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娘が運んできたもの

近所からは、時折、夏休みを楽しむ子どもたちの声が聞こえる。
子育てが終わった今、特に日常に変化はない。穏やかな日々をありがたく思ったり、
でも、忙しかったあの頃が懐かしかったり…

育ち盛りの子どもたちと過ごした夏休みを振り返りながら、只中にいるお父さんお母さんは今頃、大忙しなんだろうなぁ…と、今ではすっかりおばあちゃん目線。



夏休み突入と同時に始まるラジオ体操…それに間に合うように子どもたちを起こす事から一日がスタート。朝食を用意しながら昼の弁当作りにもとりかかる。
家族分の弁当を用意した後は、洗濯しながら身支度を整え、パートに出かける。
仕事が終わると帰り道のスーパーでチャチャッと買い物を済ませ、帰るやいなや、夕飯の準備にとりかかる。
夏休みの宿題にも目を通しながら、一日の疲れが、段々と子どもたちへのお小言に変わる。
毎日をやり過ごすのが精一杯だった。
盆を過ぎたあたりからは、新学期に向けてのカウントダウン。
工作やら自由研究やらの仕上げに何故か、子どもたちよりも追い立てられていたような気がする。

自分にもっと余裕があれば、子どもたちとの夏休みを楽しめたはずなのに。

そう思うが、もう、あの頃には戻れない。

もしも、いま、あの頃の自分に会えるなら、少しマシなアドバイスぐらいは出来るかもしれない…


買い物中のお母さんたちが、よく嘆いているのを耳にする。

「早く夏休みが終わって欲しい!」
「毎日お昼を持たせるのが大変!」


あの頃の自分と全く同じだ。
心の中でそっとエールを送る。




今日も庭のあちこちで蝉の大合唱。
空には、あの頃と変わらない夏の雲が浮かぶ。

この夏も感染対策は欠かせない。
職場にも親戚にも感染が広がっている。
自分の身にいつ降りかかってもおかしくない状況。

そんな中、向こうにいる娘から早めの帰省をしたいと連絡が来た。
リモートワークなのでPCさえあれば、どこにいても仕事は可能。
盆の時期をちょっと外せば、飛行機のチケットも安く買えるし、色々と都合が良いらしい。

この前、こちらから会いに行ったばかりだというのにまた娘に会えるなんて…
ラッキーな事がこんなに続いて良いのだろうか。

もちろん、二つ返事でOKした。


昨年の今頃は、ちょうど娘の転換期。
あれから一年。
その頃に書いた記事を読みながら今、この瞬間に感謝する。



娘が帰ってきた途端、買い物の回数とキッチンに立つ時間が増えた。
今までガラーンとしていた冷蔵庫の中も一気に様変わり。
頻繁に取り入れていたゴロゴロタイムが減り、自分の中のモードが変わった。

なんだか以前の感覚が蘇ってきたようだ。

娘のおかげで、あり合わせの物で済ませていた昼食がちょっとだけ豪華になり、毎回、リクエストがあるので、夕食のメニューにも困らない。


気合いを入れすぎず、肩の力をちょっとだけ抜いて。



さあ、夏休み本番はこれから!



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スーパーの店先で見つけた糖度の高いスイカ。娘のお陰で珍しい物にも自然と手が伸びます。

💛美味しくいただきました💛





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