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「副業」「ギグワーク」を通じてこれからのキャリアを考えるのは、アリだと思う

思えば、いつも「暮らすこと」「働くこと」に関心があって会社選びをしていたような気がします。

私は新卒で入った会社では、賃貸住宅情報メディアCHINTAIのサービス運営を。その後は人材会社パーソルキャリアでも新規事業:働く価値観でマッチングする転職サイト「meeta」に携わり、起業した今も、企業の口コミ情報サービス事業の立ち上げをしています。

そんな私が最近関心を寄せているのが、「副(複)業」、「ギグワーク」などと呼ばれる、「新しい働き方」についての話。

新型コロナウイルスの影響で自宅にいる時間が多くなったことで、自分の将来や働き方について見つめ直す人も増えていると聞くし、副業やギグワークなどにチャレンジし始めている人も意外と多いのではないでしょうか。

でもちょっと気になるのが、その「副業」や「ギグワーク」に対する、ちょっとネガティブな世間の見方。

「在宅ワークのすきま時間に副業をやったら、本業の生産性が落ちるだろう」とか、「ギグワークは所詮業務委託だから、何かあっても会社は守ってくれない」とか、いろいろと意見があるのは分かります。

でも私は、その「副業」「ギグワーク」を通じて仕事をすることって、これから先の自分のキャリアを考えるときにものすごく役立つはずと思っているので、その考えをこのnoteでまとめてみようと思います。

1. 「副業」と「複業」、「ギグワーク」と「ライフワーク」って?

最近は働き方改革や、新型コロナウイルスの影響もあり、様々な企業が副業を解禁したり、社内副業を推進する社内規定や制度の見直しをしたりするなど、状況は変わりつつあります。

大手企業である日立・富士通のような会社でさえ、雇用システムを「メンバーシップ型」から「ジョブ型」へ移行するところも増えてきました。
終身雇用を前提とした、会社に合う社員の雇用ではなく、よりプロフェッショナルな専門性の高い働き方を求める傾向が高まっています。

※メンバーシップ型とジョブ型の話は、こちらの記事が参考になります。

一つの会社だけから給与をもらうのではなく、複数の場所から収入を得るということが、少しずつ当たり前になりつつあるのが、今の状況なのでしょう。

そんな状況でよく耳にする、いくつかの言葉の定義を整理してみます。

「副業」…メインの仕事があり、それとは別に、すきま時間や休日を利用して仕事をする働き方のこと。優先度は本業が高く、あくまで副業はサブ的なイメージ。

「複業」…ある領域のプロフェッショナルとして、本業のサブ的な仕事ではなく、複数の会社・仕事を専門性高く担い、自らのスキルもアップデートしていくような働き方のこと。(自分が入っているもう一社のconerの事業は、まさにココ)

「ギグワーク」…1回ごとの契約に基づき行う仕事のことで、単発かつ短期で行う仕事のこと。(UberEatsやAmazon FLEXの配達員がよく例に挙げられています)

「ライフワーク」…一生をかけて、やりがいをもって働ける仕事のこと。

この定義を元に考えると、「副業」と「ギグワーク」、「複業」と「ライフワーク」がそれぞれ意味合いとしては近いものがある気がしますね。

2. なぜ「副業」「ギグワーク」は、ネガティブに捉えられているのか?

「副業」「ギグワーク」を通じて これからのキャリアを考えるのは、アリだと思う (2)

さて、ここで冒頭に私が「気になっている」といった、ややネガティブに取り扱われがちな、副業やギグワークいう、新しい働き方。

今年の1月には、こんな記事も出ていました。

「Uber Eatsなどの「ギグワーク」は、貧困地獄の入り口か?」(記事URL

”私個人的には、自分の可能性を試せる「ギグワークの定着」というチャンスは、大いに歓迎すべきものだと考えています。また、闘病、介護、子育てなどさまざまな事情、制約を抱えた人々にとっても、たとえ部分的であっても自立できるきっかけとなるはずです。
ですが、仮に、学校を卒業後に単純労働系のギグワークに就いたとして、数年間、そこで何の学びも工夫もなく単純作業を繰り返し、時間を切り売りしてしまったとすると、その後にキャリアの立て直しを図った場合には、厳しい現実に直面することになるかもしれません。”(記事より引用)

