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データ×デザイン | エムスリーに共通する文化・プラットフォームの魅力とは?

こんにちは。エムスリーデータ分析グループの玉木です。エムスリーのデータ分析グループは、新たな仲間の募集へ向けて採用サイトを2023年にリニューアルしました。そこで改めてデータ分析グループの特徴や、採用サイト更新に込めた思いを深掘りしたいと思います!

今回は、デザインの力で医療の前進を加速させるデザイングループのチームリーダー貝嶋さんをゲストに迎え、データ分析グループのリーダー篠田さん、濱口さんとの対談を行いました。当初の予定よりかなり充実した内容になったため、前編・後編の2回に分けてお届けする予定です。
まず前編ではエムスリーに共通する文化やデータ分析グループの特徴を中心にまとめています!

貝嶋 一哉
デザイングループ チームリーダー / BXデザイナー(*1)
フリーランス及び制作会社にてブランディングコンテンツ制作やファッションメディアの開発等を経て、2014年にエムスリー入社
複数の医師向けサービスのUI/UXデザインを行いながら様々な国内外の新サービスや新規事業の立ち上げ、ブランディング管理などを担当

篠田 彩
データ分析グループ 製薬ビジネスユニット グループリーダー
エネルギー会社にて社内の複数部門向けの分析及び業務改善PJを担当した後、IT子会社に籍を移しクライアント企業向けのデータ分析を経験し、2015年にエムスリー入社
製薬企業様向けのマーケティング施策支援のための分析や、ジョイントベンチャーにおける分析リードを担当
篠田 彩 インタビュー 

濱口 智大
データ分析グループ プラットフォームユニット グループリーダー
SIerにてシステム開発やクライアント企業のデータ活用支援業務に携わった後、2016年にエムスリー入社
m3.com(*2)上の各サービスを成長させるための分析や、サービス横断のレコメンドアルゴリズムの改善を担当
濱口 智大 インタビュー

*1:BX:Brand Experience
*2:m3.com:エムスリーが運用する日本最大級の医療従事者専用サイト


エムスリーにおける「デザインの専門家」と「データ分析の専門家」

ーーはじめに簡単な自己紹介をお願いできますか?

【貝嶋さん】デザイングループの貝嶋です。現在入社10年目で、エムスリーには比較的長く所属しています。幅広いプロジェクトに携わってはいますが、特に医師向けウェブサービスのチーム、「MR君」をはじめとする製薬企業向けサービスのチーム、BX支援チーム、主にこの三つの組織のチームリーダーを担当しています。

【篠田さん】データ分析グループの篠田です。入社時期は貝嶋さんより少し後で、今年9年目に入りました。元々データ分析グループがなかった時代に入社したので、当初はデザイングループに所属していました(笑)。

【貝嶋さん】そういえば、昔は同じグループでしたね!

【篠田さん】そのうち、データ分析グループができて、徐々に人が増え、担当範囲が広がっていきました。データ分析グループの成長と共に歩んできた感じです。データ分析グループ内は製薬企業様向けの分析を行う「製薬ビジネスユニット(製薬Bizユニット)」とエムスリーが保有するプラットフォームの改善を行う「プラットフォームユニット(PFユニット)」という2つのチームに分かれていて、私は製薬Bizユニットのグループリーダーを務めています。また、塩野義製薬とエムスリーのジョイントベンチャーStream-Iにも出向しています。

【貝嶋さん】エムスリーのサービスは医師向けのものが多いイメージですが、篠田さんは製薬企業を支援するというお仕事をメインで担当しているんですね。ちなみに、篠田さんが出向されているStream-Iのロゴもエムスリーのデザイングループが制作させていただきました。

【濱口さん】データ分析グループの濱口です。私は篠田さんより1年後の2016年の終わりに入社していて、現在入社7年目です。今はPFユニットのグループリーダーを務めています。入社後しばらくレコメンドバナーの表示ロジック周りを担当し、社内の様々な事業の人と広く浅く繋がっていました。2年程経過した後、業務の幅を広げていきたいと上司に相談して、「Web講演会(*3)」や「開業支援」等の個々のサービスを成長させるための分析に携わるようになりました。その後、同じ領域でマネジメント経験を積みつつ現在に至ります。

【貝嶋さん】3人とも社歴が同じくらいじゃないですか! デザイナーの中には日常的にレコメンドバナーやUIデザインの改善データを一緒に見ているメンバーも多いので、常にデータ分析グループと関わりながら仕事をしているといえますね。

*3:Web講演会:製薬企業や医療機器メーカーの提供によるWeb動画のセミナーサービス

データ分析グループにおける2つのユニット

ーーデータ分析グループの各ユニットの役割や業務内容を簡単に教えてください

【篠田さん】製薬Bizユニットでは主に、エムスリーサービスを利用しているクライアント企業のマーケティング支援向けの分析を行っています。例えば、「MR君(*4)」や「Web講演会」といったエムスリーのプロモーションサービスをご利用いただく前に効果を試算したり、実施後に効果検証を行い施策の評価を行ったりしています。他にも、マーケティングチャネルやコンテンツの最適化、マーケティングデータの販売など、分析自体がサービスとなるような商品の企画・開発もしています。

