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夏! 平安の夏・清少納言の夏

九條です。

今日は8月1日。
今日から8月ですね。

この8月中には、広島・長崎の原爆の日そして終戦の日。さらにお盆(旧盆)などがあり、現代日本人にとっては忘れ難い暑い季節。本格的な夏の到来ですね。

さて、暑い夏について、いまから千年ほど前(平安時代中期)に生きた清少納言はこんな事を書いています。

冬はいみじう寒き
夏は世に知らず暑き

(清少納言『枕草子』より)

これは、

「冬はめちゃくちゃ寒いのが冬らしくていい。夏は経験したことのないような(想像を絶するほどの)暑さが夏らしくていい」

という意味です。

しかし果たして、昨今の命に関わるような猛烈な夏の暑さを清少納言さんは想像できたでしょうか。もしいま清少納言が生きていたとしたら、

「夏はほどよく暑き」

などと書くかも知れませんね(笑)。

余談ですが、清少納言は賢くて感性が豊かで感覚の鋭い人だったと言うことはよく知られていますが、それに加えて鼻が良くてニオイに敏感な人でもあったようです。

彼女の『枕草子』を読んでいますと、たとえば夏の薄着に染みついている汗のニオイがなんともいえないとか、夏に牛車に乗って出かけると(牛と車とを繋いでいる)革のベルトの陽に焼けているニオイがなんともいえない…などと書いています。もしかしたら彼女は匂いフェチだったのかも知れませんね。

猛烈に暑い日が続いています。例の世界的な流行り病もまた勢いを増しているようです。皆さま。暑さ対策をされて、栄養のあるものを召し上がって、コマメに水分補給もされて、感染対策も抜かりなく、どうかご体調を崩されませんよう、くれぐれもお気をつけくださいね。^_^

©2022 九條正博(Masahiro Kujoh)
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