【5分で読む】新人~中堅ビジネスマンに贈る10つのメッセージ
皆さん、こんにちは。神村です。
今回は、「新人・若手~中堅」のビジネスマンの方々に向け、日々の仕事や日常生活にも活きるメッセージをお届けしたいと思います。
2002年当時、私が役員を務めていた会社で初めて新卒社員を採用して以来、約15年にわたり毎年4月1日は「新入社員に向けての訓示・メッセージ」を伝える日でした。そこで伝えていた内容を本稿でお伝えできればと思っています。
本稿は、4月から晴れて社会人となった1年目の方はもちろん、20代後半や30台前半の方にも有益な内容なので、読んでいただけたら嬉しいです。では本題に入りましょう。
(本稿は「Off the pitch talk 」第74~76回の放送内容のまとめです。今回はインタビュー&文責:神田さんでお届けします)
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新入社員へのメッセージ
結論を先に述べます。私が新入社員に送るメッセージは全部で10個のテーマがあります。(毎年すべてを話していたわけではありませんが、事あるごとにこれらのメッセージを伝えていました。)
ⅰ) 2つの「じりつ」(自立と自律)
ⅱ) プロであれ
ⅲ) 自発的・能動的であれ
ⅳ) 自責であれ
ⅴ) 頭を鍛えろ
ⅵ) 人と比べるな
ⅶ) 真剣になれ、深刻になるな
ⅷ) 謙虚であれ
ⅸ) 利他 私心なく
ⅹ) 志を持て
それぞれ解説していきます。
ⅰ) 2つの「じりつ」(自立と自律)
これだけは毎回必ず新入社員に語ります。私が最も大事にしているメッセージです。
自分で立つという意味の「自立」と、自分を律するという意味の「自律」です。
前者の「自立」は「立ち方(スタンス)」つまり、物事との向き合い方を指します。いわゆる”斜に構える”のではなくて、物事に真っ正面から向き合うことが大切です。後者は自分を律する=自らをコントロールするという意味です。人間だれしも、体調などのコンディションや労働環境でパフォーマンスの良し悪しが多少変わることはあります。しかし、常に一定水準以上のパフォーマンスを出すためには、繰り返し何度も反復することでこの波を小さくすることができるのです。「正しいスタンスと反復」によって、仕事上で自分なりの”型”を習得することが可能になってくるのです。
ⅱ) プロであれ
社会人になった以上、一年目であろうと会社から給料を貰いますよね。会社によっては一年目だからと多少大目に見てもらえるかもしれませんが、私は何年目だろうとプロ同然として扱われるべきだと考えています。その自覚を持てるかどうかが、結果として大きな差となります。プロスポーツ選手だって、一度入団したら、一年目だろうと(たとえ一軍に上がれなくても)プロとしての振る舞いが求められます。ビジネスマンも同じです。逆に「自分は一年目なので何もわかりません」と思っている人は「自分はプロじゃありません」と宣言するのと同義だと認識してください。くれぐれも皆さんはプロの自覚を持って行動して欲しいと思います。
ⅲ) 自発的・能動的であれ
私はよくサッカーに例えてこの話をします。サッカーでは「アクション型かリアクション型」かと言うことが話題になります。言うまでもな相手の出方ではなく、自分たちのやり方を貫くことが大切です。会社・組織についても同様で、社員が積極的に何かに挑戦したり、自分から仕事を取りに行く風土が整えば、自ずと強い組織へと変わっていきます。逆に、気づかぬうちに「指示待ち族」になってしまうことがありますから要注意です。若いころについた悪いクセはなかなか治りません。本当に気をつけて欲しいと思います。
ⅳ) 自責であれ
まさに、読んで字の如くです。 換言すれば、他人や外部環境のせいにするなということです。全ての物事に対し、どれだけ自分事として捉えられるかが大切ですから、まずは目の前の仕事に対して責任感を持って取り組むことが重要です。具体的には、タスクの納期を守る、期待以上のアウトプットを出す、分からないことは質問する等を実践すると良いでしょう。勿論、これは仕事に限らず、日常生活においても人生のキーワードと言ってもいいかもしれません。