現在のm3.comのトップページ

【濱口さん】PFユニットでは主に、エムスリーのプラットフォーム全体や各サービスを改善するための分析を担当しています。具体的にはレコメンドバナーやメルマガなどをサービス横断で最適化するプロジェクトや、MR君、Web講演会、医療ニュース、求人情報などの各サービスのKPIを伸ばすための施策立案、分析、施策の検証を行なっています。

*4:MR君:製薬企業が薬剤情報を医師向けに提供できるメッセージサービス

全社的プロジェクトへの参画と影響力

ーー特に最近取り組んでいるプロジェクトについて教えていただけますか?

【濱口さん】普段のマネジメント業務のほか、最近は主に二つのプロジェクトに注力しています。一つ目は「サービス横断でユーザー情報を統合し、一つのデータベースを作るプロジェクト」。二つ目は「メルマガの配信頻度を最適化するプロジェクト」です。どちらもカウンターパートとなる部署・人が多いので難易度が高い分、取り組みがいのある課題です。特に一つ目の「サービス横断のユーザーデータベース作成プロジェクト」は全社的にインパクトが大きく、社長である谷村さんとも関わる機会が多いためプレッシャーも感じるのですが、影響が大きいからこそのやりがいもひとしおです。
通常、各サービスのプロダクトマネージャーは個々のサービスの改善・拡大にフォーカスするものですが、エムスリーのようにサービスが豊富にある場合は全サービス横断での施策も重要じゃないですか。データ分析グループは複数のサービスに幅広く関わるので全体を俯瞰しやすい分、価値を発揮しやすいんじゃないかと感じています。

【貝嶋さん】一つ目のプロジェクトは全社的にもよく聞きますね。

【濱口さん】具体的には、ユーザー毎×サービス毎に利用レベルを定義した上で、レベルが一つ上がる確率と一つ上がった場合の価値を算出しています。細かく価値を定義・算出してはじめて、このユーザーには何を提供すべきかという点を最適化できるんです。データサイエンティストの役割も分析に留まらず、広く深く価値定義やロジック設計に関わっていきます。データを探索する中で「こんな行動をするユーザーもいるのか!」と、新しい発見もあって面白いです。

【貝嶋さん】面白そうですね! 例えばどういったユーザーがいるんですか?

【濱口さん】そうですね……従来は、ライトユーザーはニュース等のコンテンツから入ることを想定していました。段々ヘビーユーザーになるにつれ「MR君」や「Web講演会」といったメインサービスを使うようになのかなと。でも実際は、逆にメインサービスの方を重点的に使っていてニュース系コンテンツは全く見ていないユーザー層もいたりして……人によってm3.comの使い方は様々であることを実感させられました。こういった発見が新しい施策に繋がったりしますね!

【貝嶋さん】デザイングループでは最近、新しいデザインシステムが熱いですね。各サービスの担当チームが施策を考えてそれぞれでPDCAを回そうとすると、どうしても個々のサービスが目立っていくのですが、それだとサイト全体の印象がまとまらなくなってしまいます。そのために今、一度サイト全体のデザインを整えるところに注力しているんです。デザインシステム以外にも今回の対談のきっかけでもあるデータ分析グループ採用サイトの更新にもBX支援チームで手がけさせていただきました。よりデータ分析グループがどのような組織でどんなメンバーが活躍しているかわかりやすく伝わるようデザインからコンテンツまで改善いたしました。

現在製作中の新m3.com デザインシステム
データ分析グループ採用サイトリニューアルTOP画面

【篠田さん】ありがとうございます! 大変助かっています。

【貝嶋さん】デザインの効果検証や価値の定量化部分はもっと注力していきたいんですよね。だからもっとデータサイエンティストの採用が進むと我々デザイナーも助かっていいな〜と(笑)。あと、データ分析とデザインの連携はまだまだ他にできることがあると思っていて、ぜひ協力して検討を深めたいです。

m3.comの魅力:豊富なサービスと高密度なデータ

ーーエムスリーのデータで特に特徴的な点は何かありますか?

【濱口さん】一様々なサービスのデータが豊富にあるだけでなく、データの密度も濃い点が番の特徴ですね。m3.comは全員がログインして使っているため属性と紐付いたデータを取得できるんです。ログデータ一つを例にあげても、アクティブユーザー比率がここまで高いサービスは滅多にないと思います。データの質が高いほど、踏み込んだデータ分析ができるので、そこがとても面白いですね。
密度の濃いデータが揃っているからこそ、ユーザーセグメントも詳細に定義することができます。以前、アクティビティ別に定義していた「Web講演会」のユーザーセグメントを見直した際、いくつものデータパターンを見ながらプロダクトマネージャーと何度も議論をかわしたので、最終的に関係者が理解しやすく施策にも使いやすい最適なセグメントを作ることができました。はじめは「新Web講演会セグメント」みたいな名前で読んでいたんですけど、途中から「濱セグ(=濱口セグメント)」と自分の名前をもじったセグメント名で呼ばれて浸透してしまいました(笑)。狙って作った訳ではないんですが、一つ自分の名前のついたデータが残ったのは嬉しいです……!

