さな行動にもっともらしい理由をつけて時間を埋め、本当に大切だけど億劫な行動を後回しにしてしまいがちな人


つまり、僕自身です。


こんな人が書いています

14年の都会生活から一転、群馬に家族と引っ越してきた32歳の話好き。

最近は「身体は資本だぞ!」と父に連れられて数キロの散歩に出かけ、脛の痛みと戦っている。

本大好き。学びは至福。得意技は、自己正当化


1.足し算する人生


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100点満点のテスト。

あなたは95点をとった。


嬉しいだろうか?

それとも、悔しいだろうか?



僕はこれを、「悔しい」と感じながら幼少期を過ごしてきた。取れた95点を喜べず、足りない5点に落ち着かなさを覚えていた。


足りない。できない。わからない。


そういう状態が悔しくて、落ち着かなくて、「どうすればよかったのか」に囚われる。そんな原体験がある。


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高校生の頃、東野圭吾の『宿命』という作品を読み、感銘を受けた。最後の一行を読んで鳥肌が立った。

「本ってなんて面白いんだ!」と感じて、その日から毎日本屋に通い、文庫本を買い足す暮らしが始まった。


活字に触れることに慣れると、興味関心の赴くままに本を読むようになった。大学に進学して講義が始まるまでの2週間、ブックオフで買いこんできた15冊の本と共に過ごした。


人付き合いだったり、法律だったり、勉強法だったり。手ごろな厚みの新書を読みながら、知っていることが増えていくことに喜びを覚えていた。


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社会人になり、僕は経営コンサルタントになった。知らない業界、わからない業務、初めての考え方。

毎日が抜き打ちテストで、さも「前から知っていましたよ?」みたいな顔をしてその場をしのぎ、次の機会までに必死で「足りない」を補完した。

その繰り返しで、「わからない」を塗りつぶして生きてきたのが僕の20代だったと思う。



2年目の冬。大きなプレゼンを控えて切羽詰まって苦しかった頃、直属の上司に見捨てられ、大きな失望を味わった。

今思うと、当時の上司もいっぱいいっぱいだったのだと思う。それでも、18連勤、130時間超の残業、朝5時まで働いてシャワーを浴びるために1時間だけ家に帰り、朝6時に出社する、みたいな働き方をしていた僕に、他人を慮る余白は無かった。


無事にプレゼンを終えた僕は、高熱に喘ぎ、その後の予定を先輩に丸投げして、病院に担ぎ込まれた。


「会社なんか頼りにならない。上司をあてにすればバカを見る。自分を護ってあげられるのは、自分だけだ。」



25歳になる直前、そうして僕は「会社」「他者」という存在を、見限った。



全部自分でできるようにならなきゃ、死んでしまう。



そんな鎧を身につけたのだった。




2.引き算する人生

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コーチングを学び始めて、僕はクライアントとなり、コーチとなった。

クライアントとして受けた3度目くらいのセッションで僕が出会った心象風景は、宝物を次々と後ろに放り投げて省みない自分の姿だった。

手にした瞬間、僅かに喜ぶものの、すぐに興味を失って後ろに向かって放る。いつまでも、「新しいもの」にばかり目が釘付けになる。



それから半年後、別のコーチにセッションをしてもらった際に見たもは、大きな蔵だった。大きな大きな蔵のなかに、宝物が乱雑に積みあがっていた。

そして、その蔵は外の世界と通じている他方で、僕の心の内側に繋がっている扉の前には、大きく奇妙な鉄格子が立ちはだかっていた。

地べたに零れ落ちたガソリンが、汚い虹色を反射するような色をしたその格子は、いったいどうすれば開くのかまったくわからず、僕は途方に暮れた。今年の8月のことである。



THE COACH Academyのプロコースを受講しながら、僕はその期間の大半を、焦燥感と共に過ごした。「もっと学ばなきゃ」「もっと得なきゃ」「もっと成果に繋げなきゃ」。

刻一刻と時間は経ち、子育てが着衣泳のように感じながら、終わりへと近づく講座に、落ち着かない気分だった。



まだ何も叶えてないじゃないか。

いったい僕は成長したのか?