ⅴ) 頭を鍛えろ
身体はもちろんですが、頭も常に鍛えていかないとどんどん老化していきます。若くても「頭の老化」は始まります。学生時代には好き嫌いに関わらずレポート課題や試験に備えてインプットする機会がありました。一方、会社においては仕事をすることが主になるので、あえて頭を鍛えろ(勉強しろ)とは言われなくなります。「忙しい」が理由になってインプットの時間が疎かになることも多々あります。上司や先輩に指摘されるまでもなく、世の中の動きや最新事情などにアンテナを張り、インプットする習慣が大切です。インプットする習慣によって、自ら考え抜く力を養うこともできるようになります。特に若いうちは、インプットの習慣として「読書」を強くオススメします。
ⅵ) 人と比べるな
若手の社会人ほど、他人と比べてしまいがちです。私も若いころは、同期のことが気になって仕方ありませんでした。(若くしてMgr昇進していく会社だったので、その順番のことで悩んだり・腐ったりしたこともありました。)
競争意識というのは人間に本来備わっているので、ある程度は仕方ない部分も当然あります。ただ、人と比べた時に陥るケースは3種類しかなくて、”傲慢になる”、”卑屈になる”、”怠惰になる”のどれかです。重要なのは、他人と比べることではなく、自分の実力や立ち位置を把握して、遅くてもいいから着実に一歩ずつ前に進むことです。私自身、二十代前半に人と比べることで悩み苦しんだからこそ、皆さんにも強く意識して欲しいのです。
ⅶ) 真剣になれ、深刻になるな
最近、若手の社会人と接していると、皆さん真面目で素直な印象を強く受けます。それ自体は素晴らしいと思いますが、真面目であればあるほど、つい「自分はダメだなぁ…」とか「何で出来ないんだろう…」と思い悩む傾向にあるような気がします。ですが、あえて語弊を恐れず言えば、所詮は仕事です。私がよく言うのは、「命取られるわけじゃなし」ということです。大事なことは目の前の仕事に真剣に取り組むことです。それによって出た結果はありのまま受け入れればよいのです。深刻になったところで何も解決されません。真剣にやれば、毎日の仕事も楽しくなってきます。仕事が楽しくなれば、きっとあなたの人生がもっと楽しくなるでしょう。
ⅷ) 謙虚であれ
謙虚である大切さは誰もが知ってますし、否定しないとことです。大事なのは、どうすれば謙虚になれるのかということです。私の見解では、傾聴することがポイントだと思います。傾聴するというのは、「心を傾けて聞く」ということです。上司や同僚、取引先、あるいは友人や家族を皆わが師との想いで関心を向けたり、心を傾けることです。すると、自然と話し手から見たあなたの印象もまるで変わってきます。一生懸命、心を傾けて聞いてくれる人に対して、人はより丁寧に親切に働きかけてくれようとします。その循環によってあなたは益々謙虚になれるのです。
ⅸ) 利他 私心なく
「その動機善なりや、私心なかりしか」という言葉があります。私の座右の銘と言ってもいい言葉です。日本を代表する経営者、稲盛和夫さんの言葉です。私もこの言葉に出会った時から、自分に対する利益や都合よりも、他者への貢献(利他の精神)を意識することが圧倒的に増えました。物事の判断の軸になっていると言えます。ぜひこのキーワードを頭の片隅でも良いので、覚えてもらえたらと思います。
ⅹ) 志を持て
私は「夢をもつ」という言葉があまり好きではありません。どこかぼんやりとした、抽象的な表現に感じるからです。なので、もっと自分の意志を強調するような表現として、「志」という言葉を使います。そして、「志とは自分のことだけでなく、社会全体への貢献などを含めたもの」だと考えています。志を持つことで、「自分はこれがやりたい」という自分軸の夢から、もう少し大きな次元で捉えることができるようになると思っています。
中堅社員へのメッセージ
次に、20台後半~30台前半の方(中堅クラス)に向けたメッセージです。この年齢になると、仕事もある程度身についてきて、役職が付く人もいると思います。その意味で、キャリアフェーズが変わるこの時期に意識して欲しいポイントを5つ述べます。