新しいことにチャレンジをして、すきま時間を使い、副収入を得ることは良いこと。ただし、そこにのめり込みすぎるリスクも忘れないように、というリスク面が、ネガティブなイメージで広がっているのかもしれません。
たとえば、「ギグワーク」と呼ばれる仕事は、法律上「個人事業主」として扱われ、「労働者」とはみなされないために、安価で保障なく働くことがリスクの一つ。

また、作業的な内容の仕事が多いため、スキルや経験も身につかないことに時間を使うことが、本当に良いことなのだろうか、といった声もあるようです。

Uber Eatsなどが分かりやすいため話題にあげてしまいますが、彼らは頑張って働けば、月に数十万円ほど稼げる人もいるといいます。それは新卒の初任給よりも稼げる可能性があるということ。

もし学生時代にUber Eatsの(収入という意味での)うま味を知ってしまうと、そのままアルバイトの延長のような感覚で定職に就かない新卒世代も増えてくるでしょうし、「本業よりも稼げるな」と思って、安易に本業を辞めてしまう人も増えるかもしれません。

たしかに、目の前の収入だけにとらわれすぎた副業は、長い目のキャリアとして見た時にはやや不安の残る働き方かなとも思います。。


3.”キャリアを考えたいとき”には、副業は効果的

そうしたリスクなどをはらむという意味で「副業」や「ギグワーク」の悪しき印象を与えてしまうようなニュースなども多く見かけますが、個人的には良い悪いという話ではなく、目的や状況によっては副業も悪くなく、むしろ良い事である、という意見です。

その目的、というのが「自分のキャリアを考える」ためのツールとしての活用です。
そして、「複業」という働き方を今後していきたいのであれば、そのために「副業」や「ギグワーク」といった短期間から始められる新しいチャレンジは、ファーストステップとして非常にアリだな、と思っています。

今は、何かしらのスキルや知識をもっていれば、自分が所属する会社以外からの収入を得て働きたい人と、仕事をマッチングするプラットフォームも多く出てきました。(ココナラ、ランサーズ、ビザスク、タイムチケット、などなど)

私自身も、最初は会社勤めをしながら、自分が得意とするWebマーケティング領域のアドバイスをする、副業をしたことがありました。

そのとき初めて「会社員」としてではない、「個人」としての市場価値を強く実感したものです。あのとき経験した小さな副業がなければ、今の「複業」としての働き方は得られなかったでしょう。

副業やギグワークは、「スキルの向上」や「経験値を増やす」という意味では、中長期的なキャリアアップにはなりづらいかもしれません。

けれども、まず会社以外で収入を得るという機会は、きっと自信につながるはずです。

また副業を通して、キャリアを考えるきっかけにもなるはず。自分のやりたいこととやりたくないことの整理にもなるし、普段社内の決まった人間関係以外とのコミュニケーションが発生することによる、視野の拡大も期待できます。

自分がいま社会でどのくらいの価値があるのか。そんなことを計るツールとしても、副業は必ずしも悪いことではないと思うのです。

4.一つの会社に依存しないキャリアを考えよう

これまでは、会社や組織の事情が、個人の事情よりも優先されて、その代わり安定した収入を得られてきました。住み慣れた土地を離れ、文句も言わず転勤しなければならない、でもそれが当たり前……。

でもこれからはどうでしょう。この時代、どんな会社だっていつまでも安定しているとは言い切れません。

先日リリースした「ホンネメンター」も、「転職希望者の相談にのる」という副業(&ギグワーク)の一つだけれど、求めるゴールはずっとその先。

メンターを務める上で必要な、自身の経験の棚卸しを通じて、自分の市場価値を認識すること、また「ライフワークを見つけたい」と思っている転職希望者へのサポートをすることによって、相談者側もメンター側もライフワークへの道や複業への道が拓ける。
そんなプラットフォームになれたら良いなあと思っています。

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はたらくホンネ「ホンネメンター」
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