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m_hyugaji
2021年5月21日 14:52
プロローグ 閉塞感の漂う時代、たくさんのヒトミさんたちが、片目を瞑って生きています。 先人たちの言うように、両目を開いて伴侶を探し、片目を瞑って伴侶と暮らし、なんとかなると思っていたはずなのに、なぜだか心が壊れてゆくのです。 先人たちに、可哀想だと思える間は我慢しろと教わって、同情は愛情と同義語なのかと考えたり、いつかは変わるのではないかと期待したり、優しいところもあるからと思い直したり、自
2021年7月9日 20:53
「生活保護を申請しますか?」 お正月、ヒトミさんはマチコさんと二人でゆっくりと過ごした。小学生のときに母親を亡くしたマチコさんは、父親が再婚相手と暮らしている実家に帰る気はないらしく、「何だかここが実家なような気がしますねえ」と、穏やかに笑いながら言った。「そうだね、私たちが実は姉妹で、いまにも両親が買い物から帰って来るといいね」 ヒトミさんがそう言うと、マチコさんがふと真顔になったので