フィクション 【2】

産道からノソノソとじっくりと時間をかけて生まれた紫がかった鮮やかな血色の良いピンク色の赤子は、外界に出て直ぐに母の胸元へと預けられた。


皆が盲目的に与えられる砂糖水を哺乳瓶で飲む前に、母の初乳をチュパチュパと吸った。ミル◯ーはママの味🤣


産まれたその日から、いや、その前から両親の屈託の無い多大な愛情を大量に受けた赤子は、病院の新生児室でも一際目立っていた。


産まれた直後のエイリアンのような容姿は、早々に人間らしい肌の色へと変化し、頭部の形も綺麗なナタリーポートマンの頭のような形に落ち着いていた。髪の色も金と栗色の間くらいの美しい色へと落ち着いた。


親バカな父は、この時一人だけ赤白く健康的で輝かしい肌をし、金と栗色の間の綺麗な巻き髪をした、ひときわ可愛くて目立つ我が子を見た瞬間に、「お前は俺の子だと直ぐに分かった」とよく自慢していた。(我が子が可愛く思う親心と自分最高という自己肯定感の融合の象徴のよう🤣)


母も、まぁ親バカだろう。「あそこであんた程可愛い子はいなかったよ」と、いかに産まれたての赤子が人一倍可愛くて目立っており、他の赤ちゃん達と明らかに異彩を放っていたかを自慢げに語る。(我が子が世界一だと思わない母親には、あんまり会った記憶がない……)


しかし、この赤子は産まれて間もなく下痢で両親から引き離されてしまった。


泣き叫ぶ赤子は、四肢を押さえつけられ、母親は引き離され、赤子は採血や点滴を受けた。


産まれてから〇〇時間とか、数えられるような新生児が初めて遭遇した試練でもあったのかもしれない。現代では、産まれたての新生児が病院で母親から引き離されると生涯のトラウマとなり、人格形成にも影響があることがうたわれて、このような強引な押さえつけは減ったとされている。


こういう風に書くと、大惨事というか、随分と気の毒に聞こえるかもしれない。しかし、当時はこのような対応はcommon practice であり、マイナーな新生児の体調不良は大事には至らなかった。抗菌薬の投与を受けたものの、ただの風邪の可能性もある。


その後、新生児は家族とともに外界に降り立った🤣 現世での冒険の始まり始まり。


次話に続く



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