悪徳パブリッシャー「今川ソフト」について。誕生までの経緯など
■はじめに
ゲームパブリッシャー「今川ソフト」代表、花倉みだれです。
第一弾タイトルは2024年8月7日発売『ネールのはちゃめちゃクラフト!』です。
開発はアサキさんこと「Incase,dreamer」さんです。
私はこれまで、夫婦サークル「ほんわかふわふわ」としてゲームの制作・販売を行っていました。
それが「今川ソフト」というパブリッシャーブランドを立ち上げるに至った流れを紹介していけたらなぁという記事となります。
「今川ソフト」があまり行儀のいいパブリッシャーでないことも素直に言っていこうかなと思っています。(というか、世の中の商業パブリッシャーはすごいなと改めて思うに至る話かもしれません)
本件、開発側視点の記事はこちら↓。合わせて読むとより楽しいかも(?)
■今川ソフト誕生の経緯
……と、だいたいこんなノリで進みました。
Steamでゲームをリリースすることそのものは一定手順は知っていること、ソフトごとの設定でデベロッパー / パブリッシャーの表示を切り替えらられてアカウントとしては1つでできることを調べたうえで、アサキさんがそれでいいならやってみよう! とスタートしました。
ブランドを分けたのは「ほんわかふわふわ」は「夫婦サークル」として多少のブランディングや継続性をうたっていることが主な理由です。
他の人と組んだゲームを制作する場合、他の人が作ったゲームを売る場合は別ブランドだろうなぁ……という判断です。
「ほんわかふわふわ」は私じゃないほうのメンバー「平和なべ」由来の名称でもありました。
なので今度は私由来の名称にしよう、という発想です。
「花倉みだれ」は「花倉の乱」をもじった名前です。
花倉の乱と言えば今川義元→今川→今川焼→他の人と手を組んでより美味しくみたいなニュアンスで今川焼+ソフトクリームというイメージと、ソフトハウスの「ソフト」を合わせて……というところで「今川ソフト」となりました。
看板キャラの名前が「吉本・志麻」なのも言うまでもなく今川義元と今川氏真から引っ張ってきたものです。
■「今川ソフト」のパブリッシャーとしての悪徳性について
何と言っても「売り上げの全てを頂く」としていること
その権利を「タダで貰っていること」
この2点が圧倒的にパブリッシャーとして見たらやべぇやつだと思います。こんな人に引っかかってはいけない。
普通は、権利買い取りにしても纏まった金額を払う、そうでなくても売り上げ比率によって予め決めた分をお支払いする、いわゆるレベニューシェア的なやつを設定するとか、一定ライン超えたらそうするねとMGを設定して支払うとか、おそらくそういうことをするんじゃないかなと思います。
ただ、アサキさんの「ゲームは作ったから後は誰かがリリース作業やってくれないかなぁ」みたいな心の底からの本音のぼやき、みたいなのも開発者の1人としてわからないではないんです。
自分もPS5とかに自分のゲームをなんかいい感じでリリースしてくれたうえで、自分の活動に制限が一切かからなくて、一定信頼できる人にであればタダでプロジェクト渡したっていいな~と思ったりします。
私はわりとゲームの販売好きなんですが、リリース作業そのものが楽しくないな~という気持ちもわからんではないというか。ゲーム作りたい人はやっぱりゲーム作りたいですからね……リソース配分として。
なので「リリース代行を行う代わりに売り上げ関係の全ての権利を頂く」という建付けは当事者間では意外と納得感が出ることもあるのかなと思います。今回のケースはそうであるはず。
アサキさんのことを悪徳業者にいいように使われたやつみたいに中傷するのだけはやめていただけたらと思います(笑)
■想定するお金の動きについて
どれくらいボロクソに儲かるか……というと、自分の想定だとトントンかなぁ……と思ったりしています。
500円のゲームを売る場合、基本的には20%セールの時にしか売れないと思うので実質的に1本あたり手元にくるのは280円だと思っています。