そんな気持ちに囚われて、やっつけ仕事のようにカリキュラムに向かってしまっているような気持ちに罪悪感を覚えていた。



DAY9。

講座が終わる、一つ手前の講座。

そこで転機が訪れた。



インテグレーションジャーニー

インテグレーションジャーニー:僕たちが人生の旅路を歩んでいる間、たどっていく7つのプロセス。アカデミーのプロコースではこのプロセスを各回のテーマにして、一周する旅路を歩む。


DAY9のテーマは「帰還」。

自分の物語の振り返りだ。

プロコースで歩んだ4か月間を、20分かけて振り返った。

川のせせらぎの音をBGMに、5分ずつ、1か月ごとにあったことを紙に描きだしていった。


僕が書きつけていたノートは文字でいっぱいになった。

子どもが育ち、朝まで眠り、ハイハイできたり目が合うようになった。

どん底の低空飛行をしたコーチ商売が、独立後最高売上を記録した。

シャドウを統合し、身体の声を聴ける自分になっていた。

ずっと課題だった未完了が結構片付いていた。

生活コストを見直すこと、家のこと、家族とのことに向き合えた。


挙げていけばキリがない。

描きだしてから20分後、僕は呆然としながら、満たされた気持ちに包まれていた。


こんなにたくさん、できてたじゃん。

こんなにたくさん、持っているじゃん。



「今」自分がもっているもの、「今」に至るまで自分が歩んできたものの豊かさを、受け取った瞬間だった。

いつしか蔵の前の鉄格子は消えていた。



「Willでもあり、Canでもあるが、Be good atでないこと」、への挑戦に苦しんでいた僕は、「できないこと」「得意じゃないこと」を認め、「もっとよくなる可能性」「足し算できる期待」を手放すことができた。



今すでに僕がもっているものだけで、一生暮らしていくことができるような気がします。



テストでとった95点を喜べる自分に出会えたのだった。



そして、足し算し続けて膨大に増えた「Can」。

これを手放して、「Be good at」だけで成り立つものへ絞っていっている。

WillとBe good atの交点に、自分の仕事が成立していること。それが、もっとも自分がいきいきと取り組めている状態だと知ったからだ。



足し算をして、新しいことを身につけて、たしかにできることは増える。でも、引き算をして、やることを絞って、残った得意を磨いていくことでも、できることは増えるのだ。

「できる幅を増やす人生」から、「得意の価値を高める人生」へ。


小さなころからずっと「足し算」をすることでしか生き抜く術を知らなかった僕が、「引き算」をすることで生きる道に足を踏み入れたのだった。



3.「今」持っているものを、活かす。


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あなたの掌の中には今、何があるだろうか?


僕の掌に残ったのは、「聴く」「書く」「話す」だった。

人の話を聴き、その内容を書き留めて可視化し、得てきた経験や見える景色を話す。


人が好き。物語が好き。変容する瞬間が大好き。


だから僕は、コーチという職業を天職だと思っている。

そして、それは仕事に留まらず、生き方であり、在り方である。


自分が持っているものの豊かさに気づき、そこに足し算せずとも活かせる場を見出し、絞ったものだけで組み立てて充実したときを過ごして生きる。



「学ばなければ、得なければ、準備をしなければ、先に進めない。」

そう思い込んで、足し算に縛られて生き続けてきた僕は、未知へと踏み出す恐怖に延々と言い訳を与え続けていたのだった。


役に立てる人に出会う。

その相手の役に立つために、自分のリュックを点検するのだ。


もっているもので、できることを、探すのだ。

僕たちは案外、十分なものを最初から与えられているのだから。




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ここまで読んで頂き、ありがとうございました!




僕自身のコーチングスクールでの学び

「講座」に着目して、僕の変化と感じていたことを整理した記事です。


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思考整理セッション


コーチングを通じた「継続的な関わり」を検討される前に、ざっくばらんにあなたの「現在地」を一緒に整理するためのセッションをご用意しています(※ あなたのコーチになる、というのとは別のサービスです)。


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コーチとして関わるイメージ

単発のセッションではなく、継続的に伴走する際に僕がお伝えしていること、大切にしたいことを記事にしました。

僕のコーチングをご要望の方は、まずはこちらをお読み下さい。


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反響の大きかったnote

📚願いを指針に、生きる。

もっとも読まれたnote。
僕が息子に出会うまでの、夫婦の挑戦の物語。


📚継続コーチングを完了した日

3ヶ月を共にしたクライアントさんから頂いた言葉。
大切な贈り物をもとに、僕が考えたこと。


📒言葉を受け取れる準備が整うこと

人の助言って、なかなか聴けないですよね。
「受け取れる自分」に出会った変化をお伝えしています。


📒靴の中の小石。

誰もが人生に、小石を抱えて生きている。
「我慢」で失っていることに向き合っています。


📒感情の、痛み。

感情は「願い」のバロメーター。
願いに出会うための選択肢として、「ともにいる」選択を。



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