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【ZWIFT】スプリントでもトロンが最強?~加速力検証~

短いスプリントではトロンが最も速いというお話です。

上の記事では以下のように書きました。

最もエアロ
■Specialized Venge S-Works + Zipp 858/Super9
    エアロ0% 重量6.65kg
総合No1
■Tron (Concept Z1) (トロン)
 エアロ0.39% 重量6.08kg

また、下の記事の検証では、短いスプリントではトロンの方が優位と書きました。

実際どうなのか、エクセルでシミュレーションを作って検証しました。

1.時速45km/hから10W/kg(ドラフティングなし)

計算条件は身長175cm、体重70kg。時速45km/hからスタート、ドラフティングなしで10W/kg(700W)で加速した場合のVengeとTronの比較です。

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結果は上のグラフです。完全に重なって差が分かりません・・・

どちらも57km/h弱まで加速しています。10倍の割に遅い気もしますがドラフティングなしだとこんなものです。

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分かりやすいように Venge S-Works + Zipp 858/Super9とTronのタイム差をグラフにしたのが上です。

スプリント開始からおよそ18秒まではTronの方が速い結果です。

差は最大で0.0014秒、距離差にして2cm。
たかが2cmですがどちらが先行できるかといったらTronの方が18秒間は先行できます。

加速には重量に比例した力が必要です。Tronの方が軽量なため、加速時はTronの方が優位になっています。

では加速時は軽ければ軽い程良いのか?

2.Tarmac Pro+ENVE SES 7.8 Vs Tron

Tarmac Pro+ENVE SES 7.8 はエアロ2.53% 重量5.79kg でTronより軽量な組合せです。同じ条件で加速を比較したのが下のグラフです。

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この場合はTronの方が常に速いという結果です。

Specialized Venge S-Works + Zipp 858/Super9 とTronを比較した場合、エアロ性能は0.39%差とわずかですが、重量差は0.57kg差とそこそこ大きくなっています。

この為、加速初期はTronが先行しその後Vengeが優位となる絶妙な設定が生み出されています。

3.時速45km/hから10W/kg(ドラフティングあり)

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ずっとドラフティング内にいて空気抵抗が30%削減された場合は上のグラフのようになります。

さき程と同じで、ほぼ重なっています。時速は約64km/hまで上がっています。

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タイム差で比較したのが上のグラフです。ドラフティングによりエアロの効き量が相対的に減るので、Tronの加速優位が大きくなっています。

約37秒間はTronの方が先行できます。最大で0.006秒、距離差にして10cm前にいけます。

かなりのスプリントは、ドラフティング内にいて37秒以下の条件に当てはまるのではないでしょうか。

10cmの差はたいした事ない時もあれば、10cmの差が勝負が決まる場合は決定的な差になります。

尚、これらはこれまでの検証を積み上げていった値で机上計算した場合の結果です。恐らくこのわずかな差は検証不可能だと思うので、Zwiftがどういった演算をしているかによって違う可能性もあります。

※ただここまでくるとほぼZwift内の演算に近づいている気がします。

いずれにしろ、スプリントの為だけにエアロ最高のSpecialized Venge S-Works + Zipp 858/Super9を選んでいたとすれば、Tronの方が良いかもよ、というのが今回の結果です。

4.スタート0加速の場合

ついでにスタートでありがちな、0km/hから6W/kgで加速した場合です。

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いきなり100秒も6倍踏み続ける地獄のようなスタートは滅多になく、だいたい速度が上がり切る30秒くらいだと思います。

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低速域では空気抵抗は小さいので、Tronの軽量性が優位となります。
最大で0.04秒、距離差にして50cm、Tronの方が先行できるといった結果になります。


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