面倒でも手入れがしたくなるニットが欲しかった。


僕がニットを普段着として着るようになったのは、そこまで昔の話じゃない気がする。なぜなら、ニットがずっと苦手だったからだ。それもウールやカシミヤなんかの動物の毛をつかったものは、扱いがむずかしそうだったり、着た後になにかめんどうなことが待ちかまえてるような気がして、なんとなく避けてきた。

それでも、秋の装いが上手な男性にずっと憧れがあった。首のつまったクルーネックのニットからシャツの襟が少しだけのぞいていて、細身のトラウザーにスエードのスニーカー。秋は四季のなかでもっともいろんな格好を楽しめる時期なだけあって、きちんと気を配れている人とそうでない人との差が明らかになってしまう季節なのかもしれない。

僕にとって、ニットといえばジョンスメドレーである。メイド・イン・イングランド。そこで使われているニュージーランド・メリノ・ウールは、ジョンスメドレー社が厳選した直接契約した牧場で、ジョンスメドレーのニットのために最高の環境で羊が育てられている。


ジョンスメドレーのニットの特徴は、しなやかな肌ざわりと品のある光沢。やわらかくて着心地も申し分ない。糸の段階から自社工場で染色される深みのある色は、その洋服が大切に着られるべきものだとうったえかけてくる。

「取り扱いがむずかしそうだ」とずっと避けてきたニットだったけれど、それなら手入れがしたくなるほど愛着がわくものを買えばいいのかもしれない。もちろんそんなに安くはないけれど、これから長い付き合いになると思えば高くもない。長い間大切に着られてきた洋服は、一目でわかるものだと思う。

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