ブランディングの科学

編集長の推薦図書「ブランディングの科学」 #今週のマーケ本

皆さんいかがお過ごしでしょうか。靴磨くマーケターの小東です。

先日、大学時代のサークル活動で仲の良かった女子3人と九段下でご飯を食べていました(女性が7-8割在席する学部でした)。

すると「彼女げんき?」「いつ結婚するの?」「長続きする秘訣は?」といった質問ラッシュが。年齢も24-5なので、皆そういうことが気になるんですね。

私はパートナーと付き合ってもう6年目、元バンド仲間として知り合って11年目くらいなので、ぶっちゃけ恋愛のワクワクする感情はとうの昔に押し入れにしまい込んでしまった感じがして。

どちらかというと、いつ籍入れてとかいつ子供産もうかとか、式はどうするかとか、リアルな事象にどう向き合うかばっかり最近考えてたな。反省。

・・・

社会人コミュニティでは「編集長の小東さん」「革靴のこひさん」という認識がされていて、すごいクリーン(?)な感じ。

一方、大学コミュニティでは「彼女と長続きしている小東」「恋愛相談に乗ってくれる小東」というブランディングが何故かできています。なんで??

身の回りの人に何を日々発信して、どう受け取られているのか。

今回は企業のブランディングについて、最新の企業事例をもとにがっつり研究した本「ブランディングの科学(バイロン・シャープ)」のご紹介です。


■本の要点

本の趣旨を私なりにまとめると、こうなります。

・従来型のSTP、差別化、ヘビーユーザーの特定などのマーケティング手法は間違っている(結構強めな指摘w)

・マスマーケティングを行って認知を取り、マーケットシェアを最大化。ブランドの独自性を打ち出しながら、ライトユーザーもしっかり獲得していこう

結構まとめるとあっさりしていますが、内容は事例や統計データ満載のまさに「科学」。説得力ありそうなポイントを3つ掻い摘んで紹介します。


■ポイント①:ダブルジョパディの法則、リテンションダブルジョパディの法則

・マーケットシェアを広く取れば市場浸透率(顧客数)も購入回数も最大化する。一方、シェアが取れないブランドは顧客数も購入回数も伸びない二重苦を味わう(かつ、離反率もシェアに紐づく)。

⇒ マーケットシェアの高いブランドこそ、ロイヤリティが高い(そのためマスマーケティングによる認知獲得は重要)


■ポイント②:2:6の法則、購買行動適正化の法則、顧客類似・重複の法則

・あらゆる業界でも、ブランドの平均利用回数はヘビーユーザーが平均を押し上げている。そのせいで隠れがちだが、年に数回しか使わないライトユーザーが本来大多数を占めている

・また「2:8の法則」も普及している概念だが、実際にブランドの売上を担う20%のヘビーユーザーの売上貢献額は全体の半数超(60%)に過ぎない。

・加えて、どのブランドも一般的にある一定期間でヘビーバイヤーが買わなくなり、ライトバイヤー・ノンバイヤーが買い始めるサイクルが回っている

・かつ、特定ブランドのみを買う顧客は少なく、シェアが多いブランドの顧客ほど、別のブランドも購入している

⇒ ライトユーザーに振り向いてもらい、新規顧客獲得していく必要がある(ヘビーユーザーだけを見続けてはダメ)


■ポイント③:差別化よりも「独自性」:USPより、UIC

・顧客はブランド同士の違い(差別化ポイント、USP)を分かっていないし、気にしていない。顧客層も似てくるし重複購入もする。

・差別化よりもブランディングによるセイリエンス(認知しやすさ)が重要

⇒ 色やロゴ、キャッチフレーズや、シンボル、セレブリティ、広告手法など、識別記号としてのブランディング(=識別性、UIC)を徹底しよう

⇒ ブランド資産の強さ = ユニークさ × 認知の広さ


■まとめ

今回の話をもとに、企業のブランディング担当者という視点でまとめると下記になります。

・①競合との違い・差別化を意識し過ぎず、自社ブランドの独自性の打ちだし方と消費者の受け取り方を考え始める

・②STPなど市場を分割して自社がフィットする(ときにニッチな)領域を探す従来型のマーケティング思考に待ったをかける。
まずマーケットシェアを取るために動けないか考える

・③その上で差別化ではなく独自性(他社との違いより、「あ、このマークはブランドか」などと識別してもらえるか)を消費者に植え付け、彼らの頭の中でも売り場でも、選ばれる印象付けや準備が必要である

ただ①-②のステップで、社内折衝が大変そう。私もだいぶマーケティングの大家コトラー氏の本をインストールしてきたので、「それ大丈夫かな」とは思ってしまう。

全部鵜呑みにできない怖さがある、けど、なるほど頷ける内容も盛りだくさんの本でした。

・・・

すみません。文末は普段、私の靴磨き記録を紹介しているのですが、

今週は私の靴磨きなんかよりも、ずっと紹介させて欲しいことがあります。

静岡県で靴磨き店を営まれるY's shoe shine(イーズシューシャイン)の杉村さんがイギリスで行われた靴磨き世界大会で、見事優勝されました!

昨晩Instagramライブで見て、夜中叫びました。本当におめでとうございます。私はテンアゲヲタのように喜んでいました。


■ゆるく、ランチできれば


■過去に書いたnote


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