見出し画像

なぜアメリカ人はトランクルームを使うのか(46)

収納の選択肢の一つとして外部収納を紹介しましたが、「お金をかけて外に預けるなんて、もったいない」と思った方もいるかもしれません。実は、日本人は、部屋が狭い上に、外部収納に関しては後進国なのです。

例えば、アメリカ人は全世帯の約1割が、トランクルームを借りています。対して日本人は、0・3%と、ごくわずかです。一方で、アメリカ人は、関東大都市圏と比較し2・6倍もの広さの家に住んでいます。多くの家には家の地下にもストレージを併設しています。

スクリーンショット 2020-01-21 0.52.26

(「2015/2016年版 建材・住宅設備統計要覧」より抜粋)

また、市場規模でみても、日本の800億円に対し、アメリカは4兆円と、50倍ものビジネス規模があることが分かります。アメリカ人は、日常的に収納の一部としてトランクルームを捉えているのに対し、日本人でトランクルームを使うのは、海外駐在員など一部の人に限られています。

スクリーンショット 2020-01-21 0.53.14

(リフォーム産業新聞「国内トランクルーム市場、500億円超に伸長」より抜粋)

アメリカ人がトランクルームに親しんでいる理由は諸説あり、サービスが始まってからの歴史が長いから(アメリカは40年・日本は10年)という説もありますが、私は「アメリカは地方から都市部に移住した際の、部屋の大きさの格差が激しいから」という説がしっくりきています。

皆さんもイメージがあるかと思いますが、アメリカの地方は、土地が広大です。幼少期を大きな一軒家で過ごした方が、大学進学や就職で、ニューヨークやサンフランシスコなどの大都市に移り住んだ際、部屋の大きさのギャップに驚くことでしょう。また離婚率も日本と比較して高く、パートナーと別れて都心に移住した際の荷物の扱いに困って、トランクルームという手段をとります。

「トランクルームは高い」というイメージがあるかと思いますが、アメリカでは月額1000円程度で利用できる、宅配型トランクルームサービスが急激に伸びています。日本の従来型トランクルームは、最低でも月額8,000円の賃料に敷金礼金が別途かかり、一部の富裕層以外は縁のないものでした。最近はサマリーポケットなど、アメリカと同様に宅配型トランクルーム市場が盛り上がりつつあります。東京都の家賃と面積比較しても、家に置いておくよりお手頃な価格のため、収納スペースの一部として普段使いできる身近なものへと変わりつつあります。

あなたが愛するモノは、段ボール何箱分でしょうか?10箱分あったとしても、月額2500円で外に預けることができます。モノへの愛を守りながら、自宅も快適に過ごしたい、都市在住のアメリカ人は、トランクルームサービスを使っています。あなたももし、モノの管理に困ったら、選択肢の1つとして考えてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?