2020/4/5


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(2023.1.23追記)

この記事は、わたしが妊娠中にリアルタイムで書いた記事で、長く非公開にしていました。読み返したら、当時はちゃんと傷ついていたり憂いたりしたそのままの声が載っているので、おもろいと思って公開します。

未婚シングルマザーについてまとめた記事はこちら。

文章として整ってない部分もありますが、当時のありのままが伝わるかと思い、そのまま修正せず載せます。
今はもういない、そのときの私を【保存】してくれる文字って本当に尊いな。そして、このすばらしい決断をしてくれた私よ、ありがとうだぜ。

以下本文です。
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「ちびり」
とは、今私のお腹の中にいる存在の呼び名である。由来は、母が小さな頃に飼っていた猫の「ちびり」。私は話でしか聞いたことがないけど、それはそれは優秀な野良猫(飼っているというのか?)だったそう。

そこから名前を拝借し、今では「ちびり」「ちび」「ちびりん」などと呼んで日々を過ごしている。現在、妊娠5ヶ月目、今年の9月に出産予定である。私にとって初産、初の妊娠であり、結婚の予定はない。この貴重な経験をしている今、きっと過ぎ去れば忘れてしまう今しかない体験と心の変化を記録していこうと思う。

妊娠が発覚するまで

これは本当に不思議な話なのだけど、私は2019年末にあらゆる方面(占いやら知人やら)から「子どもができる」と予言されていた。「いやいやいや、どこでできんねん!」と恋人すらいない働き盛りの私は、恋愛に脇目も振らず一心不乱に仕事をしていた。ちょうどその頃、恐ろしいほどの繁忙期(会社の立ち上げ期)だったので、今では信じられないけど2ヶ月くらいは不眠不休で過ごしていた。(マジで)

詳しいことは書かないけれど、私にはずっと好きな人がいて、もともとお付き合いをしていた間柄でもあり、その年末の忙しい時期、再度連絡を取り合うことや会うことがあった。結論としてはその人が子の相手方となるのだけど、なんとなく周りの人から「子どもができる」推論をされており、「まさか、、まさかね。」と思いながらも、年末に身体の火照りや何となくの違和感があり、少しソワソワし始める。しかし、年明けは念願だった海外一人旅に行くことを固く決意していたため、「絶対100%妊娠してないことを確認してから海外行こう!(めっちゃ出費だし)」という保険的な意味合いで妊娠検査薬に手を出したのでした。

妊娠検査薬は3回陽性

妊娠検査薬には検査に適したタイミングがあって、私は海外旅行のスケジュール的にもそんなタイミングは待っていられず、フライングでまず1回検査をした。妊娠検査薬っていうのは棒状の検査キットに尿をかけて、陽性だったら検査キットの窓枠に線が現れるしくみなのだけど、1回目の検査は「陰性」に見えた。うん、おしっこかけても何の反応もない。よし。とりあえずその日は急いでいたので検査後のスティックを包装してカバンにしまって仕事の移動。また別の件で慌ただしくしていたとき、「そうだ、今日検査したの忘れてた」とカバンにしまった検査薬の存在を思い出してふと見てみると、あらあら検査薬の窓枠にうっすらと線が。「おおおおおおおおおおおお?」

尿をかけてすぐは反応がなかったけれど、時間が経てば浮き出てくるもの?しかし、タイミング的にも検査をするには早い時期だし、まだこの情報で判断してはならない。そこでまた1週間後、さらに1週間後と検査をして、計3回、結果はすべて【陽性】だった。

結果は焦らず。病院で確認するまでは信ずるなかれ。

「もしかしたら」の可能性を踏まえて、私は年始の海外旅行をやめた。日本でほのぼの過ごすことにした。と言いながら、内心は「ほのぼの」なんてできる心境ではない。「もしかしたら、もしかしちゃったかも」という思いを抱え、それでも不確定な内容で翻弄されたくもなく、「まだ決めつけない」と自分に言い聞かせて過ごした。

この年は初詣をいつもと違う神社に一人で行った。その神社はとても気がよくて、本当に清々しい気持ちにしてくれる大変素敵なところなのだけど、そこへお参りをしたときに、私は自分でも不思議なほど自然に手を合わせながら「神様、どうかお腹の子を守ってください。」と涙を流していた。あぁ、私たぶん妊娠しているなぁ。あぁ、意識しないようにしても、自覚しないようにしても、ここへきたらふと心の声が漏れてしまうなぁ。私のお腹には、きっと命が宿っているなぁ。そして私は、その子を失いたくないんだなぁ、そんな想いに気がついた。

