③児童期


エリクソンのライフサイクルモデル
三つ目の発達時期は、「遊戯期」です。
「児童期」と表現する場合もあります。

年齢でいうと5~7歳。保育園や幼稚園でいうと年長さんの時期と考えていいと思います。

獲得すべき発達課題は『自発性・積極性』です。

物事にたいして自発的に行動できる、積極的に事象に関わっていくことができる、そういう力ですね。自分がするべき行動を考えて実行できるようになります。

それには、見通しを持つことや、客観的に自身を捉えることなどの知的発達が伴うことは言うまでもありませんが、心理発達の上でも自然とそうしようと思えるようになるということですね。

あるいは、他の人から促されることでそういった姿になる子もいますが、そういう場合でも心理的に「準備」ができていないと現実の姿として定着することはないです。

要は無理矢理に行為だけさせても自発性や積極性は身に付かないということです。



幼稚園や保育園では、この遊戯期がゴールになります。もちろん人生はそれ以降も続いていきますが、幼稚園教諭や保育士が直接関われるのはこの時期までです。


つまり、保育園や幼稚園で目指すべき姿は、この『自発性・積極性』の獲得です。

具体的にどういう姿として現れるのかは、その子の性格等で変わってきたりしますが、周りの世界に自発的に、また諸問題に積極的に関われているかが、大切な観点になると思います。


年長時期に至って、のびのびと遊んでいるな、仲間関係が育ってきたな、クラスの中での役割をきちんとこなそうとしているな、そういう実感が子どもの姿からみてとれたら、ある程度の自発性・積極性が育ってきたということです。


もしそうでないなら、その子の発達がまだこの遊戯期に到達していないということです。


その場合には、今のその子の発達を大まかにでもわかってあげておく必要があります。


一つ前の『自律』が課題なのか、それともさらに前の『基本的信頼感』が未獲得なのか、

また、それが未獲得な理由はなにか、発達を妨げている原因があるのか、

それによってその子への指導性が決まってきます。


保育園にいる期間で、基本的信頼感を築き、自律の力をつけ、そして自発性・積極性を獲得することが、小学生いこの姿をほぼ決定付けます。


この遊戯期ではお勉強的な活動をさせるよりも、仲間とたくさん関わって遊び、時には意見をぶつけながら話し合い、個々の好きなことがしたいだけ出来る、そういう環境づくりが大切です。


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