【貝嶋さん】「濱セグ」って濱口さんのお名前だったんですね!おそらくm3.comのサービスに関わっている人なら誰もが一度は聞いたことがあるワードだと思います(笑)。「濱セグ」は具体的にどういった場面で使われているんですか?

【濱口さん】「Web講演会」の効果検証をするときは “濱セグ毎” に効果を見ることが多いです。施策の展開時は特定の「濱セグ」だけに全面展開するといったケースも少なくないですね。

デザインとデータ分析の協力事例

ーー既に一部触れられていましたが、デザイングループとデータ分析グループはこれまでどのような関わりがあったのでしょうか?

【貝嶋さん】やはり一番多いのはデザインのA/Bテスト等、施策の効果検証をお願いするケースですね。単に変更した箇所がどれだけクリックされたかだけではなく、その後の行動にどれくらいインパクトを与えられているかをユーザーセグメント別に定量的に見ていただいたりしています。分析データを元にさらにデザイン改善のPDCAを回して、よりユーザーにとって使いやすいデザインとは何かを考えてブラッシュアップするという感じですね。ユーザーセグメントごとに出しているデザインのバリエーションが多いこともあり、密度の濃い膨大なデータを正しく分析するにはやはりプロフェッショナルなデータ分析の方々の力が不可欠なので大変助かっています。

ーー今後こういったコラボレーションを増やしたいという点はありますか?

【貝嶋さん】そうですね……今後さらに一緒に取り組めるといいなと思っているのは「長期的な価値の算出」ですかね。エムスリーはかなりROIを重視する文化なので、どうしても短期的にROIの見えやすい施策が優先されやすい。一方でデザインは中長期な視点で考えていかないといけない側面も強いので、悩ましいんですよね。中長期な価値ってシンプルな計算だと出しづらい場合が多いので、その辺りを一緒に連携できると良いなと思っていました。

【濱口さん】そうですよね、ROIが立ちづらい施策やサービスはなかなか着手し辛いですよね。

【貝嶋さん】ROI基準の優先順位は重要なんですけど、難しい面もありますよね。エムスリーのメインサービスのほかにBX支援チームも自分の管轄なんですけど、ある意味ROIに囚われすぎずに中長期的にやるべきと判断したことにはどんどん着手している感じですね。データサイエンティストが増えればそういった小さいサービスでもしっかりデザインの効果検証を行ってもらえるんじゃないかなと期待してしまいます。他にもまだまだ、データ分析とデザインの連携でできることはあると思うので、お互いのケイパビリティを共有しつつ色々試していきたいです。

依頼を受けるだけではなく、課題解決全体にコミット

ーーデータ分析とデザイン……グループが違えど共通する文化や特徴は何かありますか?

【貝嶋さん】やはりエムスリー全体として、データを中心に考えるという部分は共通しているのかと思います。デザイナー達もデータをまずは確認した上でデザイン検討を行うのが当たり前な状態と言えますね。

【篠田さん】そうですね、データ分析グループ以外の方のデータリテラシーもかなり高いので、他部署とのコミュニケーションはかなりしやすいと感じています。

【濱口さん】あとは、データ分析もデザインも専門性の向きは違えど、専門スキルを手段として使ってビジネスにどう活かせるかという目線を強く意識している点は共通なのかなという風に感じました。データサイエンティストであれば、機械学習モデルを作るだけではなく、「何を解くか」「どう使ってもらうか」という部分も合わせて考える役割が求められていると感じています。モデルを作る部分はあくまで課題解決の一部分なので。デザイングループも似た側面がありそうですが、いかがでしょうか?

【貝嶋さん】課題解決の手段としてのデザインという感じなので、アプローチは似ているかもしれません。企業によっては、こういうデザインや分析を出して欲しいと依頼が来たらそれを返して終わる……というケースも少なくないんですが、エムスリーでは誰のためにやるのか、そのデザイン/データを出すにはどうしたらいいのか、最終的にどういう状態を目指しているのかまで責任を持っている点がポイントだと思っています。


さいごに

今回の対談ではデザイングループ・データ分析グループから見たエムスリーの魅力を深掘りました。3人のリーダーが語るエムスリーの世界は、ただのデザインやデータ分析を超え、全社的なビジョンと密接に結びついていると改めて実感させられます。今後もエムスリーで繰り広げられる興味深い取り組みにご注目下さい!
後編ではデータ分析グループ採用サイトリニューアルに関してお届け予定です。次回も是非お見逃しなく。

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