相手方と話し合い。現実を受け止める。

相手に状況を伝え、直接会って話をした。相手方は「今は父になれない」「堕してほしい」とのことだった。心が震えた。色々なパターンをシミュレーションしていた私だが、いざ目の前に最悪のシナリオが現れると計り知れないショックはどうにも避けることができなかった。

私は相手を責めることもないし、否定することもなく、相手が選んだ道を受け止めるだけだった。改めて交際をし直すという案も提示されたが、私には一切理解ができなかった。

お腹にできた子を、もうすでに【ここに】いる存在を「なかったことにする」「消す」そんな選択される苦しさと屈辱は、きっと相手にはわからないのだろうし、わかってもらう必要もないと思った。だから私は私の道を歩むし、相手は相手の道を歩むことでもうそれ以上双方が介入する必要は一切ないと思った。

「一人じゃ大変だよ」「子どもが可哀想」の無理解

相手方がまさにそうだったが「一人で育てるの大変だよ」「子どもが可哀想だ」という言葉を浴びせてくることに、私は完全なる「???」状態だった。え、やってみたことあるの?子どもの幸・不幸を親が決められるの?一体何を知っているの???私が一人で育てる決心を、軽々しく決めたとでも思っているのだろうか。

とにかくネガティブな理由付けでマイナス方向にひっぱる思考が私にはさっぱり理解ができなかった。このような反応に、まさかこの令和の時代でもぶつかるとは思っていなかった。一体、何を経験して、どこの情報を元に「大変だよ」と言っているのだろう。そして「大変」だから何なのだろう。私は「大変か」「大変じゃないか」で人生を選択しない。その辺りの価値観からまったく見当外れすぎる。

初めてのエコー、心音と涙。

順番が前後するが、相手方と話す前に病院で妊娠の確認をした。初めての検診では、赤ちゃんの姿は見えなかった。しかし、「赤ちゃんのお部屋があります」ということだけはわかった。まだ、実感はなかった。

私の通っているクリニックの先生はとても私の肌に合う距離感と言葉のセンスで、とても安心をさせてくれる。そして話がはやい。一人で産むことに対してもとても親身にアドバイスをくれた。無理をしがちな私は、きっと何を言われても無理をするんだろうけど、近い目線で話せる人が担当をしてくれるのは本当に心強い。(このあと分娩の病院で最悪な助産師さんに出くわす話は後ほど)

そして2回目の検診で、赤ちゃんの心音を確認した。エコーにカーテンで仕切られた私は、先生の「これが心音ですよ」という言葉に「はい」と返事をしながら、誰にも気づかれないように涙した。よくわからないけど、これが嬉しいのか安心なのか驚きなのかわからないけど、得体の知れない感動みたいなものが、私の内側から溢れ出してきた。

つわり、精神との戦い

妊娠をしてからも、妊娠前と変わらないペースで働きたいと思っていた私だが、圧倒的に無理だった。平気なふりすらもはやできず、自己嫌悪に陥る最悪な妊娠初期を過ごした。みんなに心配されるのもいやで、健全な私でいたくて、それに反して心はズタズタで、体調も悪すぎて、どう抗おうとも抵抗できないつわりという波に乗りまくっていた。

これはもう「時間が解決するのを待つ」しかない。本当にそれしかない。戦って解決する術はない。日に何度も「死にたい」と思い、そんな自分に嫌気がさし、そして今まで通りに振る舞えない自分は「社会的に価値がないのでは」と心配で心が疼いて病む。めんどくさい症状だが、これがつわりとしてやってくるからホルモンのパワーは恐るべしである。

妊娠5ヶ月の今。コロナウィルスと私。

つわりは本当に時間が解決してくれた。おかげさまで超元気なウルトラキュート妊婦を目指して生きている。つい先日までは自分に課した業務の重さに野垂れ死んでいたが、その闇も抜け、とっても元気な4月。を迎えるはずだった。

ここへきて新型ウィルスの大問題が勃発しまくっている。私たちはこれからの世界、どう生きるのだろう。これまであまりに仕事に注力しすぎて、出産・育児の準備をしてこなかった私は、この2日でだいぶ情報収集ができたように思う。外に出て買い物ができないから、インターネットで最低限のものを買い、あとは近しい人たちからおさがりを譲り受けようと思っている。

今日のところは、この辺で。もうすぐ胎動を感じられるかな、と日々お腹を触り、声をかけ、今しかないこの時間を慈しんでいる。大切な時間を、そのまま大切に過ごさせてください。次回、また私が得た情報や考えなどを記録していきます。


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