コロナ元年に家を建てる #23
外構工事
内装工事もだいぶ佳境に入ってきたところで、最後に行われることが多い
「外構工事」が始まります。
「外構工事」とは、敷地内における家の外側の工事一式のことを指します。
上の図面の中でいうと、水色に囲まれた部分で、塀や駐車場、犬走りやアプローチの土間床、植栽などです。
今回、植栽は別でお願いしているので別でじっくりご説明するとして、、
駐車場、アプローチの土間床などをメインで今回はお伝えしていきます。
駐車場とアプローチの床は、土間コンクリート金ゴテ押えという仕上げで見た目は左官工事のところでも少しお伝えしていたモルタルとほぼ同じなのですが、微妙に混ぜているものが違います。
コンクリートを流し込んでから、固まる前にコテで押さえながら全体を平滑に仕上げていくものです。
床のサイズは、図面で記してはいるのですが、最終現地で現場の状況などを考慮しながら、工務店さんや外構屋さんと細かい寸法を確認して決めていきます。
サイズが決まると、写真のように糸を張って正確な場所を出し、コンクリートを流し込む準備を進めていきます。
コンクリートは駐車場全面に敷いていくのですが、最初にご紹介した図面には真ん中辺りに縦に真っ直ぐラインが入っているかと思います。
これは、「目地」といってここで一部コンクリート同士にスキマを作って、縁を切っているのですが、これにもちゃんと理由があります。
もちろん、コンクリートを継ぎ目なく全面に敷くことも出来るのですが、コンクリートは時間が経つと、環境の変化や車や人が通って動くことによって必ずと言っていいほど、「クラック」と呼ばれるヒビ割れが発生します。
この「クラック」が発生したときに、他の箇所へのクラックを抑制するためにこの「目地」が活躍するのです。
もう少し詳しく説明します。
例えば、どこかで「クラック」が発生するとします。
一箇所、クラックが発生するとそこが弱い場所になるので、そこからクラックが広がりやすくなってしまい、一体でコンクリートを敷いていると全体に広がっていく可能性が高くなってしまいます。
ただ、どこかで目地を入れて縁を切っていると、クラックが広がっていってもそこで一度途切れることになるので、全体に広がっていくことを阻止することが出来るのです。
設計するときに、どうやって家にアプローチしていくか、どう演出するかはいつも悩み、たくさん考えるところでもあります。
学校や職場から帰ってきて、リラックス出来る家に着くまでのアプローチは、パブリック(公共)とプライベート(個人)を繋ぐ場所でもあり、ある意味スイッチを切り替える場所でもあると思っているので、どう作っていくか、はとても重要だと思っています。
今回のアプローチは真っ直ぐ入っていくのではなく、クランクさせてエントリーしていくような形状とし、周囲に庭を配置しています。
これは実際生活が始まって感じていることなのですが、木々たちに囲まれながらクランクして家に入ったり、出ていったりすることが実に気持ちいいのです。
クランクさせ、植栽との接地面を増やすことで緑が目に触れる機会が増え、切り替える場所としてはとても良いポイントとなっています。
外構屋さんもなかなか楽しげなおっちゃん達で、無理難題にも楽しそうに綺麗に仕上げてくださったので、外構も大満足の仕上がりになりました。
最終の電気仕上げ
内装の方の仕上げも少しだけ、
だいぶ前に電気工事のことに触れていたと思うのですが、電気屋さんが工事に入るタイミングは大きく2つ、壁が貼られる前の配線工事と壁が仕上がってからのコンセント・スイッチプレートや照明器具の取付工事です。
よく使われるコンセントは縦長のものが多いと思うのですが、家具用とか巾木用とか言われる横長の小さなコンセントを使っています。
これを通常より少し低めの床から10㎝程度の場所につけ、あまり目立ちすぎないようにしています。
同様にスイッチプレートも通常では、床から1.2m辺りに付いていることが多いのですが、床から90㎝の少し低めの場所に設置しています。
これにも理由があって、通常より少し低めにすることで、目線から少し外れる高さとなり、スイッチがあまり目立ち過ぎないような印象になります。
スイッチが低いと使いづらいのでは・・??
という、不安もあるかと思うのですが、意外とそんなこともなく、通常の高さに慣れていると最初は低く感じるのですが、慣れてしまうとこれぐらいの高さの方が使いやすかったりもします。
壁につけた小ぶりなブラケット照明も可愛く納まってくれています。
最後に大工さんのいいお仕事のご紹介だけ、
フローリングの中で一部、半円に切り欠かれたところがあります。
これ、何だと思いますか??
実は、これコンセントなんです。
この半円の穴に指を入れて持ち上げると、ここだけフローリングが蓋のようになっていて、この蓋を開けると掘り込まれた床の中にコンセントが隠されているのです。
「この辺にコンセントを作りたいんやけど、壁が全然なくて設置出来ないので、床にコンセントしたいんです。ただ、既製品の床付けコンセントだとカッコ良くないから、床を掘り込んでこんな形状のコンセントを作れませんか・・?」
と大工さんに相談したら、すぐに
「オッケー、やっとくわ!」
と気持ちの良い返事をもらって、この仕事。
いつもありがたいです。
#24につづく・・
STUDIOMONAKA
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