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古生物飼育小説Lv100 第九十話をサイトに掲載しました

わーっ2ヶ月もかかってしまった!博物ふぇすに間に合わせるためにはガンガン書かねばなりません。応援よろしくお願いいたします!
武蔵野フォッシリウム編その4です。今回もよろしくお願いいたします。

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カクヨム

以下はネタバレ込みの解説です。

今回は3人とも3年生になってから受験で忙しくなり、主にこまごまとしたものが出てくる回でした。ブラウンスイシカゲガイの時点でちょっとこまごましていますが……。

初めてアキシマエンシスを見学したときは小さな化石の展示が今より多く、その中にミドリシャミセンガイがあって、今は生息地である干潟の減少で絶滅に瀕している生き物が身近な多摩川から発掘されたということに驚いたのでした。

国立科学博物館 外付けHDDが壊れてから撮り直しに行っていました。以下の写真も同じ

ミドリシャミセンガイそのものは現生種ですがごくたまにしか飼育されていないので生体を登場させるのは難しかったのですが、腕足動物という範囲なら今までちょくちょく登場させていました。

国立科学博物館

初めて名前が出てきたのは史上最大の腕足動物であるギガントプロダクトゥスだけでしたね。別に新しい種類をもっと色々出してもよかったんですが。
赤星達以外にもこまごまとした古生物に目を向けている人がいることを知らしめる役目と、アキシマクジラに年代と地域が近い化石が今は絶滅危惧種になっているものとその近縁種ばかりだと気付かせる役目でした。うっすら見覚えある動画投稿者。あいつV活動5周年してますね。立派な長寿Vですね。

アキシマエンシス

それからアキシマエンシスに展示されている化石の中でこれだけはかすりもせずスルーするかもしれなかった有孔虫を登場させることができました。

昭島市デジタルアーカイブズによるとノニオン属の一種のようです。こういう形のアンモナイトいるな~ってつい思っちゃう渦巻き型をしています。
どうやらこの種類は海底の砂地に縦穴を掘って暮らしているようです。こういう有孔虫の巣穴によって海底のバクテリアの様子にも影響があるんだとか。

似たような殻のある単細胞生物である放散虫は飼育が難しくて主に映像や装飾の意匠としての登場だったんですが、底生有孔虫は水族館で飼育されていま……した。須磨水のホシズナの写真がHDD破損で……。

多摩六都科学館

同じ有孔虫の「貨幣石」ヌンムリテス・ボニネンシスも小笠原の始新世の化石ですが一応「東京の化石」だなということで、ずっとこの長編に限らず登場させてみたいとは思っていたんですが、ちょっと知ってるくらいでは生態がよく分からなくて手が出せなかったんですよね。
どうも現生の大型の有孔虫は藻類を体内に共生させて光合成させるそうで、貨幣石も当然そうするものと考えられているようです。大型化すると体の表面から餌を採り込みづらく、しかも動きづらくなってしまいますからね。薄くて広い体は光合成に有利ですし。
小笠原の化石ということで、きちんと登場させたかった日野のアホウドリ化石に目を向けさせる役になりました。

ヒノクジラとステラーカイギュウも名前が新しく登場しました。これらについてはまあいずれ。

成瀬が引きこもりをやめて3人とも受験に挑む回がどうしても必要ということで、学校と赤星の自室のシーンばかりでなおかつクラスメイトとの喧嘩で盛り上がっていますが、書きたいことが詰め込めたと思います。
最初の下書きでは赤星も黒田ももっと冷たい奴だったんですよ。書いてるうちに黒田のことも助けたくなってしまって。どうでもいいので書いてしまいますが黒田は将来東京の都心も結局嫌になってアメリカの郊外に渡りそこでようやく心穏やかな暮らしをしますが、そこでのびのびした気持ちになれるのは土地の地質構造が東京と全く異なるおかげで風景が東京と全然違うからであり結局は自分が成瀬と同じで地質に縛られている存在だということに一生気付きません。視野が狭いとかではなく単にひとが関心を寄せられる物事には限りがあるため。

次回、3人がついに高幡学園で活動します。

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