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8.勘違いされている介護とお金の話

前回、利益の必要性のお話をしました。

▼前回の記事はこちら▼

https://note.com/m_mikamo/n/n9a2a10acc461

福祉業界では、お金の話を嫌う方が多いように思います。
たぶん、それは介護を慈善活動のように捉えているのでしょう。
その気持ちも分かります。
目の前の利用者様を助けている行為がお金で計算されるのはなんだか複雑な気持ちになりますからね。

介護にお金の話はだめなのでしょうか?
お金の管理① https://note.com/m_mikamo/n/n87f0e2443e5a
で、お話した内容を深堀りします。

慈善活動と勘違いする
もし、あなたがボランティアで介護しているのであれば、慈善活動として捉えても大丈夫です。
なぜなら無給だからです。
あなたは好意で介護をしてるから、そこにお金の話は似つかわしくありません。
しかし、給料をいただいているのであれば話は別です。
それは慈善活動でも何でもないです。
あなたが行っている介護は利用者様のためでもあるけど、「あなたが生活していくため」でもあるのです。
なのに都合の善し悪しで「介護は慈善活動」と言ったり「給料が上がらない」とぼやいたら、それはおかしな話です。
給料をもらっている以上、介護は慈善活動ではなく仕事だと認識しなければいけません。
それには、給料について話す必要があります。

利用料が給料になる事を知らない
勘違いされているのか、本当に知らないのか、又は知らないふりをしているかは分かりませんが、利用者様の利用料が職員の給料になっているとあまり感じていない節が見られます。
たとえば、利用者様が減ったとしても危機感を感じない等です。
これは、職員が時間でお金をもらっているからです。
またもやラーメン店で考えてみましょう。
スタッフに入ってくるお金(給料)は働いた時間に比例します。
では、ラーメン店に入ってくるお金はどうでしょうか?
営業時間に比例するでしょうか?
違いますよね。
ラーメン店に入ってくるお金は 食べられたラーメンの数に比例します。
食べられたラーメンの数が多ければ多いほどラーメン店の売上げは上がっていきます。
ここに大きな問題があるのです。
スタッフは8時間仕事をすれば、たべられたラーメンが多かろうが少なかろうが給料になんの関係もないのです。
さてそれでいいのでしょうか?
基本的に会社にあるお金から給料が支払われます。食べられたラーメンの数が少なかったら給料を払うことはできなくなるのです。
ここでスタッフは権利を主張します。「8時間働いたのだから、給料をよこせ。」と。
これは正当な主張です。
しかし、ないものは出せないのも事実です。
では、どうすれば一番良いのでしょうか?
それはスタッフがラーメンを多く売れば良いのです。
デイサービスではより多くの利用者様に利用してもらわなければいけないのです。

採算度外視なサービス

お金のことを知らないと利用者様からもらうお金以上のことをしてしまうケースもあります。
これはすばらしいことなのですが、度が過ぎることがあるのです。
たとえばラーメン店で1,000円のラーメンなのに2,000円の具材を使っていたらどう思いますか?
「しっかり原価計算をして出さないと店が潰れるでしょうが!」って思いますよね?
しかし、そのようなことが介護では往々にしてあるのです。
これはお金を意識していないのが原因なのです。
だから過剰サービスをしている施設が本当に多いです。
利用者様にとってはうれしいことですが、施設にとっては先ほどのラーメン店と同じで良くありません。
原価計算まではしろとは言いませんが、売上高や経費、利益などある程度の数字は把握をし、職員と話をするべきです。

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今日のまとめ
介護の仕事をボランティア活動と捉えない。
給料は利用料金の量で決まる。