#ガバナンストークン と株式の違いについて考えてみた
先日、以下のようなツイートをしたところ、さっそく次のようなお返事をいただくことができました。
バブバブ言っているのはともかく(※1)、ここでさせていただいたやり取りで少し学びがあったので書き残しておこうと思います。
※1:上記ツイで私やまったさんがアイコンにしているアートNFT、Very Long Animals 及び Very Long Animal Babies由来のお約束です。
そもそも株式とは?
株式会社について学ぶとき、繰り返し語られるテーマが
「所有と経営の分離」
です。
株式会社では、
⑴会社の所有持分であるところの「株式」を持っている人、すなわち「株主」
と
⑵会社の経営を行う人である「取締役」
が明確に分けられています。
株主は配当を受け取る権利を持っていたり、一定の重要事項についての議決権を持っていたりします。
他方で、日常的な業務執行を行うことはできません。
日常的な業務執行は全て取締役が行います。
この、会社を所有する人(株主)と経営する人(取締役)が明確に分かれているというのが株式会社というヴィークルの最大の特徴です。
※もちろん、非公開会社のように事実上所有と経営が一致している株式会社も多く存在しています。しかし、いつでも所有権(株式)だけ切り離して譲渡することができますし、経営を他の人に任せることもできます。これは他の会社形態ではできないことです。
ガバナンストークンとは?
次にガバナンストークンについて考えます。
積極的な定義
ガバナンストークンとは一般に、トークンを発行した団体(会社やDAO)の意思決定に参加できる議決権を証憑した暗号化トークンを言うようです。
法律で定義されているわけではありませんので、その内容についてはトークン発行者の自由に設計することができます。
消極的な定義
もっとも、その内容が株式と一緒になってしまうと実質的にも形式的にも無配当株式そのものになってしまいます。
そのため、その議決権の内容は株式のそれとは異なるものであることになるでしょう。
結論
そうすると、株式とガバナンストークンの違いは以下のように整理できそうです。
株式
均等に細分化された割合的単位の形をとる社員たる地位(所有権)
ガバナンストークン
均等に細分化された割合的単位の価値をとる経営者たる地位(経営権)
つまり、ガバナンストークンの発行によるトークンファイナンスとは、経営者たる地位を細分化してお金に変えてしまうという超ドラスティックな資金調達方法なのではないでしょうか!
ガバナンストークンの面白いところ
これの面白いところは2点あります。
⑴所有部分は手放していない
このように理解すると、実はガバナンストークンは会社の所有部分は手放していません。
※仮に会社組織ではなくDAOのようなものであったとしても、持分まで含めてしまうとそれはもはやただの組合持分なのでやはり所有部分は手放していないというべきでしょう。
所有部分は所有部分でエクイティにしてしまうことも当然可能でしょう。
⑵経営について意思決定できることにどんな価値があるか不明
そもそも論にはなってしまいますが、経営について意思決定できることにどんな価値があるのでしょうか。
例えばあなたがとあるネットワークについてガバナンストークンを取得し、そのネットワークの未来について真剣に考えて議決権を行使したとして、その努力は何によって報われるのでしょうか。
そうすると、実は結局は利益分配、ひいてはエクイティとセットになっていないと、ガバナンストークンの真価は発揮されないのかもしれません。
この点はまたTwitterで質問を投げてみようかなと思います。
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