ⅰ) リーダーシップとフォロワーシップ
ⅱ) 社会の流れ・未来予測に敏感であれ
ⅲ) 矢面に立て
ⅳ) 豊かな言葉・表現力を鍛えろ
ⅴ) ライフラインを意識する
では、それぞれについて解説していきます。
ⅰ) リーダーシップとフォロワーシップ
中堅社員になると、上と下の両役職の人と密に接する機会があります。ですから、常に自分が良きリーダーであり良きフォロワーであることが大切だと思います。リーダーシップ・フォロワーシップどちらかだけでは本当の意味で信頼を得るには不十分です。常に両方を高める意識を持ち、様々な本や尊敬する先輩の姿を通して自分を磨いていって欲しいと思います。
ⅱ) 社会の流れ・未来予測に敏感であれ
端的に言えば、「世の中の流れに逆らわない」ということです。例えば今、新型コロナが流行していますが、コロナを無視した経営・仕事は社会では成り立ちません。流れに逆らうというのは、苦労が多いばかりでなく時には破たんにもつながります。それぞれの時代・環境変化に適したビジネス姿勢が一層求められていると思います。ですから、ただ単に流れに身を任せるのではなく、未来の社会はどうなるか?ということに敏感になりましょう。前述のインプット習慣によって、感度を高めることができるでしょう。
ⅲ) 矢面に立て
中堅社員にとっては、これが一番大事かもしれません。ある意味、人格形成にも通じる話だと思います。「矢面に立てる人間」になるには、自分の責任範囲かどうかとか、ましてや個人の損得などを度外視する腹の座り(胆力)が必要です。似た表現として”責任を持つ”とか”リーダーシップを発揮する”という言葉もありますが、個人的には”矢面に立つ”という表現が一番しっくりきます。どれだけ普段は良いことを言っていても、いざという時に、
難局に立ち向かわず逃げてしまう人を沢山見てきました。皆さんは、批判を恐れず矢面に立つ勇気を持ち合わせて欲しいと思います。
ⅳ) 豊かな言葉・表現力を鍛えろ
20代の後半にもなれば、それなりの言葉使い(正しい敬語とか、言い回しなど)はできるでしょう。そこで満足せずに、一歩進んで豊かな表現力(ワードチョイスや喩えなど)を磨いていって欲しいと思います。
相手の理解度に合わせた文章・単語を選ぶ能力もそうでしょうし、
心に響く言葉を選ぶというのも大事なスキルだと思います。質の高いコミュニケーションを意識することだと言ってもいかもしれません。また、 話す内容だけでなく、間の取り方や声のトーンなどにもこだわることで、落ち着きや品格のあるコミュニケーションができるようになるでしょう。
ⅴ) ライフスパンを意識する
人生100年時代と言われて久しい現代社会ですが、時の流れというのは年齢を重ねるほどに速く感じます。(私もここまであっという間でした!)長いようで短い社会人生活ですから、今この瞬間を全力で走り抜ける気概があるか無いかで日々の成長曲線が雲泥の差となります。大袈裟かもしれませんが、自分の残りの人生(ライフスパン)で何を成し遂げるのか、それを若いうちから逆算すると、何歳までに何をすべきか、どうなっているべきかが見えてきます。抱いた志を具現化するプロセスとして、ぜひ実践してください。
まとめ:長い目で、継続的に改善しよう
学生から社会人になるというのは、 会社に入るのと同時に社会に出ることを意味します。「会社 = 社会」ではありません。会社はあくまでも社会の一部にすぎません。ですから、「会社で通用する人間になる」のではなく「社会で通用する人間になる」という視座で物事をとらえ、大きな世界の中で自分を磨いて欲しいと思います。今回紹介したポイントを最初から全て完ぺきにこなすことは非常に難しいでしょう。焦らず、一つずつ日々の行動の中で意識化していくことが大切です。
また、本稿のポイントは必ずしも仕事や職場に限った話ではなく、皆さんの生き方そのものに通じることだと思っています。
よりよく生きるためのキーワードとして捉えて頂ければよいでしょう。
(文責:神田)
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