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角が落ちる季節に

あと数日で多分いつも体の周りを覆っている皮がずるりととれるようになる

アカオニ族の特徴になっている角のような頭の上に大きく突き出している部分とワニの皮のようにゴツゴツしたからだのカバーが消えるのだ

脂肪や血液などはその覆いの下にはないはずにもかかわらず、一か月血を吐き続けるとその覆いの勢いがなくなり

血を吐き続けるということと引き換えといってもいいぐらいに、きれいさっぱりと体が軽くなる、なぜ一か月も続けて毎日ごてごてとした血を吐き続けなくてはならないのか突然やってくるその意味はわからなかった、あまりにも吐き出す量が多すぎると魂が体から飛び出てしまうらしいがまだ大丈夫のようだ、血が飛び散らないように気をつかうことにはゲッソリとする
今もこんな狭い場所でビニールにだ

ゲッソリした頃になるとああ終わりが近いなとわかる、人間でゆうところの中年の脂のった体が消えるのは爽快だった


爽快になったついでにいつものようにガツガツとあらゆることに飛びつく

ことができたらよかったのだが


やはり一年に一度とはいえ、一か月分毎日の大量の血を失うということは相当なダメージが体にはあるらしく回復までの間なんとか刺激の少ない場所で回復を待たないといけないのだった


ガタガタと振動に揺られながら、隙間から時折みえる亜里沙の肩に彫られた模様の数が増えてるとつらつらと眠りに落ちた