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KPTで片づけを振り返る(36)

これまで、整理と収納の仕方をお話してきました。これを、箱単位で、1日3時間を上限に、繰り返します。そして、作業が終わったら、最後5分間は「KPT」で片づけを振り返りましょう。

皆さんは「KPT」という言葉を聞いたことはありますか? IT業を中心に導入されている、業務ふりかえりのフレームワークですが、実は片づけをはじめる際の目標立てにも役立ちます。 

KPTとは

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KPTは、Keep・Problem・Tryの頭文字をとったものです。

①Keep      : 良かったこと
②Problem   : 悪かったこと
③Try      : 次に挑戦すること

定期的に業務を振り返る際に便利なフレームワークです。私の勤務先でも、四半期に一度のペースで、KPTを行なっています。

例えば広報チームの仕事では、

①Keep:報道関係者向け資料のクオリティが上がった、TV・雑誌社とのコネクションができた
②Problem:Webマガジン編集者と会うことができなかった、プレスリリースの数が少なかった

といった具合で、四半期のチームの働きを、メンバー全員で振り返ります。Problemを踏まえて、じゃあ次はどんな四半期にするべきか?というTry(目標)を立てるのです。例えば、

③Try:Webマガジンとのコネクションを3倍にする・プレスリリースを月1本発信する

といった感じです。ここで重要なのは、③Tryは必ず②Problemの延長線上に成り立ちます。まず振り返りをしてからでしか、目標は立てられないのです。現状の反省を活かさず立てた目標は、思いつきで的外れになるからです。

記入するのは、ノートでも、スマホのメモ機能でも構いません。ちなみに、2人以上でやる場合は、紙+付箋があると便利です。

Keep, Problem, Try 3点をまとめておくことで、次回の片づけで何に手をつければいいのか明確になり、スムーズに片づけを続けられます。早速、始めましょう。

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①Keep

今日片づけした箇所を、目で見て、やった作業を箇条書きで書いていきましょう。

(例)
・朝、服を選びやすいよう、1軍の服だけをクローゼットに集めた
・ごちゃごちゃして取り出しにくかった靴箱を、全部出して取捨選択し、取り出しやすく収納した

「クローゼットの整理」など、ざっくり書くのではなく、「どのような目的で」「どんな作業を行なったか」を詳しく書いていきます。これを書いておくことで、「この3時間で行なった片づけが、後の生活でどんな効果をもたらしたか?」をあとから、ふりかえることができるのです。

実際、3時間の片づけだけでは、部屋全体には劇的な効果は見られません。写真で撮ってみても、劇的ビフォーアフターは作れないでしょう。

しかし、繰り返していくうちに、確実に「自分が暮らしやすい最適な部屋」に変わっていくのです。 どう変化しはじめているのか記録をすることで、自分自身の達成感を高めると共に、次回以降、何を目指して片づけるといいか、目標を立てやすくなります。

リビングなど、大きい範囲に着手した場合、3時間では終わらないのが普通ですが、次回の片づけまでに日があると、「どこまでやったのか」、自分でも分からなくなってしまいます。 やったことを箇条書きにしてメモしておくことで、次回、重複した作業をしなくて、すむようになります。

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また、同居している家族に、実際にできたことを、説明して見せてあげましょう。

とくに家族の共有部を片づけた場合には、どういうルールで今後収納をすればいいのか、家族皆に説明しましょう。 

たとえば、カゴにラベルを貼っておくなど、家族皆がルールを守る仕組み作りも、片づけ担当者の腕の見せ所です。 「床に置かずにカゴに入れる」などのルールを家庭内で作り、ルールを破った人は風呂掃除をするなど、全員でルールを守って奇麗を維持できる仕組みを作りましょう。

②Problem

作業が終わった今、改めて部屋を見回りましょう。

片づけは、着手までは腰が重いのですが、一度手をつけると弾みがついて、もっと片づけたくなるもの。 作業直後、気持ちが冷めないうちに、「ここも片づけたかったな」と感じた場所を書いていきましょう。

たとえば、リビングを片づけしていたものの、書類ボックスには手をつけられなかった方は、次回積み残しに「リビングの書類ボックス」と書いておきます。

③Try

片づけは継続が重要です。1日で劇的に大変身するのではなく、少しずつトライして最適化していきましょう。習い事のように、「毎週●曜日に3時間」と、予定を立てて続けていきましょう。

見積もりのステップで、アイテム別に優先順位表を作りました。(写真撮影したものがカメラロールにあるはずです、見直してみましょう)

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これに今回のProblemで出てきた事項をあわせて、次回の3時間で何をやるべきか、精査をしましょう。次回の片づけのテーマが、ここで決まります。「今週は洋服、来週は本、再来週は余裕があるから、キッチンと靴箱」など、3時間の成功体験を繰り返し、納得のいく部屋が作れたら、お片づけは大成功です!

また、Tryでもう1つ、決めてほしいことがあります。「溜まったモノを外に出す」作業の段取りを決めることです。片づけて、せっかく快適になったはずの家ですが、ゴミ処理がすまない限りはスペースも気持ちも晴れないままです。

粗大ゴミなど、指定の日付を待たなくては進められない作業もあり、意識して予定を立てないと、いつまでも部屋にモノが残り続けてしまいます。モノを外に出すための作業チェックリストを作り、いつまでにやるかを決めましょう。ゴミ出しの日は、カレンダーでリマインドを入れておきます。

「クリーニングに持っていく」「取れたボタンを修理する」など、使うまでにアクションが必要なモノは一つにまとめ、1週間以内になんとかできるよう、スケジュールまで決めてしまうのがいいでしょう。

「売る・譲る・寄付する」モノについては、「3週間以内に家から出せなかったら強制的に捨てる」と期限を決めて、必ず部屋の外に出すようアクションを取りましょう。

作業チェックリスト
・ゴミ捨て(燃える・プラスチック・びん、カン・紙・段ボール・危険物)
・修理する
・粗大ゴミに出す
・クリーニングする
・アイロンをかける
・譲る友人を見つけ、受け渡し手配する
・フリマアプリに出品する
・寄付や地域に寄贈する
・収納サービス(サマリーポケットなど)で集荷する
・売却サービス(ブランディア/ブックオフなど)で集荷する

これで、整理と収納のステップは終了です!お疲れさまでした!!


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