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来年は青色申告で『節税』しよう!と思ったら申請は今年の3月15日までです!

こんにちは。
メタップスHDでre:shineと人事労務を担当しているフリーランス・イケダ(@m_ike)です。

確定申告期限まで後12日ですね。
現在『白色申告』を選択されていて「もう申告済んだよ!」という方、「書類作成真っ最中だよ!」という方(まだ手つかずの方も)、もっと控除額増やせないかな? 赤字になる年もあるのに、これって何か手だてはないのかな?と考えることありませんか?

そんな方に、次回は白色申告から『青色申告』への切替えませんか?というお話です。青色申告は事前申請が必須で、申請期限は確定申告期限と同じく3月15日(金)までなので、今回のnoteは見逃せませんよ!



フリーランスとして頑張っているけど、思ったより仕入れや経費は多くないし、税金の支払いが負担💰 青色申告にすると控除額が増えるらしいけど、なんか大変そうだから白色のままでいいかな……🤔

まずは、青色申告にすると、どんなメリットがあるか見てみませんか?

青色申告のメリット

今回も、税務相談チャットボット(ふたば)に聞いてみました🌱

質問✋「青色申告のメリットってなんですか?」

青色申告は、不動産所得、事業所得、山林所得のある方が、一定の帳簿書類を備え付け、かつ税務署から承認を受けている場合に、所得金額の計算などについて主に次のような有利な取扱い(特典)が受けられます。

・ 所得計算で最大65万円を控除できます(青色申告特別控除)。
・ 所得が赤字の場合、その赤字(損失額)を翌年以降3年間繰り越して、翌年以降の所得から差し引く(純損失の繰越控除)ことができます。
・ 青色事業専従者へ支払った給与を必要経費に入れて計算できます(青色事業専従者給与)。

国税庁_税務相談チャットボット

この他にも、少額減価償却資産の特例や、貸倒引当金の計上ができるなどもメリットに挙げられます。
イケダも気になっているメリットを、もう少し細かく見てみると👀

1.青色申告特別控除が受けられる

次の要件を満たすことで、最大65万円の控除を受けることができます。

①55万円
事業所得や事業として行われている不動産所得がある方のうち、次の要件を満たしていること。
・複式簿記による記帳
・確定申告書に賃借対照表および損益計算書を添付
・確定申告を法定申告期限内(3月15日)に提出

②65万円
①の要件のほか、e-Taxによる申告(電子申告)または優良な電子帳簿保存の要件※を満たしていること。
(※優良な電子帳簿の要件を満たした電子データによる備え付けおよび保存を行い、一定の事項を記載した届出書を法定申告期限までに提出する必要があります。この電子帳簿保存による65万円の特別控除を令和5年分から受ける場合は、令和6年3月15日までに税務署に届出書の提出が必要です。)

③10万円
①および②以外の青色申告者

国税庁_65万円の青色申告特別控除を適用しましょう

優良な電子帳簿の要件を満たすのは、ちょっとハードル高そう🤔と感じたら、確定申告をe-Taxで行って最大65万円の控除をゲットしましょう!!

⚡ただし、65万円・55万円控除要件を満たしていても、申告期限に遅れてしまうと自動的に10万円控除の適用になってしまいますので要注意です⚡


2.赤字を3年間繰り越せる、もしくは前年1年間繰り戻せる

その年に生じた赤字、つまり損失を、翌年以降に繰り越すことができます。

起業したばかりは赤字になることもあると思います。青色申告で損失の繰越しをしておけば、翌年以降、所得が多くなり(黒字)、納税額が増えそうなときでも、過去の損失分を差し引くことで節税が可能になります💰 損失を繰り越せる期間は最長で3年です。

また、損失の繰り戻しも可能です。
例えば、2021年が黒字で400万円の所得があったが、2022年は残念ながら300万円の損失が出てしまった……。
相殺すると課税所得が100万円になるので所得税は50,000円になります。2021年分で実際に納めた税額との差額が『繰戻し還付』により還付を受けることができるのです💰💰