ゲームの内容に関わらず、500円のゲームで売れる本数、200本くらいなのではというのが自分の肌感覚です。
これを単純に計算すると、56000円ほど入ってくるというのが期待値です。
そのうえで、登録料はどうしても必要で、これは今円安の煽りをうけて15kかかります。
ストア画像は自分でも作れないこともないですが、デザイナーに依頼するほうが圧倒的に見栄えはいいのでこれは外注するものとします。だいたいこれが20kくらいだろうと見積もっています。
その他、何かしらの広報用の予算として15kくらいは計上しておきたいなと思います。例えばプレスリリースをそれ用のシステムで配信した場合は30kかかりますが、それの半額くらいで何かしら認知を跳ねさせる努力はしたいなという気持ちです。
あとは自分の稼働……を時給hogehoge円で計算したとして、まぁ、とんとんかな~~~という感じですね。
ボロクソに売りあがったら圧倒的勝利ですし、全く売れないでも50kくらいの損で済むのでやっぱり圧倒的に悪徳業者の条件だとは思いますが「売上全部もらえるならやりますよ」という感覚としてはこういうところですね。
これに毎月売り上げ計算して振り込んで~みたいなランニングコストがかかるかと思うとちょっと対応できないな~と思っています。
悪徳業者だとは思いますが、そこまで悪意のある設定ではない……ということをわかってもらえたらな~と思います。
というわけで売り上げの目標は200本です。
これを大きく超えて、アサキさんを後悔させ、悪徳業者今川ソフトが認知を改め改心するよう、皆さんたくさん買ってください(笑)
改めて、インディゲームのパブリッシャーさんってすごいな~~~とか思ったりしますね。ちょっと勉強させてほしい(笑)
■「今川ソフト」側で改修した内容
完成品のプロダクトを貰ってそれをストアに並べていたわけですが、話がまとまってから現在にいたるまでSteam用のソフトとして少し改修を行いました。
・ランキングをSteam用のものに切り替える
・実績の追加
・言語設定の追加(日 / 英 )
・ウィンドウ切り替え / フルスクリーンの切り替え
主な追加要素はこの辺りです。
デザイン的にボタンをどこに追加しましょうかとか、このキャラの英訳はなんでしょう? とか、実績アイコンは作ってもらったり、どの条件にするかは決めてもらったりなどアサキさん側と適宜協力しながら進行していきました。
加えて「ゲームを終了する機能の追加」も元々がWebGL向けに作られていたので必要となり、アサキさんに対応していただきました。
実績やSteam用のランキングの対応など、私は何度かやっていましたが0から調べるのはちょっと面倒みたいなところはあるかと思うので、こういった点で手を動かしながら協力できたのは一定力になれたかな~と思いたいところです。
■今後について
「リリース作業は面倒だけどリリースしたい(Steamに出したい)」というニーズは開発者の中に絶対あるとは感じています。
基本的には自分でやったほうが売上全部もらえるわけだしそのほうがいいと思っていますし、あるいはちゃんとしたパブリッシャーにお声がけされるのがベストだろうとは思っています。
そのうえで、今回の件で得た知見を基に他のタイトルを取り扱うことも今後考えていけたらいいなと思います。
例えば、unity製でしばらく更新のない、自分が好きなタイトルなどを買い取るかお預かりして少し改修してリリース~みたいなことができたら楽しいだろうな~と妄想はします(笑)
お互いハッピーになれるということを前提としたうえで、色々な方と色々なことをする未来を模索していきたいですね。
とりあえず、8/7リリースの『ネールのはちゃめちゃクラフト!』よろしくお願いしますね!!!
お気持ちを形にして頂けることは大変光栄で、勿体ないながら大いに感謝いたします。いつもよりちょっとおいしい飲み物や食べ物を頂きますね。