見出し画像

【自己紹介】by メザニン広報室

noteを始めるにあたって、自己紹介を書こうとしていましたが、普段、自分のことを話すよりも、人の話を聞くことを生業としているため、なかなか筆が進まず、メザニン広報室に相談してみました。

今回は、オンラインのカウンセリングサービスmezzanine(メザニン)の広報室による、私のインタビュー記事です。


相談室の「外」へ出ていくカウンセラーへ。

-まずはカウンセラーを目指すようになったきっかけを教えてください。

SATOMI(以下、S):前職はIT企業でした。そこで周りの同僚がメンタル不調になるのを目の当たりにして、対人支援の必要性を強く感じてキャリア・チェンジをしました。

これまで医療・福祉・産業領域での面談やカウンセリングを、対面の他にオンラインも含めて行ってきました。

はじめは傾聴の方法論に強くこだわっていて、教科書的な正解を追いかけていた節がありましたが、クライエントごとに、その時々に「何」を「どこまで」、「どれくらい」の深さで聞けば良いのか、は変化します。

今はもっと柔軟に対応できるようになってきているかなと感じます。

-SATOMIカウンセラーがカウンセリングで心がけている事を教えて下さい。

S:私が尊敬している先生が「これからは、カウンセラーは外に出ていく時代なんだ」と、おっしゃっていたことが、今の私の活動にも影響を与えていると思います。

-カウンセリングルームの外に出て行く、ということですか?

S:はい。
積極的に情報発信をしたり、コミュニティに入っていったり、カウンセリングルームで待つんじゃなくて会いに行くような支援ですね。
先生がこの言葉をおっしゃったのは10年程前のことですが、今の公認心理師に期待されているあり方にも通じる気がします。

オンラインカウンセリングも、クライアントの自宅にカウンセリングを届ける、という意味では、外に出ている、とも捉えられるかなと思っています。

-なるほど、メザニンのオンラインカウンセリングや、SNSでの情報発信も、やりたい方向性と重なっているんですね。

S:そうですね。将来も、どんどん色んな活動をして外に出ていくような
実践家でいたいと思います。


-SATOMIカウンセラーは精神保健福祉士の資格もお持ちですが、精神保健福祉士のようなソーシャルワーカーの「ケア」と、カウンセラーが治療として行う「セラピー」は異なる実践ですよね。
最近の出版状況を見ていると、「ケア」が流行っている印象を受けます。
臨床心理学者の東畑開人さんとかは、ケアの大切さを語っています。

S:精神保健福祉士の視点からすると、その人がその人らしい毎日を送るために、「ケア」はとても大切なんです。

東畑先生の『居るのはつらいよ』を読みましたが、「セラピー」は治療なので当事者に変化を起こすけど、「ケア」は毎日変わらない。それが最初とても辛く、苦しいプレッシャーに感じていた、というようなことが書かれていました。

それは、「セラピー」という「変化をもたらすもの」に貨幣的な価値があり、反対に効果が見えにくい日常生活レベルでの「ケア」が軽視されている文化があるから、というような理解を私はしました。

どちらも大切なはずなのに片方が軽視されている、という問題提起として、感銘を受けました。

-その人の毎日が続いて行くために、セラピーもケアも両方大事なんですね。

S:そう思います。

-それはSATOMIカウンセラーのカウンセリング観に、どんな影響を及ぼしているのですか?

S:カウンセリングを通してクライアントがどこまでの、いわゆるセラピー的な変化を望んでいるかということについて、私は慎重な方だと思います。

セラピーはジムの筋トレと同じで、取り組んでいる最中はつらい側面もあって、決して癒しとリラックスだけではありません。

今、その心のコストを払う動機やメリットがクライアントに本当にあるのか、負担もかかることを伝えながら、一緒に検討していきます。

また、最近の新しい心理療法の考え方では、嫌な気分をゼロにするために「もぐら叩き」のようにネガティブな出来事や考え方を潰していくよりも、何となく、抱えられる程度の大きさにして小脇に抱えながら、自分の人生にとって本当に大切なことを、日々、出来る範囲で取り組めていければいいよね、という考え方があります。

-なるほど、「小脇に抱える」ですか。面白いですね。ちょうど最近、「ネガティブ・ケイパビリティ」に関する本を読んだのですが、それに通じるものを感じました。

「ネガティブ・ケイパビリティ」
18世紀イギリスの詩人ジョン・キーツが初めて提唱した概念。
謎や課題に直面した時に、直線的な解決を求めたり、安易な解決に納得せず、物事を宙吊りにしたまま考える力のこと。

S:そうですね。
人ってもともと、良いことよりも悪いことを大きく評価する傾向があると言われていて、それは生物として生存に有利だったから、という見方があります。

あえて、日常的な言葉を使うなら、『心配性だったからこそ生き残ってきた』という表現ができるかもしれません。

なので基本的には『あんまりパッとしない』気分でいるくらいが、どうやら人間の標準だという意見も見られます。

-完全に不安とかモヤモヤをゼロにしてハッピーでいられるって、本当はすごく難しいことなんですね。

今日はとても興味深い話を伺えて、いい記事になりそうです。ありがとうございました!

 編・著:メザニン広報室

メザニンのオンラインカウンセリングにご興味を持たれた方は、
下記よりご予約を承っております。


この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?