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【エッセイ】美味しいお酒が飲める季節

年末年始というと、忘年会からの新年会と賑やかなお酒の場が続く。

そんな風にいうと、まるで年末年始以外はそんなに飲んでいないかのように聞こえるが、別にそういうわけではない。

楽しく飲めるお酒は、いつ飲んでも美味しい!
そりゃそう。

年末年始は、懐かしい顔が集まって飲む機会が多いので、より美味しく感じることが多いというだけの話である。

職場の同僚、昔の同級生、かつての教え子…。

常日頃から顔を見ている相手でも、半オフのような状況になる食事の場だと、いつもより砕けた話ができる。…少なくとも、私はそういうテンションで臨める場にしか顔を出さなかったということもあるだろうけれど!

どこであっても、普段ゆっくり話す時間がないこと、聞いてみたかったけどタイミングを逸していたことなどの答えを得られる貴重な場であった。

特に、仕事界隈のお話だと、お酒の力を借りないと話せないこともあるよねえ…?

私は人を頼ることがあまり上手くなかったので、そういった点でもお酒はありがたかった。笑

そんなわけで、出不精かつ気まぐれな私だが、それなりにお酒の場は楽しんできたと思う。
…酔っ払いのだる絡みみたいなものは、今も昔も変わらず大嫌いだけれど。


教え子と飲む機会なんて、本当にたまらない気持ちになる。

あの!わちゃわちゃしていた!教え子と!なんて、いちいち感情がジェットコースターに乗ってしまう。

一緒にお酒を飲むということは、つまり、相手が飲める年齢になっているということ。

何度その場を体感しても、言葉にしきれない不思議な感覚がそこにはある。
過去と現在が交わる瞬間に、気持ちが一気に酔う。
それはもはや感動に近い。

数年前では、想像しきれなかった「いま」がある。
そうなればいいな、こうありたいなと思い描いた未来に自分がいる不思議。

教え子たちはみんな、各々の人生を歩んでいる。
私の知らない世界を景色を、それぞれに持ち寄り見せてくれるような、何にも変え難い貴重な時間。

十人と会えば、十通りの人生を見ることができる。

それを、数年前からの成長を目の当たりにしながら飲むお酒の美味しさは、筆舌に尽くしがたい。


とはいえ、飲んだ後に気分が悪くなったり、きちんと安全に家まで帰ったりという点が気にかかって、外で「酔った」というほど飲むことは滅多になかった。

恐らくそんなに弱くないし、場に酔うことも難しくはなかったので、困ったことはないのだけれど…。

そうなると結局、一番美味しいお酒を飲めるのはどこかというと自宅になるのがお家大好き出不精のサガである。

個人的には日本酒が一番好き。
家でお刺身とか塩辛とかをアテにして、後先考えずに(それもそれでどうなんだ?)ゆっくり飲む時間は至幸である。

そんなことを考えながら、いま私は冷蔵庫に入っているサングリアに思いを馳せている。

美味しいんだよなあ、あれ!

飲む前のワクワクする時間も含めて、いい時間だ…!

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