繰越損失の計上の条件は、弥生さんのこちらの記事が参考になります👀

事業を続けていると、年ごとに売上の波があったり経費の多寡も発生したりすると思います。この制度を使って上手に乗り切りましょう🌊

3.減価償却の特例が使える

税務相談チャットボット(ふたば)に聞いてみました🌱

質問✋「青色申告者の減価償却の特例ってなんですか?」

青色申告者は、取得価額10万円以上30万円未満の少額減価償却資産について、業務の用に供した年分にその取得価額の全額を必要経費に算入できる特例を利用できます。

なお、この特例を適用して必要経費に算入できる金額には限度があり、少額減価償却資産の取得価額の合計額300万円まで(※)が限度となります。
※新規開業などで、年を通じて業務を営んでいない場合には、300万円を営業月数(端数切上げ)であん分した金額までが限度となります。

国税庁_税務相談チャットボット

例えば、1台28万円のパソコンを買ったとします💻
通常であれば、28万円の器具備品として資産計上し、パソコンの法定耐用年数4年で割った7万円が、その期の経費となります(毎年7万円ずつ計上)。

ですが、この『少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例』を使えば、全額の28万円をその期の経費とすることができます。結果、その期に納める税金を少なくすることが可能です💰

この特例は令和6年度税制改正で、令和8年3月31日まで延長されました✨

経費を増やして節税ができることは大きなメリットですが、所得額を減らすことになります。つまり金融機関から事業資金の借り入れをするとき・住宅ローンを組むとき等、確定申告書類の提出を求められるような場面では、社会的信用度のマイナス要因として捉えられることがあります。

・購入期の売上がUpしている! 納税額が増えそう😢
・今期の赤字が確定している…… でも、来期は黒字化が見込めているから、2の繰り越し損失と併用すれば、来期の納税額を減らせるかも👀
特例を使う・使わないを上手に選択して、適度な節税につなげてください。

以前のnote記事で、経費の効果的な使い方について書いていますので、こちらも参考にしてください!


4.青色事業専従者給与には上限なし(要・事前届出)

家族に支払った給与を経費にできるのが青色事業専従者給与の制度です。
白色申告にも事業専従者控除がありますが、控除額は配偶者(86万円)、それ以外(1人につき50万円)の上限があることに対して、青色には事前に届出た金額内であれば上限がありません。

📍適用を受けるためには、事前に青色事業専従者給与に関する届出書を提出する必要がある
📍青色・白色どちらの制度も、適用すると配偶者控除や扶養控除が受けられなくなりますので、支払う金額によっては使わない!という選択肢もある
📍金額を多くし過ぎると、配偶者や親族に住民税が発生したり、社会保険料が高くなったりする場合があるので注意が必要

このように青色申告のメリットを受けることで、同じ売り上げでも青色と白色では納税額に差が出ます💰
課税額(所得)が減ると、国民健康保険料も減らせることにもつながります!

⚡せっかく青色申告を選択していても、確定申告期限に遅れてしまうと、節税・社保料節約メリットが薄れてしまうので、ご注意を⚡


青色申告のデメリット

そんなにメリットばかりなの?と思いますよね。では、青色申告のデメリットも見てみましょう。

1.事前の申請が必要

所得税の青色申告承認申請書を税務署に提出します。すでに事業を開始している場合は、3月15日の申請期限を逃してしまうと、もう1年待たなければなりません……📅

青色事業専従者給与の控除を受ける場合も、青色事業専従者給与に関する届出書を提出する必要があります。こちらは3月15日、もしくは新たに専従者がいることになった日から2カ月以内に届出ます。

2.帳簿づけが難しい・作成書類が多い

青色申告では原則、複式簿記で帳簿づけをし貸借対照表や損益計算書の作成が必要となるので、簿記3級程度の知識が必要と言われています。知識がないから無理か……😖とあきらめずに、会計ソフトなどの活用を検討しましょう💻

複式簿記
売り上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売り上げ・仕入れ・経費の金額等を原因と結果の2側面から記録します。
資産増加を示す「借方」を左側に記載し、資産減少を示す「貸方」を右側に記載します。

