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#ガバナンストークン と株式の違いについて考えてみた
先日、以下のようなツイートをしたところ、さっそく次のようなお返事をいただくことができました。
トークンファイナンスはスタートアップ側のニーズがまだよくわかっていません。
— 五十嵐将志@弁護士 |VC組成 |スタートアップ法務 |誹謗中傷対策リーガルテック (@masashiigarashi) April 14, 2022
WEB3起業しようと思っている皆様、どんなトークンを投資家(個人投資家含む)に買ってもらいたいですか?#トークンファイナンス #WEB3 #NFT #クリプト #起業 #スタートアップ
こんにちは!たまたま検索して見かけました!そしてベビロンだ‼︎
— まった (@maztak_) April 15, 2022
どんなトークンを売りたいか…というより、出来るだけユーザー兼投資家という一般の方に投資してもらえないかと考えています。
ALISさんのようなサービス内通貨ではなくて、UNIのようなガバナンストークンで調達をしたく…!
バブゥ! (ありがとうございます!なるほど…不勉強なので今チラッとみた限りでは有価証券ではなくまさに意思決定に関与する権利といったものですね。なら大量に発行しても金商法の問題はなさそうです。)
— 五十嵐将志@弁護士 |VC組成 |スタートアップ法務 |誹謗中傷対策リーガルテック (@masashiigarashi) April 15, 2022
バブゥ?(ユーザーに意思決定されてしまうことについてはウェルカムな感じでしょうか。)
イルゥ!(ですね!33.3%以上の拒否権は持ちたいとのの僕1人の自己満プロダクトではよくない、というか売れないなと…。本来はキャピタルゲインというインセンティブを全員に付与したいって感じです。
— まった (@maztak_) April 15, 2022
ただ本来は上場より配当をインセンティブにした方が健全かもと思い、それだと金商法が…)
バブバブ言っているのはともかく(※1)、ここでさせていただいたやり取りで少し学びがあったので書き残しておこうと思います。
※1:上記ツイで私やまったさんがアイコンにしているアートNFT、Very Long Animals 及び Very Long Animal Babies由来のお約束です。
そもそも株式とは?
株式会社について学ぶとき、繰り返し語られるテーマが
「所有と経営の分離」
です。
株式会社では、
⑴会社の所有持分であるところの「株式」を持っている人、すなわち「株主」
と
⑵会社の経営を行う人である「取締役」
が明確に分けられています。
株主は配当を受け取る権利を持っていたり、一定の重要事項についての議決権を持っていたりします。
他方で、日常的な業務執行を行うことはできません。
日常的な業務執行は全て取締役が行います。
この、会社を所有する人(株主)と経営する人(取締役)が明確に分かれているというのが株式会社というヴィークルの最大の特徴です。
※もちろん、非公開会社のように事実上所有と経営が一致している株式会社も多く存在しています。しかし、いつでも所有権(株式)だけ切り離して譲渡することができますし、経営を他の人に任せることもできます。これは他の会社形態ではできないことです。
ガバナンストークンとは?
次にガバナンストークンについて考えます。
積極的な定義
ガバナンストークンとは一般に、トークンを発行した団体(会社やDAO)の意思決定に参加できる議決権を証憑した暗号化トークンを言うようです。
法律で定義されているわけではありませんので、その内容についてはトークン発行者の自由に設計することができます。
消極的な定義
もっとも、その内容が株式と一緒になってしまうと実質的にも形式的にも無配当株式そのものになってしまいます。
そのため、その議決権の内容は株式のそれとは異なるものであることになるでしょう。
結論
そうすると、株式とガバナンストークンの違いは以下のように整理できそうです。
株式
均等に細分化された割合的単位の形をとる社員たる地位(所有権)
ガバナンストークン
均等に細分化された割合的単位の価値をとる経営者たる地位(経営権)
つまり、ガバナンストークンの発行によるトークンファイナンスとは、経営者たる地位を細分化してお金に変えてしまうという超ドラスティックな資金調達方法なのではないでしょうか!
ガバナンストークンの面白いところ
これの面白いところは2点あります。
⑴所有部分は手放していない
このように理解すると、実はガバナンストークンは会社の所有部分は手放していません。
※仮に会社組織ではなくDAOのようなものであったとしても、持分まで含めてしまうとそれはもはやただの組合持分なのでやはり所有部分は手放していないというべきでしょう。
所有部分は所有部分でエクイティにしてしまうことも当然可能でしょう。
⑵経営について意思決定できることにどんな価値があるか不明
そもそも論にはなってしまいますが、経営について意思決定できることにどんな価値があるのでしょうか。
例えばあなたがとあるネットワークについてガバナンストークンを取得し、そのネットワークの未来について真剣に考えて議決権を行使したとして、その努力は何によって報われるのでしょうか。
そうすると、実は結局は利益分配、ひいてはエクイティとセットになっていないと、ガバナンストークンの真価は発揮されないのかもしれません。
この点はまたTwitterで質問を投げてみようかなと思います。
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