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本を読むための気持ち
大学生の頃、ネイティブスピーカーの先生、ナンシー(仮名)が言ってた言葉をたまに思い出す。
私は英米文学を専攻科目にしていたのだが、必修の授業の中で《Reading》という授業があった。
名前の通り、課題の文章を読んで、その内容に沿って授業を進めていくもの。国語のような感じ。
文章もロミジュリとかメジャーなものだったり、ニューヨークには《ビッグ・アップル》というニックネームがあるんだよ〜とか説明寄りのものだったり、個人的には知識にできてよかったなと思えるものが多かったと思う。(だいぶ忘れちゃってる気もするけど)
そして、そのメインの授業内容とは別に《2週間で英語の本を1冊読んでくる》という課題もあった。
最初の授業で、図書館にある、英語で書かれた本のコーナーに案内され、そこから1冊選んで2週間後にどんな内容だったか、どう思ったかを1人ずつ1〜2分くらいで説明するというもの。
本といっても多くて50pくらいの薄めの本。そのコーナー一帯を占めていた本たちは、出版社によって《easy》から《difficult》までレベル分けされていた。
「最初は《easy》からはじめて大丈夫よ」
とナンシーが言っているのを見て、ほっとしたのを覚えている。
英語学習のレベルが高くなかったので、入学当初からビクビクしながら授業に参加していた私はこの言葉にだいぶ救われた。
だけど、その後の言葉にはもっと力があった。
「本を選ぶ時だけど、少し読んでみておもしろくないと感じたら次の本に進みなさい。おもしろくないと思う本を最後まで読む必要はない。時間が勿体ない。」
小学生の頃からずっと漫画は読んできたけど、1冊丸々読めた活字の本は20冊にも満たないと思う。
だけど本屋さん、図書館、図書室という場所は大好きで、本はそれ以上に手にしてきた。
表紙に惹かれたり、友達や好きな芸能人のおすすめだったりで、読んでみたいという気持ちで本を取ることは確かにあった。
だけど、手にしたときに中身を確認するという作業は省いていた。
きっと本が好きな人たちは自分で気づくんだろうな。というかみんな普通にしてることなのかな。中学生の頃の私にも教えてほしかったよ。などとその時思ったが、きっとその頃の私は『乙男』や『あやかし緋扇』などの少女漫画に夢中で聞く耳を持たなかっただろう。
いま思うと、自分が読みたいものを選ぶとき、大体が漫画で、中身を確認して選ぶようなものではなかったからそういう習慣がなかったのかもしれない。(最初にすきな作品に出会うのも大体月刊誌で、その後に単行本を買うことが多かったし)
それでも高校生の頃とかは、たまに、本を読まなきゃ!という気持ちになって、図書室で純文学や近代小説などを借りた時期もあった。
だけど、それらは大抵開かれることはなかった。
どんな内容かも分からない、分厚い、家に持って帰るのが重い。
でも頑張って本読んで少しでもまともにならなきゃ…。林修もテレビで本を読まない人間はきらいって言ってたし……誰かに確実にきらわれてるんだと思いながら生きてくのもいやだし………。
我ながら思春期だったなとも思う。
ちょっと自分に課せている部分もあった。
その頃は特に、真面目と怠惰の都合のいい矛盾2段構えで生きていた。
勉強を頑張らなきゃ!
だけど娯楽にどっぷり浸かってもいたい…。
定期テストという悪魔によって、それらを幾度となく繰り返す日々だったと思う。
そして読書に関しては毎回、怠惰な面が勝利していた。
もう少し詳しく説明すると、怠惰というよりも、自分を確実に楽しませてくれる漫画に、必死に向き合っていた。その時間を減らすことができなかったのだ。
でもきっと、ナンシーの《おもしろくないと思う本を最後まで読む必要はない。時間が勿体ない。》というのは、活字の本だけじゃなくて、何事にも通ずることなんだろうなとも思う。
心が跳ねたら、それを追えばいい。
楽しくない時間よりもその時間の方が大切。
活字の本を読まなくて、間違った表現をして恥をかいたり、難しい漢字の読み方が分からなかったり、話についていけなかったり、林修と上手に会話できなかったり、これからそんなことも起きるかもしれないけど、それが《おもしろいと思うものに時間を費やす》ということだと思えば、少し肩の力が抜ける。
あとがき的なもの
なんか結局ナンシーの言葉を都合のいいように解釈してる気もするね。ごめんねナンシー。
でも、今でもたまに図書館に行って、小説の最初らへんのページを読んだりしてるよ。
それで、村上春樹の『ねむり』は、最後まで読めたし。(短編小説だけど)『ノルウェイの森』とか他は一切読んだことないけど。
あとがきに、
《この作品は他作品よりテンションが高め》
的なことが書いてあって、他作品について何も知らないのに、だから読みやすいのか〜とか思ったよ。
これでテンション高めなのか………!
とも思ったけど。まだまだ未知な世界だ。
ヘッダー的なやつは自分がときめいたものを使用させていただいてます。
油絵ってずっと気になるけど、道具とかではじめるハードルが10mくらいあってなかなか越えられない。どなたか油絵の道具、厳しければ10mくらいのハシゴを貸してください。
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