中秋(仲秋)の名月
九條です。
今日は9月10日。十五夜。中秋の名月ですね。
ここ大阪市内では、いま(お昼すぎ)は青空が見えているのですが、果たして今夜はお月さまを観ることができるのでしょうか?
この「中秋の名月(十五夜)」は、もともとは中国・唐代で始まった「仲秋節」だという説があります。わが国には平安時代の頃に伝わりました。
この時期(旧暦8月15日ですが)には、夏の作物の収穫もほぼ終わって稲刈りまでの間の少しだけ余裕のある時期にあたります。ホッとひと息つける頃なのでしょうか。
ですからわが国における「中秋の名月」は、古代においては夏の収穫祭や秋の初穂祭の意味がありました。
さて、この中秋の名月について、わが愛すべき清少納言さんは『枕草子』で、
と書いています。
冒頭で、わが国における「中秋の名月」は収穫祭や初穂祭の意味があると申しました。
「中秋の名月」の日には、神々に収穫の感謝の気持ちを伝え、また同時に五穀豊穣などさまざまなお願いをする日でもあります。皆さまは、どんなお願いをされますか?
皆さまがいつも幸せでありますように。
【参考資料】
◎上坂信男 他『枕草子(上・中・下)』講談社学術文庫 1999年
◎曹述愛「中秋節の来歴とその慣習」愛知淑徳大学 2010年
◎吉原啓「日本古代の祝詞にみる神話の視覚化構造とその普及」奈良県立万葉文化館 2020年
©2022 九條正博(Masahiro Kujoh)
無断引用・無断転載を禁じます。