単式簿記
一つの取引について一つの記録をする方法で、お金の増減を1面から記録します。

3.所得が48万円以下でも確定申告が必要

その年の所得が48万円の基礎控除額を下回った場合でも、確定申告の義務があります。延滞税や加算税などは発生しません。

法改正による影響


やっぱり白色の方が楽かな……🤔と思われる方、ここ数年の法改正で、白色申告者にもさまざまな影響が出てきています。

📍記帳義務・保存義務:2014年1月以降すべての白色申告者に義務づけ
📍電子帳簿保存義務:猶予期間終了により2024年1月1日義務化
📍インボイス制度開始:2023年10月1日より制度開始

青色・白色申告は所得税に関する仕組みで、インボイス制度(免税・課税)は消費税の申告・保存に関する仕組みのため、インボイス発行事業者になったことによる影響はありません。

ただし、インボイス発行事業者になったことで、経理業務が煩雑になり会計ソフトなどを使われる方も増えていることから、青色申告に切替えによるデメリット(帳簿づけや書類作成)は大きくはないでしょう。

📍確定申告書等の控えに収受日付印の押なつの廃止:2025年1月

税務署への直接提出・郵送の場合、来年から受付印の押なつが廃止になります。今後は、e-Taxでの申告がさらに進んでいくことになるでしょう。すでにe-Taxでの確定申告を行っていれば、青色に切替えでプラス10万円の控除の要件は満たしていることになります!


フリーランス向け会計ソフト・確定申告ソフトを検討しよう

青色申告を始めとする確定申告や、各種申請、経理処理をサポートしてくれるシステムは、さまざまなものがあります。

コストパフォーマンスはもちろん、電子帳簿保存法対応、インボイス対応も選択のポイントとなりますね。ご自身でどんな機能が必要なのか、後々利用したくなったときにサービスの追加やプランの切替えが可能か・容易にできるかなども検討要件にしてみてください。

もちろん会計システムの費用は経費にできますよ😊

青色申告の切り替え方法

青色申告に切り替えるには、どのような手続きが必要か見てみましょう。

申請期限

①青色申告を始める年
毎年3月15日(※土日祝の場合は翌平日)
例)2023年は白色申告だった方が、2024年から青色申告に変更したい場合
・2024年3月15日までに白色申告で確定申告を行う
・同じく2024年3月15日までに青色申告承認申請などを提出
 → 2025年春の申告は青色申告でできる!

②新規開業をした場合
業務を開始した日から2カ月以内(1月16日以降に事業を開始した場合)
※1月1日から1月15日の間に開業した場合は、その年の3月15日までが期限になります。
例)2024年4月1日に新規開業する場合
・2024年5月31日までに開業届を提出(開業から1カ月以内)
・2024年6月30日までに青色申告承認申請書などを提出
 → 2025年春の申告は青色申告でできる!

申請手続き

所得税の青色申告承認申請書管轄の税務署に提出します。
※新規開業の場合は、開業届の提出も必要です。

書類の提出方法は、税務署の窓口・税務署に郵送・国税庁の電子申告(e-Tax)を利用するの、3つの方法があります。

e-Taxを利用する場合は、事前にe-Taxの開始(変更等)届出書を提出して『利用者識別番号(半角16桁の番号)』の取得が必須となります。これは即時通知してくれるので、安心してください。

詳しくは、国税庁の『e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーについて』をご覧ください。事前準備開始届出書作成と進んでいけます💻

青色申告書承認申請書類の作成方法(記入の仕方)、弥生さんの記事が参考になります👀

白色申告に戻したいとき

最後に、やっぱり白色申告に戻したい!と思ったときの手続きも見ておきましょう。所得税の青色申告の取りやめ届出書を管轄税務署に提出します。こちらも3月15日が提出期限です。

例えば
今年2024年を青色申告でやろう!と思って2024年3月15日までに所得税の青色申告承認申請書を提出したけれども、やっぱり白色に戻したいな……と思ったら、翌年2025年3月15日(確定申告を提出する日までに)までに取りやめ届出書を提出すれば、2024年分を白色申告に戻すことが可能です。

ただし、複式簿記の帳簿づけが難しいという理由でしたら、青色申告のまま単式簿記で帳簿づけを行い確定申告をすれば、青色申告特別控除10万円をゲットするメリットを残すことができますよ😊



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